ダイレクトリクルーティングとは?メリットや注意点、選び方を紹介
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法だ。転職顕在層だけでなく転職潜在層にもアプローチできるため、自社が求める人材を採用しやすいなどの特徴があり、注目を集めている。今回の記事では、ダイレクトリクルーティングの概要やメリット・注意点のほかに、ダイレクトリクルーティングサービスの費用形態や選び方、始める際のポイントを紹介する。
目次
●ダイレクトリクルーティングとは
●ダイレクトリクルーティングのメリットと注意点
●ダイレクトリクルーティングの費用形態
●ダイレクトリクルーティングサービスの選び方
●ダイレクトリクルーティングを始める際のポイント
●まとめ
ダイレクトリクルーティングとは
ダイレクトリクルーティングは、企業が求職者に直接アプローチを行う採用手法だ。従来の採用手法は、求人サイトへの掲載や人材紹介会社への依頼など、応募や紹介があるまで“待つ”ことが基本だった。しかし、ダイレクトリクルーティングでは企業が主体となり、自社にマッチする人材を探してアプローチする「攻め」の採用ができる。
例えば、エンジニアなど即戦力となる人材は転職市場に少ないにも関わらず、求人を出している企業は多いため、採用難易度が高いのが現状だ。このような場合にダイレクトリクルーティングの手法でアプローチすることで、自社を効率よく見つけてもらえ、採用の成功率が高まる。ダイレクトリクルーティングは、専門性の高い職種の採用を行う場合や自社の採用ノウハウを蓄積したい場合、採用力を高めたい場合に効果的な手法といえる。
ダイレクトリクルーティングが注目されている背景
ダイレクトリクルーティングが注目されるのには、少子高齢化や労働人口の減少が関わっている。現在、有効求人倍率は高い水準で推移しており、新たな人材獲得は困難とされている。その結果、企業は効率的かつ効果的な採用活動を行うべく、採用自体の手法や考え方が大きく変化した。企業が求める人材に直接アプローチできることにより、すでに転職を考えている転職顕在層だけでなく、転職を意識しつつも実際の行動に移していない転職潜在層にも効果が期待できる。昨今では、中途採用のみならず新卒採用にも適用している企業も存在する。
従来の採用手法とダイレクトリクルーティングの違い
これまでの採用手法は、「求人サイトへの掲載」と「人材紹介会社からの紹介」が一般的だった。求人サイトは、企業の求人情報をサイトに掲載することで、求職者から応募を集める手法だ。母集団を形成するのに効果的と言われ、多くの応募者の中から自社に合う人材を見つけ出す際に向いている。
また、人材紹介とは、転職希望者が経歴や希望職種を人材紹介会社に登録し、人材紹介会社経由で企業の求人情報に適した求職者を紹介してもらう手法だ。人材紹介会社が事前に企業とのマッチングを行うため、母集団の質はダイレクトリクルーティングと同様に高いのが特徴だ。一方で、人材紹介の費用は成功報酬型のため、複数人採用すると費用が高くなるといった注意点もある。ダイレクトリクルーティングは仲介者がいないため、人材紹介よりも費用負担が少なくなるだろう。
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ダイレクトリクルーティングのメリットと注意点
ダイレクトリクルーティングのメリットや注意点を紹介しよう。
ダイレクトリクルーティングのメリット
求人広告の掲載や人材紹介会社を利用した採用手法は、掲載料や手数料が発生する。一方で、ダイレクトリクルーティングは間に入る企業がなく、候補者に直接アプローチできるためコストを抑えた採用が可能だ。
また、従来の方法では即戦力の採用や自社にマッチした人材を見つけるのには時間がかかるが、ダイレクトリクルーティングでは自社の訴求ポイントにマッチした人材に、ピンポイントにアプローチができる。そのため、従来よりも人材の充足までに必要な時間が減り、採用の成功率を高めることが可能だ。さらに、直接的なリクルーティングを繰り返すことでPDCAを回し、自社の採用ノウハウを蓄積することにもつながる。
ダイレクトリクルーティングの注意点
ダイレクトリクルーティングを行う際に最も懸念されるのは、工数や担当者の負担が増えることだ。社内で採用にかかる過程をこなす必要があるため、特に導入時は負担が大きくなりやすい。コストや時間などを多めに見積もっておくと安心だろう。
ダイレクトリクルーティングの効果は、すぐに出る場合もあれば時間がかかる場合もある。そのため、単発的な採用活動や大量採用を考えている企業には不向きだ。採用を成功させるためのアプローチ方法など、ノウハウを蓄えていくことも必要なため、長期的な採用かつピンポイントな人材採用に適している。
ダイレクトリクルーティングを始める際のポイント
自社でダイレクトリクルーティングに取り組む際のポイントを紹介する。
社内全体で取り組む
ダイレクトリクルーティングは企業からアプローチする手法のため、候補者はスカウトされた企業を知らない場合もある。転職願望がまだ低い場合もあるため、採用を成功させるには、候補者の動機づけや企業理解を促すことが重要だ。現場社員や経営陣など社員全体を巻き込んで交流会や面談を行い、候補者を惹きつけるなどの工夫も求められる。
採用情報を一元管理する
ダイレクトリクルーティングの運用には、採用情報の一元管理も重要な視点だ。採用にかかる工数が多いため、情報を集約できれば大幅な時間削減になる。採用情報の管理システムは大きく分けて、「求人管理」「応募者管理」「選考管理」の3つがある。どの業務を効率化させるか、既存システムと連携できるかなどを踏まえ、採用活動をシステム化してみるとよいだろう。
専任担当者を決め、ノウハウを蓄積する
ダイレクトリクルーティングは、候補者選定や文面作成、日程管理、面接など、請け負う工数が多い。そのため、専任担当者を決めてノウハウを蓄積することも大切だ。結果がすぐに出ない場合もあるため、初期は負担を伴う業務となる場合もあるが、専任担当者を決めることで、採用のノウハウを社内に蓄積していくことができるだろう。
就職潜在層へアプローチする場合もあるため、専任担当者を決める際は、関係作りや魅力・展望を伝えるのが得意な人材を抜擢するのもポイントの一つだ。
長期的な視野で見る
ダイレクトリクルーティングは、長期的な視点で取り組むことも大切である。特に転職潜在層へのアプローチの場合は、候補者との関係作りや近況に寄り添ったコミュニケーションなどが必要となり、採用に至るまで時間がかかるケースも多い。候補者選定から採用までの流れや方法をデータ化し、可視化することで新たな戦略の立案にもつなげてもよいだろう。
ダイレクトリクルーティングの費用形態
ダイレクトリクルーティングは、外部業者にアウトソーシングすることも可能だ。ダイレクトリクルーティングに特化したノウハウを持つ専門家のサポートを得ることで、採用の成功率向上や担当者の負担軽減などが望める。
ダイレクトリクルーティングを外注する場合の費用形態には、大きく分けて「成功報酬型」と「先行投資型」の2パターンだ。成功報酬型は、「応募があった」や「内定後・入社後」のタイミングで費用が発生する。一般的に、一人当たりの料金は、勤務地や職種などで定められている。一方の先行投資型は、人材データベースの利用料として数カ月から1年単位で料金を支払う料金体系だ。利用期間によって料金は異なるが、採用人数ではなく一定額で利用できるという特徴がある。サービスやプランによって料金は大きく異なるため、注意したい。
ダイレクトリクルーティングサービスの選び方
ダイレクトリクルーティングサービスを選ぶ際、軸となるのは何か見てみよう。
求める人材の明確化
まずは、自社ではどのような人材を求めているのかを、明確化することが大切だ。ダイレクトリクルーティングサービスは、エンジニア採用に特化したものや若手採用に特化したものなど、職種やスキル、年齢層によって登録者の属性が異なる。事前に自社が求める業種やスキル、年齢層などを一つひとつ明確にしておくことで、より企業とマッチしたサービスの選択につながるだろう。
登録者の数
サービスの登録者数を見るのも重要だ。ダイレクトリクルーティングサービスの登録者数が多いほどメジャーといえるため、同様に登録者の質も高まる傾向がある。また、登録者数を母集団と捉えると、母集団は多い方が人材探しの幅も広がるだろう。
スカウトメールの返信率
スカウトメールの返信率も確認するとよい。返信率が高いサービスでは、実際にサービス内で転職・就職先を探しているアクティブユーザーが多いからだ。よって、閲覧数が多いことから自社の魅力も伝えやすい。一方で、一度に大量のスカウトを行っているサービスやマッチング率が低いサービスでは、返信率は低くなりやすいといえる。
また、ダイレクトリクルーティングサービスの費用形態でも述べたように、費用感が合っているかも重要な判断基準となる。採用の予算や人数、期間を考慮した上で、サービスやプランを選択するとよいだろう。
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まとめ
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法だ。企業が主体となってリクルートする「攻め」の姿勢が、効率的かつ効果的な採用につながるため、現在注目されている。自社の採用に課題を抱えている企業では、メリットや注意点、費用形態を踏まえ、ダイレクトリクルーティングを取り入れてみてはいかがだろうか。