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収益増を実現するカギは、従業員の信頼獲得!~アクセンチュア最新調査~

2019.04.02
オフィスのミカタ編集部

総合コンサルティング企業のアクセンチュア(NYSE: ACN)は、アクセンチュア ・ストラテジーのレポート「Decoding Organizational DNA(組織のDNAの解析) 」による最新調査をおこなった。全世界13の業界にわたる1,400人の経営幹部と1万人の従業員を対象に実施された定量および定性調査に基づいて作成されている。この調査で、企業が従業員の所属組織への信頼を高め、持続的な収益の増加を実現させるには、従業員の働き方に関するデータの適切な管理・活用が必須であることが明らかとなった。

■アクセンチュア・ストラテジーについて

アクセンチュア・ストラテジーは業界に関する深い専門知識と分析、そして人間的洞察をもとにした方法論を提供することで、企業のリーダーたちがスピード感と自信を持って行動できるよう支援している。デジタル変革が進むなか、アクセンチュア・ストラテジーは「競争に打ち勝つための敏捷性」を加速するためのクリアで実行可能な道筋を見つけ出すとともに、企業のリーダーたちによる将来の予見と成長戦略の実現を目指している。

■調査結果

■調査結果

本調査に回答した1,400人の経営幹部の62%が「業務の質や社内コミュニケーション、従業員の満足度の向上を目的に、従業員およびその働き方に関するデータの収集に新しいテクノロジーを活用している」と回答。しかし、「そのデータを適切な方法で活用している自信がある」と回答した経営幹部は全体の30%にとどまっている。
一方、本調査に回答した10,000人の従業員のうち52%は、「自分の働き方に関するデータが新たに収集されることは、所属している組織に対する信頼低下につながる恐れがある」と回答し、同64%が「近年のデータ乱用に関する不祥事を踏まえ、自分のデータもリスクにさらされているのではないか」と懸念を示している。
しかし、調査に回答した従業員の92%が、自分の働き方に関するデータを活用することで、生産性や満足度が向上するなど、個人的なメリットにつながる場合に限り、自分や自分の働き方に関するデータの収集を許容するなど、ポジティブな傾向にあった。さらに、回答した従業員の62%は「自分の報酬、手当」、また61%は「学習や成長機会」におけるメリットと引き換えに、自分の働き方関連のデータを提供してもよいと回答している。
これらの結果から、従業員の信頼を得られれば、全世界の大企業において3兆1,000億ドルもの収益増が期待できることが判明した。また、適切なデータ活用戦略を導入している企業は、そうでない企業と比べ、最大12.5%高い収益が見込まれている。

■従業員の働き方に関するデータ収集上の課題

調査に回答した1,400人の経営幹部のうち31%が、「従業員からの反発を懸念し、データ収集テクノロジーへの投資をできるだけ控えている」と回答。一方、同32%の経営幹部は、「すでにデータ収集に向けて投資しており、問題が生じた際には責任を持って対処する」と回答し、企業のリーダーの対応はさまざまであった。

■従業員の働き方に関するデータの適切な活用に向けたフレームワーク

データ利用に関する従業員の懸念解消に向けて、アクセンチュアでは、従業員の働き方に関するデータを適切に活用するための、次のようなフレームワークを推奨している。

●管理を任せて、信頼を得る:
従業員自身が、自分のデータを管理・活用できるようにすることで、企業は従業員の信頼を得られるだけでなく、パフォーマンス改善のためのより深い洞察を得ることが可能になる。本調査に回答した従業員の73%が、自分の働き方関連のデータを自らが所有し、退職時にはそのデータを受け取りたいと考え、それを許容する経営幹部も56%に上がる。

●責任を共有し、メリットも共有する:
全ての従業員がメリットを享受するには、経営陣全体でデータ活用の責任を共有しつつ、従業員の働き方に関するデータを管理する仕組みやシステムの構築に従業員にも関与させ、その仕組みに関する責任を共有すると共に、仕組みの設計に従業員のニーズを確実に反映させることが肝要だ。現在、そのような仕組みの設計を従業員と共同で行っている企業は29%で、33%の企業が今後、共同での設計を予定している。

●適切な方法でテクノロジーを活用し、従業員の成長を後押しする:
企業は、人工知能(AI)などのテクノロジーを活用し、従業員により多くの成長機会を提供するとともに、公平性と多様性を向上させる必要がある。従業員の82%は「新しいテクノロジーで収集されたデータによって、給与、昇進、評価における公平性が向上する」と考えている。

■まとめ

従業員が、自分のデータを以前よりも自由にコントロールし、キャリア構築などに活用できるようになったと実感できれば、従業員の変化への俊敏性が高まり、環境を整えた所属組織に対する信頼も高まるだろう。また、従業員のポテンシャルがさらに引き出され、企業の成長が促進されると考えられる。経営幹部は、消費者だけでなく従業員の信頼獲得も事業戦略の中核に据え、その実現のための明確なアクションプランを整備する必要があるといえるだろう。

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