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約6割の社員が「上司からの理解が不十分」~「上司と部下の関係性」に関する調査~

2019.03.28
オフィスのミカタ編集部

株式会社カオナビ(本社:東京都港区)の研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」は、アンケート調査によって「メンバーを理解する」ことの効果についての調査結果を公表した。

■調査実施の背景

同社では、マネジメントをする上で、「社員を理解する」ことは重要であると考えている。「理解する」ことで、相手に合わせた業務の割振りや言い回しの選択をすることができ、「理解されている」と感じることは、社員のやる気にも良い影響を与えると予想される。こうした課題意識の下、アンケート調査によって「メンバーを理解する」ことの効果と現状について調査した。

■約61%が、いい影響があると回答

■約61%が、いい影響があると回答

「上司からの理解(強みや弱みといった個性・事情)が仕事のパフォーマンスに良い影響があるか」については、約60%の回答者がその影響を認めている。その中でも、20代は80%にのぼる回答者がその影響を認めており、「自分を理解してほしい」という気持ちをもちやすい傾向にあることがわかる。

■上司から理解されていると従業員満足度が高まる結果に

■上司から理解されていると従業員満足度が高まる結果に

「上司からの理解」と「現在の職場への満足度」の回答結果を組み合わせると、上司の理解の有無で、職場への満足度に非常に大きな差が見られた。「上司から理解されている」と回答した従業員の68%が職場に満足しており、「理解されていない」従業員はわずか11.5%しか「職場に満足している」と回答しなかった。「上司から理解されている」ということは、成果だけでなく従業員満足の観点からも重要であることがわかる。

■約57%の社員が「上司からの理解が不十分」と感じている

■約57%の社員が「上司からの理解が不十分」と感じている

「上司に個性(強み、弱み)や事情を理解してもらえているかどうか」について聞くと、約60%の回答者が、「上司が十分に理解していない」(「どちらでもない」を含む)と考えていることがわかった。

■部下が上司に理解してほしいことNo.1は「これまでの業務」

■部下が上司に理解してほしいことNo.1は「これまでの業務」

上司から理解されたい項目を3つまで聞いたところ、「これまでの業務」46.1%、「業務への希望・不満」38.7 %、「性格」35.9%がトップ3となった。一方で、「会社への希望・不満」は25%に留まっており、業務を越えた事業戦略、ビジョンなどに対して意見したいという気持ちはあまり強くないことがわかった。また、プライベートや健康状態等への理解は20%以下に留まっており、公私共にわかってもらいたい、という社員は少数派であるようだ。
年代別に見ると、20代と30代においては、「性格」が首位となり、また、年代が上がるほど「これまでの業務」を理解されたいという思いが強くなる傾向にある結果となった。

■「上司が部下を理解する」際のポイント!

<これまでの業務>
・中途入社の社員などには、職務経歴書などをしっかり理解することなどが重要だ。異動してきた新メンバーなどは、情報をそろえにくいこともあるため、タレントマネジメントシステムや1on1の機会を使い、過去の業務経験を理解することが重要となる。
「これまでの業務を理解する」ことで部下の成果・満足度の向上が期待できる。

<業務への希望・不満>
・社員の中には、「業務への希望・不満」を上手く表現できる人と、できない人がいる。表現できない理由としては、論理性、遠慮などが考えられる。上司には、面談の場面などで部下が思っていることを上手く引き出す傾聴力、ヒアリング力が求められる。

<性格>
・把握の難しい「性格」を何とか理解する一助として、「エニアグラム」や「SPI」といったパーソナリティ検査を用いることは非常に有効といえる。

■調査概要

・配信:2018/12/17
・サンプル回収数:600サンプル
・配信・回収条件
 年齢:20歳~69歳
 性別:男女
 配信地域:全国

■まとめ

今回の調査から、「上司の部下理解の促進」は企業経営において、今後重要なテーマであることを再度確認することができたのではないか。自社での上司と部下のコミュニケーションの仕方や様子を振り返ってみる必要があるといえそうだ。

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