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目的に適した従業員サーベイの種類と実施時からフォローまでの注意すべきポイントやおすすめ支援サービスを解説

2022.11.02
オフィスのミカタ編集部

従業員の会社満足度・不満をデータ化し、離職や不信感の改善につなげる従業員サーベイは、企業成長に欠かせない人事業務の一つとなりつつある。今回は従業員サーベイの概要から種類、支援サービスなど、これから従業員サーベイを導入しようと考えている企業にとって有用な情報をお届けする。

従業員サーベイの定義と導入が増えた理由

終身雇用制度が崩れ始めている現在、優秀な人材の流動化が進み、優秀な人材の繋ぎ止めと採用が企業成長に欠かせない人事業務となりつつある。企業に対する愛着を高め、離職防止に効果のある従業員サーベイの定義と導入増加の背景を解説する。

従業員の会社満足度や従業員の置かれている状況を調査する従業員サーベイ
従業員の会社への満足度や愛着を調査するのが従業員サーベイ。アンケートによって調査し、収集したデータを分析して問題点の抽出や改善方法の立案に役立てる。

混同されがちな従業員満足度調査と従業員サーベイの違い
従業員満足度調査と従業員サーベイは混同されがちだが、その間には明確な違いがある。従業員満足度調査はその名の通り、従業員の満足度を調査するが、従業員サーベイは満足度以外にも課題を顕在化させることも目的としている。1つの事柄を調査している従業員満足度調査と、多角的に従業員の置かれている状況を調査している従業員サーベイには調査範囲に大きな違いがあることが分かるだろう。

リモートワークの一般化に伴い従業員サーベイの導入が増加傾向に
リモートワークが一般化するに伴い、いかに会社への愛着を持ってもらうか、そして会社や組織への不満を掬い上げて解決していくかが課題となっている。従業員サーベイはどこにいても調査が可能なため、導入して企業成長に繋げたいと考える会社が増えている。

下記記事では従業員サーベイについて網羅的に解説している。ぜひ参考にしてほしい。
従業員サーベイの導入により職場環境の改善、離職防止策を推進。活用方法とおすすめのツールを解説

実施目的に適した従業員サーベイの種類

従業員サーベイにはさまざまな種類がある。ここではよく導入されているサーベイを紹介する。

従業員の意欲や態度を測定する「モラルサーベイ」
従業員の士気を測定するサーベイで、パフォーマンス向上のための課題を見つけ出すことを目的とする。組織の問題を明確化し、最適な人材配置や従業員の働きがいの改善に役立てる。

組織マネジメントの状態を測定する「組織サーベイ」
経営目標を達成するために、組織マネジメントが正常に機能しているかを確認する。組織の問題点をあぶり出し、組織の改善・改革に役立てる。

従業員満足度を調べる「エンゲージメントサーベイ」
企業と従業員の関係性が良好かどうかを調べる「エンゲージメントサーベイ」。具体的には、会社や仕事に対する従業員の満足度を調査し、満足度向上のための方策を練る判断材料とする。

従業員の法令順守の意識を調査する「コンプライアンスサーベイ」
コンプライアンス(法令遵守)に対する意識調査を目的とする「コンプライアンスサーベイ」。コンプライアンスに関する問題を起こすと会社全体の社会的信用に関わるため、リスクを未然に防ぐメリットは大きい。

社内の課題や従業員の意欲をいち早く調査する「パルスサーベイ」
従業員の満足度調査を短いスパン(1週間〜1ヶ月に1度)で行う調査方法で、頻繁な調査によって問題点や課題を迅速に把握するために役立つ。ただ、頻回な調査は従業員の負担となるため、簡単な質問にすることを心がけたい。

従業員の一人ひとりのこころの状況をつかむ「ストレスチェック」
2015年12月より施行された労働安全衛生法に基づき、50人以上の労働者が所属する事業所で年1回の実施が義務付けられている。従業員のメンタルチェックや職場環境の改善に役立てる。

従業員サーベイを実施する際に気をつけたいポイント

いいことばかりのように見える従業員サーベイだが、その実施には従業員の負担があることを忘れてはならない。ここでは実施する際に気をつけたいポイントを見ていこう。

従業員にサーベイの告知だけでなく意図も伝える
サーベイは従業員の協力が欠かせず、業務負担になることは避けられない。したがって、「なぜ行うのか」「メリットは何か」を伝えることで、快く協力をしてもらえるように働きかけてほしい。

アンケートの匿名性を確保する
従業員サーベイは匿名性の確保が肝心だ。会社への不満や改善してほしい点を聞くことも多いため、匿名性を担保しないと率直な意見を集めることは難しい。事前に匿名であること、サーベイの回答によって不利益を被ることがないことを告知しておくようにしたい。

業務の負担にならない配慮が必要
いくら職場環境の改善に役立つといっても、サーベイの回答に業務時間を取られて負担になってしまっては元も子もない。回答期間を長く取る、効率の良い質問設計、回答方法の複数設定で環境を選ばず回答できるようにする、繁忙期にはサーベイを行わないなど、従業員の負担にならないよう配慮しよう。

調査結果は従業員にフィードバックすることが重要
従業員サーベイによって導き出した調査結果は、必ず従業員にフィードバックするようにしたい。調査結果を公表せず、上層部のみで情報共有をすれば、余計な業務負担が増えただけと感じ、会社への不信や不満を強めてしまう。調査した内容や意見が組織や具体的な業務に反映されていると感じることができれば、従業員は会社への信頼を強め、仕事への意欲が高まる可能性が高い。

効果的な従業員サーベイの実施には統計知識や人事領域の豊富な経験が必要

従業員サーベイは少なからず従業員の業務負担になることもあり、いかに少ない労力で効果を発揮するシステムにできるかが問われる。そのためには関連業務の豊富な経験と知識が必要とされるが、統計知識と人事領域の経験の両方を備えている人材というのはなかなか少ないのが現実。そこで活用したいのが、従業員サーベイを提供しているサービスだ。簡単なサーベイの実施と自動解析など多彩な機能で効果的な従業員サーベイが実施できるだろう。

人材企業が提供するデータの活用を見据えたおすすめ従業員サーベイサービス

データの有効活用が可能な従業員サーベイのサービスを紹介する。

モチベーションクラウド
20分程度の簡単なサーベイで従業員のエンゲージメントを可視化・数値化できる「モチベーションクラウド」。8740社・237万人のデータから組織の統一指標を導き出し、組織の弱みを明確できる。他社比較や項目比較、属性・経年比較など、さまざまな角度から課題設定が可能で、自社が求める情報を取得できるのが強みだ。
https://www.motivation-cloud.com/

HR OnBoard
「Gap(ギャップ)」「Relation(関係性)」「Capacity(業務量)」の頭文字を取った「GRC分析」を独自メソッドとして採用し、離職サインを分析して定着率向上を高めている「HR OnBoard」。リモートワークでSOSを素早く発見し、適切なフォローを促すことができる。
https://on-board.io/

jinjerワーク・バイタル
週1回簡単なアンケートを送付するパルスサーベイを行う「jinjerワーク・バイタル」は、アンケートの結果を自動管理・解析できるシステムで、担当者の負担を増やさずにサーベイを実行・管理できる。異変のあった従業員に関しては自動検知機能があるため、即座に対応できるのもメリットだ。
https://hcm-jinjer.com/workvital/

カオナビ
トヨタやみずほファイナンシャルグループなど、大手企業から支持されている「カオナビ」。エンゲージメント向上を目指すためのパルスサーベイやアンケートで従業員の不満・満足を可視化できる。設問のカスタマイズも簡単で、360度評価も可能だ。
https://www.kaonavi.jp/

タレントパレット
タレントマネジメント機能を搭載している「タレントパレット」では、さまざまな角度から人材データ分析を行うことができる。パルスサーベイや組織サーベイ、ストレスチェックなどのほか、採用管理や適性検査、人材育成など、人事機能を網羅しているため、初めて人事システムを導入する際にピッタリのサービスだ。
https://www.talent-palette.com/

まとめ

従業員サーベイは終身雇用性が崩れ、多彩な働き方が増えた現代の企業と従業員の関係性を保つために必要な人事領域の業務となりつつある。従業員の満足度の向上は企業成長の糧となると考え、不満の解消や課題への迅速な対応を心がけてほしい。そのためにも、簡便に従業員サーベイが行えるサービスの導入を検討し、一早くサーベイ実施を推進してほしい。