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コニカミノルタが考える、クリエイティブを生み出す「新しいオフィスのかたち」

2022.01.25
オフィスのミカタ編集部【PR】

テレワークが普及してからしばらく経ち、働き方や社内での情報管理体制の整備など、さまざまなことが変化したはずだ。

しかし、オフィスはどうだろうか。仕事をする場所であり、社員が集まる場所であり、企業という存在を可視化する場所が変わり始めているならば、これからのオフィスづくりの最適解とは何かを考えてみたい。そんな思いでオフィスのミカタ編集部は、ニューノーマル時代のオフィスを提案するコニカミノルタジャパン株式会社の「つなぐオフィス」を訪ねてみた。

社員みんなで実証し、形にしていく新しいオフィス

コニカミノルタジャパンの「つなぐオフィス」は、本社である浜松町オフィスの一部分に置かれ、2021年にリニューアルオープンしている。コニカミノルタジャパンの働き方改革自体は、実は2013年に同社で働き方変革プロジェクトが発足した時から始まっていた。翌年に本社移転することをきっかけに、新しいオフィスで効率よく働くためにはどんな場所にすればいいのかとワークショップで議論を重ね、フリーアドレス、ICTインフラの整備などから着手していった。

働き方改革プロジェクトが発足した背景には、市場ニーズの変化による自社ビジネスの再構築という目的の他、リソースシナジーが生まれにくくなっていた社内コミュニケーションのあり方などがあったという。「BCP(事業継続計画)を描いて新たなビジネスモデルの創出に本気で取り組まなければいけないという危機感がありました」と話すのは、経営企画部の牧野陽一さんだ。

「つなぐオフィス」 は、ニューノーマル時代の働き方を実現する事を目的とした場であり、同社の社員にとってABW(社員が業務効率を考えながら、業務内容に応じて働く場所を選び、生産性・創造性を高めていくオランダ発の働き方)を実現するオフィスそのものだが、より快適な空間づくりのための実証の場でもあり、働き方改革やDX化を進めたい企業にオフィスデザインやソリューションを提案・体感してもらう場でもあるのだ。

紙文書を88%削減して、すっきりオフィスに

牧野さんと空間デザイン部のデザイナー・である梅田眞世さんの案内で、「つなぐオフィス」に足を踏み入れると、これがオフィス……いや、確かにオフィスなのだがオフィス特有の「緊張感」は皆無。300席ほどあるというフロアはゆったりしていて、それほど席数があるようにも感じない。一体なぜなのか。その理由を探ろうとオフィス内をぐるりと見渡してみた。

オフィス家具のド定番、天井まで届くほど背の高いキャビネットがない!

このノー・キャビネットを実現できたのは、2016年に保管文書ゼロ化を実施したからだ。紙の書類があるとその近くに席が固定され、フリーアドレス化をさまたげるだけでなく、書類の収納場所も確保しなければいけない。牧野さんは、「オフィスは仕事をする場で、書類を保管する場ではないと社員に伝えて文書削減を推進しましたが、もちろんながら紙がないと不安だという反対意見もありました」と振り返る。

保管文書ゼロ化を進めるにあたって、まず行ったのは各部署でのヒアリングだ。キャビネットを開いて保管されていた書類を調べ、法令で定められている保存期間を基準に紙で残すかどうかを細かく判断していった 。結果、会社に保管されていた書類88%削減することができた。総務や人事など書類の保管が必要な部署をまとめ、「つなぐオフィス」とは別にフリーアドレスではないデスクエリアを設けるなど、部署ごとの最適化も進められている。

個人ロッカーも廃止で、部署ごとに割り当てられたロッカーはわずか2個以下。出勤時の荷物は1dayパーソナルロッカーに入れる。梅田さんは、「印刷自体はたくさんしますが、紙をストックしないように心がけているんです」と書類との向き合い方を説明する。

どのように仕事したいのかによって使い分ける空間

「つなぐオフィス」は7つのエリアにゾーニングされている 。「High Innovation」と「High Community」は来客フロア、「High Secure」「High Focus」「High Collaboration」「High Creativity」「High Function」の5つは社員が利用する執務フロアだ。執務フロアの入り口から入って右奥が、社長室や重要な会議を行う「High Secure」で、その隣が「High Focus」だ。

「High Focus」は落ち着いた雰囲気で、自社開発の予約アプリを使って3時間ごとの予約制で使用する集中席が並んでいる。集中席は5種類あって、吸音性を備えたパーテーションで囲まれた席や、周囲の視線が気にならないように頭上を囲むパネルが付いている椅子席などが並んでいる。パーテーションは高さや色、形もさまざま。業務内容やその日の気分によって選べるようになっている。自分ならどこに座るかなと考えていると、空気の流れるような音が聞こえてきた。

「ここは作業に集中する時に使うエリアなので、人の動きや声が気にならないよう、サウンドマスキングをかけています。ディフューザーで集中力を高める香りを出したり、作業中の手元にダウンライトが落ちるように調整し、た照明も明るさを落としています」(梅田さん)

集中=無音というイメージがあったが、多くの人が働くオフィスで完全な無音空間を作り出すのは難しい。他の音を気にならなくするためにあえて音を流すというのは驚きだった。

エリアごとに光の量や色、音、香りを変えて、作業効率が変わるかどうかを検証しているそうだ。フロアでぱっと目を引くWeb会議用のボックスも、どのエリアに置くと作業効率が上がるのかを検証中。こうした検証への意見は、予約アプリ内で行えるアンケートで収集し、改善に向けた 判断基準の一つにしているという。

対面だからこそ生まれるアイデアとコミュニケーション

対面だからこそ生まれるアイデアとコミュニケーション

「High Focus」から「High Collaboration」に移動すると、床面がグリッド(格子状の直線)で区切られていて、グリッドごとにタイプの違う家具が置かれているのが目にとまった。家具は1年ごとに25%を入れ替えることができるサブスクを利用していて、使用率が低い家具を変えていくことができる。移動式のホワイトボードを使いながらミーティングやブレストを行い、チームワークを強化する場となることを目的としている「High Collaboration」では、自分たちの横で他のチームがブレストしている様子も見える。そんな垣根の低い空間で、対面だからこそ生まれるコラボレーションの醸成を狙っている。

「High Collaboration」から「High Creative」に入ると、カジュアルな雰囲気が一気に増す。創造性を高めるために随所にグリーンが置かれ、小鳥のさえずりがBGMとして流れている。「High Focus」の落ち着いた香りとは違い、「High Creative」の香りはすがすがしい感じだ。思わずごろんと横になりたくなる窓辺の芝生エリア、背後を包み込むような構造になっているリクライニングシート、プラネタリウムが美しい星空を描く完全個室まである。

「High Creative」では予約が不要な席も多くあり、その時々で空いている席に着く。偶然隣り合った人と話す機会が増えたそうだ。このエリアでは雑談が奨励されている。何気ない雑談からひらめきがわいたり、気軽な会話から部署をまたいだコラボレーションが生まれる場を目指している。

最後に訪れたエリアは「High Function」だ。社内向けプレゼンテーションや会議の場として使われる。壁一面、机もホワイトボードで、思いついたことを書きとめておける。自由でアクティブな会議になるように、体幹バランスを取りながら座る椅子が置かれるなど、一般的な会議室には見られないポップなオフィス家具が置かれていた。

驚きや気付きが多い「つなぐオフィス」を見学し、改めてコニカミノルタジャパンにとってのオフィスとは何かと聞いてみた。

「コロナ禍では出社がリスクだと言われました。テレワークで済むなら出社しなくてもいいのかもしれませんが、それでも出社する意義とは何か。会社とは何のために存在するのか。それはオフィスがクリエイティブな場であることと結びつきます。私たちはオフィスを創造性、業務効率、エンゲージメントを高めていく場として定義し、テレワークとのハイブリットワークの実現を目指しています」(牧野さん)

有事でも仕事を継続できる体制なのかと問いかけてみる

有事でも仕事を継続できる体制なのかと問いかけてみる

最後にBCPの観点から日々検証を行う同社に、なにかヒントはないかと聞いてみた。

「災害や事故など予想できない外的要因で、ある日突然オフィスが使えなくなったらと想像してみてはどうでしょうか。オフィスに来ても仕事ができない、オフィスに行けないという状態になった時に、会社の基幹システムは使えるのか、どのようにして仕事を継続するのかなどを一度、可能であれば社内全体で考えてみるのもいいと思います」(牧野さん)

活用されていなかった基幹システムを見直すため、部署ごとに3日間だけ出社しないで仕事をするという検証を行い、その中で出てきた意見をもとにユーザビリティを高めていったそうだ。
社員それぞれが物事を自分事として捉えることが、働き方改革の第一歩なのかもしれない。

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