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文書管理とは。重要性や管理方法、文書管理システムについて解説

2022.06.24
オフィスのミカタ編集部

社内にある様々な文書を管理することを指す「文書管理」。文書管理は企業にとって多くのメリットがあるが、適切な文書管理が行われていない企業も多く、文書管理の方法を知りたいと考える担当者もいるだろう。そこで本記事では、文書管理の目的や重要性、文書管理の方法や文書管理を効率化できる「文書管理システム」について解説する。

目次

●文書管理とは
●文書管理が重要となる理由
●文書を適切に管理する方法とは
●文書管理の効率化には、文書管理システムがおすすめ
●まとめ

文書管理とは

企業には、契約書や労務書類、財務諸表といった、個人情報や機密情報が記載された様々な文書がある。これらの重要文書を適切に管理することは、企業経営において重要な施策と言えるだろう。まずは、文書管理の概要について解説する。

文書管理の定義
文書管理とは、社内にある様々な文書を管理すること。文書を「発生」「活用」「保管」「保存」「廃棄」のサイクルに沿い、段階的に管理することを指す。管理の方法は、紙文書と電子文章で管理するケースがあり、どのような媒体で管理しても問題はない。

文書の種類には、個人が持つナレッジ・備忘録などを個人が手元で保有している「個人文書」と、企業の有益な情報を社員全員が活用するために共有している「共有文書」がある。文書管理が適切に管理できていないと、個人が持つ有益な情報を企業全体で共有できないほか、共有文書にある情報を組織内で有効に活用することができない。そのため、個人文書と共有文書の双方を適切に文書管理することが、企業にとって大切となる。

文書管理の目的
企業での文書管理には、大きく分けると以下のような2つの目的がある。

・個人情報や機密情報など法的に保護されるべき情報を、漏洩しないように管理すること
・企業活動に必要な情報を、社内で有効活用できるように管理すること

文書管理の目的は、企業が守るべき情報の漏えいや改ざん、紛失などを防ぐことだ。また、情報はただ保管しておくだけでは活かされないため、必要なときに必要な人がすぐに活用できる状態にしておくことも目的となる。

文書管理が重要となる理由

文書管理の目的については先述した通りだが、なぜ企業にとって文書管理は重要となるのだろうか。ここからは、文書管理を行うことで企業が得られる効果を見ていこう。

業務の効率化に繋がる
文書管理を行えば、業務の効率化に繋がる。必要な情報を誰もが迅速に探し出せるように管理できれば、情報を探す手間や時間を減らすことが可能だ。新入社員が自分で疑問点を解決したり、顧客への問い合わせに迅速に対応したりもできる。社員一人ひとりが質の高い業務を行うことができるため、企業の生産性向上も期待できるだろう。

コンプライアンスを強化できる
文書管理を適切に行えば、企業のコンプライアンスも強化できる。例えば、守秘義務のある情報が外部に流出した場合、社会的信用を失うだけでなく、損害賠償を請求されるケースもある。顧客とのトラブルが発生した場合には、相手に対して詳細を説明する責任が生じるだろう。文書管理を行えば、こういったリスクをマネジメントできるほか、企業としての説明責任も果たすことができる。

文書を適切に管理する方法とは

ここからは、文書を適切に管理するにはどのような方法があるのか、文書管理の方法について見ていこう。

【方法1】文書管理のルールを定める
文書管理は、マニュアルや規定を作り、文書管理のルールを定めることが大切だ。例えば、対象となる文書の範囲、文書ごとの保管場所や保存期間、文書の廃棄方法などを策定する必要がある。部署間で管理ルールが異なる場合、なかなか情報に辿り着けず、スムーズに情報が共有できないが、社内全体で管理方法を統一すれば、情報を有効に活用することが可能だ。

また、ルールを定めたら、そのルールを社内に周知させることも、文書管理を行う上でのポイントだ。

【方法2】文書を分類する
文書を部署別や種類別などに分類すれば、文書が探しやすく、管理もしやすい。分類する際は、情報の漏れや重複に気をつけるほか、階層レベルを統一することも重要だ。

分類方法には、文書を管轄する総務部などの部門がルールを決め、トップダウンで文書を整理する「ワリツケ式」と、現場の担当者が実態に即して文書を整理する「ツミアゲ式」がある。多くの企業でツミアゲ式を採用しているが、双方の特徴を理解した上で、自社に適した方法を選択するのがおすすめだ。

【方法3】文書をファイリングする
文書管理の方法には、ファイリングする方法もある。ファイリングとは、文書をファイルやバインダーに挟んでキャビネットに収納することだ。分類した文書ごとにファイリングすれば、文書をすぐに活用できる。

ファイリングする際は、管理しやすいように分類ごとにファイルを色分けしたり、置き場所を移し替えたりするとよいだろう。

【方法4】文書管理システムを活用する
文書管理の方法として、文書管理システムを利用することも検討してみてはいかがだろうか。文書管理システムとは、文書をデジタル化することで、文書管理を効率化できるサービスのこと。文書管理を利用すれば、文書の作成から保管、廃棄までの流れを一元管理することができる。ただ管理できるだけでなく、情報の共有や検索が簡単に行えることも特徴だ。さらにシステムによっては、文書を自動的に破棄する、セキュリティレベルを定められる、といった機能を備えるものもある。

文書管理システムを利用すれば、会計帳簿や国税関係書類などの電子データ保存を認める法律である「電子帳簿保存法」に対応することも可能だ。

文書管理の効率化には、文書管理システムがおすすめ

先述した通り、社内で文書を効率的に管理できる文書管理システムは、文書管理の方法としておすすめだ。ここからは、文書管理システムを導入すると、どのようなメリットがあるのか紹介する。

文書管理システムを導入するメリット
文書管理システムを導入すると、以下のようなメリットを得られる。

・社内文書を一元管理できる
・情報の検索・共有・運用がしやすい
・ペーパーレス化できるためコスト削減に繋がる
・セキュリティを強化できる


文書管理システムには、文書の保存期間を設定し、期限が来たら自動的に廃棄される機能がある。その機能を使えば、社内文書を適切に管理することが可能だ。また、タグ検索やキーワード検索など高度な検索機能を備えているほか、簡単に情報の更新や共有もできる。さらに、紙代や印刷代、文書の保管スペースといった費用も削減することが可能だ。

アクセス制限などの機能も備えているため、情報漏洩を防ぐ点でも効果的だろう。さらに、ワークフロー機能を備えた文書管理システムを導入すれば、業務のプロセスまでも管理できる。

文書管理システム導入時のポイント
文書管理システムを導入する際、どのようなことに気をつけるとスムーズに導入することができるのだろうか。導入時のポイントは以下の通りだ。

・他部署に対して、導入に対する理解や協力を仰ぐ
・システム移行すべき文書を洗い出す


情報管理システムは、1つの部署だけでなく他部署にまたがり導入すると、よりシステム導入の効果が得られる。そのため、他部署にも導入に関して協力を仰いでおくことがポイントだ。

また、文書管理システム導入時には、事前に計画を練ることも大切だろう。あらかじめ管理すべき文書の分類や整理を行い、優先順位をつけて段階的に移行していくことをおすすめする。

まとめ

文書管理を適切に行えば、業務効率化やコンプライアンスの強化に繋がる。文書管理の方法には紙で管理する方法と電子文書で管理する方法があるが、効率よく文書管理するためには、文書管理システムで管理する方法がおすすめだ。文書管理システムを使えば、社内文書を適切に管理でき、有効活用することができる。本記事で紹介した内容を参考にしていただき、文書管理の体制構築を目指してはいかがだろうか。