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企業成長に欠かせない離職防止対策。離職防止ツール利用のメリットやおすすめのサービスを解説

2022.12.02
オフィスのミカタ編集部

離職防止策を講じることは、企業を成長させるためには欠かせない。ここでは、対策に取り組むべき理由から、一人ひとりに寄り添った対策をするために欠かせない離職防止ツールを利用するメリット、おすすめサービスなどを紹介する。

離職防止に早急に取り組むべき理由

企業の財産といえる人材の離職防止に取り組むべき理由は、国や信用調査会社による発表資料からも読み取れる。根拠となる資料を紹介しながら解説する。

就職後3年以内の新卒就職者の離職率は3割超
毎年、厚生労働省が発表している「新卒就職者の離職率」。2021年に発表した2020年度の調査結果では、就職後3年以内の離職率について、新規高卒就職者で約4割、新規大卒就職者で約3割となっている(参照:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)。

新規採用には多くの企業がお金と時間をかけているだろう。さらに入社後には社員研修や教育をした上で戦力となるよう育てていくが、そのうちの3割超もの人材が流出していることになる。

出生数・婚姻数ともに減少しており、労働人口の減少も加速
「2021年人口動態統計月報年計」の概況によると、出生数は前年より約3万人減少し過去最少を記録。婚姻件数も前年比で約2万5000組減と、戦後最少となっている(参照:厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)」)。国内における出生数は毎年のように下がっており、今後、労働人口の減少が加速するのは自明の理といえるだろう。

人手不足を感じている企業が3割超あり、売り手市場が続く
帝国データバンクによる調査によると、正社員が不足している企業は約4割(参照:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」)。コロナ禍を経て、業績が堅調に回復して人手不足となる企業は優秀な人材確保に向けた動きが見られるという。

実際に、厚労省の転職者実態調査では、即戦力となる人材や、専門知識・能力を持つ人材を求める動きが見られ、転職者を採用する予定がある事業所割合は5割を超えている(参照:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」)。こうしたことから、売り手市場が当面続くものとみられる。

離職防止対策を講じないことによるリスク

離職防止対策を講じない場合に想定されるリスクについて見ていこう。

優秀な人材の流出による企業競争力の低下
前述したように、新卒者の離職率の高さ、労働人口の減少により売り手市場が続く現状では、離職防止策を講じなければ優秀な人材はより良い環境へと移動していく可能性が高い。それにより企業競争力が低下してしまう。

既存社員の負担増大で会社への不満が溜まる
優秀な人材が流出すると、会社に残った社員の負担が増える。それにより会社への不満が溜まり、さらなる人材流出につながる危険性がある。

人材の高い流動性は企業イメージの低下につながる
人材の出入りが激しい企業については、さまざまな企業への口コミが寄せられるサイトやSNSで情報が流れるため、企業イメージ低下というダメージを受けることになる。

転職入職した人が前職を辞めた主な個人的な理由

離職防止策を講じるためには、なぜ従業員が離職を選ぶのかを知る必要がある。ここでは厚労省が調査した離職原因について参考にしながら解説したい。

その他などの曖昧な項目や契約期間の満了を除くと、男性では職場の人間関係への不満、女性は労働時間や労働条件への不満がもっとも多かった(参照:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況-」)。以下でその内容について詳しく考察していきたい。

会社の労働条件への不満
労働条件への不満とは、具体的には給与やボーナスへの不満のほか、労働時間の長さやサービス残業の多さ、有給取得に関する不満など多岐にわたる。働き方改革が進んだ結果、ワークライフバランスを大切にする人が増えていることから、労働環境・条件がよくない会社は人材の流出を覚悟する必要がある。

上司部下・同僚など人間関係に関する悩み
人間関係でストレスを感じて離職するケースも多い。これには事業者の義務であるハラスメント防止を怠ったために起こる、さまざまなハラスメントも該当する。人間関係の問題は配置転換などで回避できる可能性がある。早急に従業員の不満を察知し、対策を講じて防いでいきたい。

前年度から上昇したのが「会社の将来性への不安」
2021年度になって大きく上昇したのが会社の将来性への不安を感じたことによる離職だ。昨年度からの上昇率は女性の方が高いが、性別・年代別に見ると35〜39歳男性が突出して高く14.0%だった。一家の大黒柱として働くことが多い世代では、会社への将来性に不安を感じると、より安定性の高い企業へと転職を考える傾向にあることが分かる。

上記のように、大まかな離職理由が分かっても、実際には従業員一人ひとり不満のポイントは違う。それぞれの不満に寄り添い、解決するためには、全社員と面談を行ったりきめ細やかなサポートをしたりするのが理想だが現実的ではない。そこで活用したいのが離職防止ツールだ。ツールを活用することで、社員一人ひとりに合った対策が可能となるだろう。

離職防止ツールを利用することで社員一人ひとりに対して対策が可能に

離職防止のために有効な改善点としては以下の4つがある。

・エンゲージメントの向上(会社への愛着心の育成)
・モチベーションアップ(達成感や承認欲求)
・社内コミュニケーション(風通しのよい人間関係の構築)
・職場環境の改善(ハラスメント対策やワークライフバランスの構築)

離職防止ツールによってどの改善点に重点を置いているのか、得意としているのか異なるため、自社の課題に合った離職防止ツールをセレクトし、活用することが求められる。それにより、社員一人ひとりの離職傾向や動向をチェックし、いち早く手を打つことができるようになる。

離職防止ツールを活用するメリット

離職防止ツールを活用することで、個々の社員に対して対策が可能になることが分かったが、ツール活用のメリットはそれだけではない。ここでは他のメリットについて紹介する。

従業員のモチベーションなど内面を可視化できる
離職防止ツールでは従業員の現在の心境を数値化できるため、傍目にはわからない、従業員のモチベーションなどの内面を可視化できる。それにより、従業員がどういったことに不満を持っているのか、会社にどういったことを求めているのかを知ることができ、組織課題の解決にも役立てることができる。

職場環境が改善され、従業員の満足度向上につながる
従業員の不満や組織の課題をツールによって顕在化することで、課題解決への糸口を掴むことができ、職場環境を改善することができる。それにより従業員の満足度向上を図ることができるだろう。

離職者のデータを蓄積し、分析して採用や職場環境整備に役立てる
離職者のデータを蓄積することでどういった人が離職しやすいのか、把握できるようになる。それにより、離職しにくい人材を確保するように、離職者と同じ傾向を持つ従業員へのフォローを厚くするなどの対策を講じることができる。

離職防止をさまざまな方向からサポートする心強いおすすめツール

離職防止をサポートする心強い離職防止ツールについて、おすすめしたいサービスを紹介する。

ラフールサーベイ
5400万の蓄積されたデータを基に個人と組織の状態を可視化し、課題を見つける「ラフールサーベイ」。サーベイ実施後は組織課題の解決に向けて徹底的にサポートしてくれるのが強みだ。リリースから3年ですでに1200社を突破し、着実に導入実績を積み上げている。
https://survey.lafool.jp/

Wevox
大手企業の導入実績を数多く持つ「Wevox」は、エンゲージメントや組織カルチャーの可視化・分析、気づきを得るための学び、気づきのきっかけを遊んで学ぶといった多様なサービスで、組織力向上サイクルを支援するツール。一人当たり月額300円(税抜)から利用できるのも魅力だ。
https://get.wevox.io/

Geppo
個人と組織の課題を見える化し、離職率の改善やオンボーディングの成功などを支援する「Geppo」。サイバーエージェントが3年運用し実績を残した組織診断ツールをベースに、リクルートの人材事業ノウハウを結集させて作られたサービスで、低負荷・高頻度なツールを実現している。
https://www.geppo.jp/

CUBIC
国内外の企業約10,000社が利用している適性検査の「CUBIC」。個人の気質や性格、組織コミットメントなどを測定できる多面的可視化ツールだ。採用選考だけでなく、育成、人事異動、組織活性化など、さまざまなシーンで活用できる。
https://cubic-co.jp/

EX Intelligence
「EX Intelligence」は、直感的に使いこなせるサーベイシステムが魅力のツールで、個人や組織ごとの根本課題を特定し、改善に向けての優先順位やアクションを示唆してくれる心強いツール。1000社以上のサポート実績を誇り、多彩な分析方法で多角的な組織改善が期待できる。
https://www.hrbrain.jp/employee-experience

まとめ

離職防止対策は企業成長に欠かせないことがわかったが、多くの人材を抱える企業の場合、一人ひとりに寄り添った対策を講じることは難しい。そんな時は離職防止ツールを使い、優秀な従業員の流出を防止するべく組織内の環境を整え、働きやすい職場づくりを目指してほしい。