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全社員にボーナスを「前払い」する賞与制度をスタート~「内発的動機」を軸とした、全く新しい報酬制度~

2019.04.08

RELATIONS株式会社(本社:東京都渋谷区)では、創業11期目にあたる2019年より、全社員に対して賞与を「前払い」する制度をスタートした。制度開始に伴い、半期に一度行っていた賞与個別の「査定」は廃止。代わりに、期初に定めた賞与テーブル(賞与の支給月数を決定)に応じた賞与金額を12分割し、月の基本給に上乗せする形で毎月支給する。

■本制度の狙い

■本制度の狙い

RELATIONSでは、1人ひとりが自ら行動し意思決定をするための「自律型」組織づくりにこれまで取り組んできた。現在はマネージャーという職位も撤廃し、自己成長を支援するための様々な社内制度を設けている。
その中で、いわゆる給与や報酬といった「外発的動機」によるアメとムチで動く組織ではなく、いかに1人ひとりの内発的動機を引き出せる組織をつくるか、ということが同社にとって大きなテーマのひとつだった。

■通常の賞与の支払いイメージ

■通常の賞与の支払いイメージ

・賞与額は一定期間の業績や個人の成果で決定され、年に2回「後払い」される (例:1〜6月の半期分の賞与を7月に支払うなど)。
・金銭的な「アメとムチ」による外発的な動機づけの要素が強い。

■「前払い賞与」の支払いイメージ

■「前払い賞与」の支払いイメージ

・年度の開始時点で、会社の業績を予測し、賞与額(賞与テーブル)を確定。その金額を12分割して毎月「前払い」する(例:通常であれば7月にまとめて支払われる賞与を、1〜6月に分割支給)。
・メンバーへの「信頼」をベースに運用。意義・貢献・成長を源泉にできる。

■賞与額が決定するロジック

Step1:人事評価の決定
四半期ごとに、1人ひとりの評価レート(人事評価)が決定。
Step2:月額給与(基本給)の決定
評価レートに応じて、四半期ごとに月額給与が変動する。
Step3:前払い賞与額の決定
評価レートに応じた賞与テーブル(期初時点で定めたもの)に応じて年間の賞与額が決まり、それを12分割したものが月額給与に加えて毎月支給される。

■1人ひとりが自ら考え行動する「自律型」組織

■1人ひとりが自ら考え行動する「自律型」組織

代表 長谷川 博章氏
・今回の前払い賞与の肝は、賞与個別の「査定」を無くしたことです。弊社が目指すのは、1人ひとりが自ら考え行動する「自律型」組織です。その実現のためには、人事評価制度も、メンバーの内発的動機を高めるための土台であるべきだと考えています。個人的には、そもそも人が人を評価することは非常に難しいと思っているので、なるべく「評価する」機会そのものを減らしていきたいですね。

人事責任者 高橋 直也氏
・従来の賞与の仕組みって、社員をつい「賞与査定のためにこうしなきゃ!」というマインドにさせてしまうんですよね。すると組織の中に、短期視点・非本質的な行動が増えてしまいます。前払い賞与はその真逆を狙っていて、自社や顧客に対する「本質的な課題解決のための行動」「大胆な挑戦」「中長期視点」を組織内にもっと溢れさせたいという想いで導入をしました。

■よくある質問

Q:賞与額は年間を通じて固定されるのですか?
A:いいえ。固定されるのは給与テーブルと連動する「賞与テーブル」なので、実際の賞与金額は四半期ごとの評価に応じて変動します。

Q:従業員側の具体的なメリット・デメリットは何ですか?
A:メリットは、年2回の賞与査定がなくなること、期初時点での年収想定が立てやすいことです。デメリットは、業績が極端に上振れした場合のアップサイドの機会損失ですが、現状でも年4回の昇給機会があり、評価が上がれば賞与額もそれに応じて上昇します。また、賞与の支給月数を一般より高めに設定しています。

Q:会社側の具体的なメリット・デメリットは何ですか?
A:メリットは、より内発的動機づけに軸足をおいた報酬制度を運用できることです。デメリットは、業績を期中から細かくチェックする必要がある等、運用コストがかかることです。

Q:業績が急激に悪化した場合には、どのように対応しますか?
A:損益分岐点を下回る月が3ヶ月続く見込みがたった時点で、減額検討会議を行い決定します。但し、過去に弊社の業績が損益分岐点を連続で2ヶ月以上下回ったことはございません。

Q:年俸制との違いは?
A:弊社の人事評価は四半期ごとに行われるので、年に4回の昇給機会があります。その点が、年に一度しか給与を見直さない年俸制とは異なります。

■まとめ

内発的動機を棄損しないことを重視しているこのような制度は、従業員への不公平感などがなくなり、1人ひとりの成長を確認することができる。
従来通りの考え方ではなく、これからの時代にあった会社のあるべき姿を追及していくことが重要ではないだろうか。

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