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ビズリーチ、「HRMOS労務」をリリース 「HRMOS採用」との連携で入社後の定着と活躍をサポート

2026.04.16
奥山晶子
(左から)株式会社ビズリーチ 執行役員HRMOS事業部 事業部長 小出 毅氏、株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 酒井 哲也氏

採用難が続く中、せっかく採用した人材がすぐ辞めてしまう——。ビズリーチが2026年4月9日に正式リリースした「HRMOS(ハーモス)労務」は、採用管理と労務管理を一気通貫でつなぎ、「入社後の定着」という長年の課題に正面から挑む新サービスだ。同日に行われた記者発表会では、「HRMOS労務」提供の背景と、サービス内容の解説が行われた。

なぜ今「定着」が大事なのか

発表会冒頭では代表取締役社長の酒井哲也氏が登壇し、新サービス提供の背景を説明した。昨今では、テクノロジーの進化に伴ってビジネスモデルが短命化し、企業のライフスパンが急激に短くなってきている。酒井社長は「労働人口の減少に事業変化のスピードが重なることで、企業にとって『人を採る』だけでなく『人を生かす』ことが経営課題になっている」と強調した。

※「HRMOS労務 記者発表会」登壇資料P10

また、とくに中小企業にスポットを当てると、人材課題は「採用」だけでなく「定着」にあると指摘。さらに、採用選考時の情報を活用して個別フォローやオンボーディングを進めることが、定着への足掛かりとなるとした。

※「HRMOS労務 記者発表会」登壇資料 P14

それにもかかわらず、多くの中小企業では、入社後に採用選考時の情報が引き継がれていない。また、異動や配属は「経験と勘」が頼りになっているなどの実態が、アンケートで明らかになっている。酒井社長は「人材定着のカギは、横断的なデータ基盤とその活用にあります。それが『HRMOS労務』のポイントです」と語った。

※「HRMOS労務 記者発表会」登壇資料 P18

データ連携で人材定着を強化する

いてHRMOS事業部部長の小出毅氏が登壇し、「HRMOS労務」の具体的なサービス内容を解説した。

ビズリーチでは、採用時の見極め力を高めてミスマッチを減らしたい企業から「採用時につけた評価と、入社後の活躍度合いが相関しているのかを分析したい」という相談を多く受けるという。しかし、採用時評価と入社後評価が連携されていないため、一連のデータとして分析できないケースが非常に多いのが実情だ。

そこで「HRMOS労務」は、同シリーズの採用管理システム「HRMOS採用」との連携により、採用時の評価・職務経歴書などのデータが入社手続きを経てオンボーディング管理まで一気通貫でつながり、ボタン一つでシームレスに連携できる仕組みを提供する。

※「HRMOS労務 記者発表会」登壇資料 P29

具体的な特徴は以下の3点だ。

1.入社手続きの自動化
内定後の書類作成や情報回収がシステム上で完結できる。

2.採用選考情報を含む「従業員データベース」を自動構築
入社した社員のコンディション状況をリアルタイムで把握し、個別フォローに活用できる。

3.入社後の活躍人材の特徴を可視化
採用から入社後の立ち上がりまでのデータを一気通貫で管理し、データ分析をもとに採用の精度を上げることができる。

※「HRMOS労務 記者発表会」登壇資料 P30

ビズリーチでは、社内で実際に試験導入を行って約1年半にわたり運用を行ってきた。例えば、ある部門で上長評価が低かった社員が、同僚からは高く評価されていた事例がある。理由を確認すると、上長のマネジメントスタイルが合わないことが原因であった。そこで、同じミッションを担う別グループへ配置転換したところ、環境が一気に適合し、サーベイ結果や業務成果が向上した。

このような細かな変化も、週次または月次でデータが蓄積され、容易に分析できるようになることで、部門間やステークホルダーとのコミュニケーションが円滑になり、改善事例が増えているという。

人的資本データプラットフォームの構築を目指す

酒井社長は「HRMOS労務は、あくまで、当社が目指す未来に向けた一つの発端である」と強調する。採用、入社手続き、定着、社内異動といった人材関連業務の間には、依然としてデータの断絶が存在する。同社はこれらを順次つなぎ、採用から活躍までの全データが連携する「人的資本データプラットフォーム」の構築を目指している。

その延長線上には、個人と企業の双方にとって不可欠な存在となる「キャリアインフラ」を実現するという、同社のビジョンがある。

激化する人材獲得競争のなかで、自社を選んでくれた才能をいかに咲かせるか。戦略的な「攻めの労務管理」が、これからの経営のスタンダードになりそうだ。