オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

RPAによる省人化は進む 今後のあるべき経理の姿とは

2022.08.31
オフィスのミカタ編集部【PR】
株式会社 free web hope CFO 鈴木 ひとみ/SUZUKI Hitomi  公認会計士 眞山 徳人/MAYAMA Norihito  ブルタイム株式会社 代表取締役 齋藤 和也/SAITO Kazuya
株式会社 free web hope CFO 鈴木 ひとみ/SUZUKI Hitomi 公認会計士 眞山 徳人/MAYAMA Norihito ブルタイム株式会社 代表取締役 齋藤 和也/SAITO Kazuya

経理ツールの利活用が進み、多くの業務が自動化・省人化されつつある。それでは、これからの時代に経理パーソンが果たすべき役割とは何か。どのようなスキル・リテラシーが求められるのか。女性向け経理スクールCuelの講師を務める齋藤和也氏・眞山徳人氏と、エバンジェリストで株式会社free web hope CFOの鈴木ひとみ氏に話を伺った。

経営視点でデータと向き合える経理の理想の人材像

― 経理人材の育成に取り組む立場として、現代の経理に求められていることはどういったことでしょうか。


齋藤 今後、データ利活用に知見がある経理は強いなと思います。クラウドを使いこなすようなITリテラシーは前提として、会社あるいは業界全体を見渡したときにどういったデータが求められているかを理解する力。ITを駆使してデータを分析・加工することで経営レベルの意思決定に生かす力が経理には求められると思います。

眞山 確かに、経理部は経営課題に取り組むことで企業の価値を高めていくべき存在ですよね。さらにいえば、経営の軸も、従来のように利益だけを追い求めるのではなく、SDGsや社会への貢献といったところにもKGIが貼られつつあります。必然的に経理業務で考えるべきことも多様化しており、そうした側面からも成長が求められているのかもしれません。

鈴木 マーケティング視点も重要だと考えています。目の前の数字を基に未来を予測して、どの数字を上げればより良い未来につながるのかを考える。経営で当たり前に認識されているマーケティングリテラシーは、経理にも当然に求められるものだと考えています。

齋藤 確かに、書類を機械的に処理するという従来型の働き方も残るとは思います。しかし企業の未来を見据えて価値を創出しようとすると、結局行き着く先はマーケティングだといった場合が多いように感じています。従来は売り上げ、コスト、利益が会社にとって最も重要な指標でしたが、今は財務指標以外の指標が重要視されています。

経理リテラシー習得を阻む経営・現場双方のマインド

― 経理人材の理想像についてお伺いしましたが、実際の企業では日々の作業に追われている担当者が多いのではないでしょうか。


眞山 おっしゃる通り、リテラシーを発揮して本来業務に注力できている経理ばかりではありません。その理由として、経営者側の問題は大きいと思います。例えば今まで経理部に対してスピードアップやコスト削減ばかりを求めてきたケースは多いです。その結果としてそれ以上の段階に進めない経理人材しかいない、という現状があるイメージです。

鈴木 まず経営側が、経営視点ありきの業務遂行を任せるというのは重要なポイントです。例えば弊社の場合、社長は私が入社当初から「財務ドリブンな会社にしていきたいから、いずれはCFOに経営を任せたい」とミッションを共有しています。そうすると「とりあえず決算を乗り越えられればいい」といった発想にはならないですよね。任せてもらえるからには経営課題の解決にも積極的に貢献したいと思えるようになります。

― 企業においてそのような経理のマネジメントが浸透しない理由はなんなのでしょうか。

眞山 経理はコストセンターだという認識から脱却できていないことだと思います。「余計な口出しはせず、ミスなく迅速に仕事をこなせ」と言われ続けているんですよね。

齋藤 昔の話になってしまいますが、高度経済成長期のように勝手に売り上げや利益が伸びる時代なら、納税のための経理処理をしておけばよかったのかもしれません。しかし今のように変数が複雑化しているときには、経理の役割や目的も変わっているはずです。

鈴木 意識としてコストセンターから脱却することは間違いなく必要です。会社全体の数字の動きが見える経理だからこそ、コスト削減につながる動きは取りやすいはずです。

齋藤 確かにおっしゃる通りです。経理部はプロフィットを上げる・コストを下げる両面に取り組むべき存在ですよね。二面を捉えてDXに取り組むことが経営には重要だと言えるでしょう。

眞山 一方、経理人材も、その期待に応えられるスキル・マインドを付けておかなければならないことも事実です。鶏と卵ではないですが、経営者の期待値が高いと経理部も成長し、経理部が頼り甲斐があると経営者の期待値もさらに高まるという。とはいえ、経理をはじめとするバックオフィスの方々は社外の情報になかなかアクセスできず、企業を客観的に把握しづらい点は課題として挙げられると思っています。

経理スクールCuelで代わりのきかない人材へ

― そのような文脈で経理のリテラシーを高めるためにはどうすればよいのでしょうか?

齋藤 具体的に、どうすれば経理リテラシーを向上させられるかについては、一つは目的意識を持って働くことが挙げられます。ただしそうした環境が整っている企業様ばかりではないことも事実なので、会社以外の成長の場があってもいいと考えてCuelを運営しています。

眞山 私が講師として意識するのも同じで、簿記検定等の既存の学びにとらわれない成長の機会を重視しています。そのためにCuelでは正解が存在しない問題ばかりを出すんです。その理由は代わりのきかない人材を育てるという意味もあるのですが、経理部で活躍されている受講生の方々に、正解は一つではないという気付きを得ていただきたいという想いも強くあります。受講者の皆さんが課題の解答を持ち寄って、講義の前に受講者同士でディスカッションを行います。例えば補助科目の付け方は企業ごとに大きく異なり、経営者の考え方に左右されていることを実感いただけるようカリキュラムを組んでいます。

鈴木 私もCuelの受講者として、ただ経理業務をこなしているだけでは学べない経営の目線、会計士さんの数字の捉え方などを知れて良かったなと思います。

 運営する側の立場になった今、とりあえず一歩踏み出してみるのもいいですよとおすすめしたいです。一歩前に進んでみることで、こんなに広い世界が広がっているんだ、経理にはこんなに可能性があるんだと気付けるはずです。

「経理スクールCuel」のサービス資料をダウンロードする