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パーソル総合研究所が副業実態・意識調査結果を公表。副業許可と全面禁止の企業の割合はそれぞれ50%で拮抗

2019.02.19
オフィスのミカタ編集部

総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区)は、副業に関する個人や企業の実態把握を行い、企業がとるべきアクションを明らかにすることを目的とし、「副業の実態・意識調査」を実施した。

■副業の実態・意識調査結果【企業編】の要旨

① 人事担当の回答によると、条件付許可を含む副業を認めている企業は50.0%。全面禁止も50.0%と拮抗している。
② 企業が副業許可を始めた時期は3年以内が52%。うち1年以内が22.8%と、近年増加傾向にある。
③ 副業許可でプラスの効果を感じている企業の割合は、人材採用で45.9%、離職防止で50.9%、モチベーション向上で50.3%、スキル向上で49.7%、社外人脈拡大で52.2%。
④ 副業許可の方法について、条件付き許可と全面許可を比べると、全面許可の方が会社へのロイヤリティ、本業のパフォーマンスが高まることが明らかに。しかし、全面許可の企業では過重労働やトラブル発生などのリスクも高まることから、まずは条件付き許可から始めることが望ましいという結果になった。
⑤ 本業による副業の労働時間や働き方などの把握などのフォロー体制は、モチベーションやロイヤリティを高めることが分かった。
⑥ 副業許可の主導は、従業員1,000人以上の場合は人事部門が最多(61.7%)、100人未満は経営・役員陣が最多(43.8%)。
⑦ 全面禁止している企業の70.9%は今後も禁止を継続すると回答。禁止の理由で最も多いのは、過重労働につながるからが最多の49.2%。
⑧ 企業規模が大きくなるにつれて副業の全面禁止の割合は概ね高くなる傾向。ただし、1,000~1万人未満で全面禁止59.2%、企業規模1万人以上で同54.2%と下がる。また、設立年数が長い企業ほど全面禁止の割合が増加する傾向にある。

■調査概要

調査名称:
パーソル総合研究所「副業の実態・意識調査」

調査内容:
副業に対する企業と個人の意識と実態を把握する。
副業を解禁するべきかの判断材料になる情報や、
副業のメリットを享受したい企業がとるべきアクションを明らかにする。

調査手法:
インターネット調査モニターを用いたインターネット定量調査

調査時期:
2018年10月26日~10月30日

調査対象者:
【企業対象調査】
■スクリーニング調査 勤務先企業規模従業員10人以上 20-69歳 性別不問
人事担当者 n=1641
■本調査対象者
①副業許可企業
(定義:推進はしていないが、希望であれば条件付きで許可、含む)n=300
②副業禁止企業
(定義:全面的に禁止している)n=700
【個人対象調査】
■スクリーニング調査 勤務先企業規模従業員10人以上
正社員20-59歳 男女 n=13958
※正社員性年代別構成比に合わせウェイトバック集計実施
■本調査対象者
①副業者(過去3年以内に副業経験あり)n=1082
②副業意向者(現在副業をしていない)n=1238
➂非副業意向者(現在副業をしていない)n=1249

実施主体:
株式会社パーソル総合研究所

■調査結果詳細

■調査結果詳細

① 人事担当の回答によると、副業を認めている企業(条件付き許可を含む)は50.0%。全面禁止も50.0%と拮抗。全面許可の企業も13.9%存在している。

 

 

② 企業が副業許可を始めた時期は3年以内が52%。そのうち1年以内が22.8%と、近年増加傾向。
2018年1月に厚生労働省が行ったモデル就業規則の改定などを受け、企業側の副業許可の動きがさらに広がっていると推察される。

 

 

③ 副業許可でプラスの効果を感じている企業の割合は、人材採用で45.9%、離職防止で50.9%、モチベーション向上で50.3%、スキル向上で49.7%、社外人脈拡大で52.2%。副業を許可した企業が感じているメリットは大きいと言えるだろう。一方で、効果を感じていない企業は1~2割以内と少ない。

 

 

④ 副業許可の方法について、条件付き許可と全面許可を比べると、全面許可の方が会社へのロイヤリティ、本業のパフォーマンスが高まることが明らかになった。しかし、全面許可の企業では過重労働やトラブル発生などのリスクも高まることから、まずは条件付き許可から始めることが望ましいという結果になった。

 

 

⑤ 本業による、副業の労働時間や働き方などの把握などフォロー体制は、モチベーションやロイヤリティを高めることが判明。企業側のスタンスとしては、過度に干渉するのではなく、副業に理解を示し、バックアップしていくような体制を敷くことが望ましいと考えられる。

⑥ 副業許可の主導は、従業員1,000人以上の場合は人事部門が最多(61.7%)、100人未満は経営・役員陣が最多(43.8%)となった。
⑦ 全面禁止している企業の70.9%は今後も禁止を継続すると回答。禁止の理由で最も多いのは、過重労働につながるからが49.2%で最多。副業許可の最も大きな壁となるのが過重労働に対する懸念といえるだろう。
過重労働を防ぐには、副業者本人による労働時間のセルフマネジメントはもちろん必要だが、企業側でも対策を行う必要がある。
⑧ 企業規模が大きくなるにつれて副業の全面禁止の割合は概ね高くなる傾向。ただし、1,000~1万人未満で全面禁止59.2%、企業規模1万人以上で同54.5%と下がる。また、設立年数が長い企業ほど全面禁止の割合が増加する傾向にある。

■「パーソル総合研究所」について

パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行い、働く人と組織の持続的な成長をサポートしている。

■まとめ

今後ますます深刻化する労働力不足において、労働力の確保は重大な課題である。副業を許可することにより、従業員のモチベーションや企業へのロイヤリティが高まるという一面もあるようだ。しかし過重労働にならないように、まずは条件付き許可から始める方が双方にとってよりメリットが多そうだ。

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