オフィスワーカーの約6割が、オフィス家具の姿勢への配慮に不満~デスクワークの実態と健康意識を調査~
コクヨ株式会社(本社:大阪市)は、全国の大都市圏でデスクワークに従事する日本のオフィスワーカー1,000名を対象に、デスクワーク環境と働き方について調査を実施。その結果、オフィスワーカーの約6割が、オフィス家具の「よい姿勢への配慮不足」を感じている現状と、デスクワーク環境の満足度が働きがいや自社への愛着に影響があることがわかった。
■調査実施背景と意図
同社は、オフィス環境に関する様々な調査を実施しており、本年3月にも「デスクワークの実態と健康意識に関する調査」のレポート第一弾として「デスクワークの姿勢が不調感や生産性低下に影響している」というテーマでオフィス環境を取り巻く課題をニュースレターで発信した。
オフィス環境とオフィスワーカーの健康の関係性は、国が推進する働き方改革や健康経営においても重要なテーマであり、このようなオフィス環境に対する社会的関心が高まっている。同社では「ワーカー一人ひとりが心身ともに健康で、イキイキと楽しみながら働ける環境づくり」に取り組んでいる。今後も様々な調査結果を検証・分析することで、これからの新しいオフィス空間や働き方を提案する。
■オフィスワーカーの約6割が、オフィス家具への「よい姿勢への配慮不足」を感じている!
「あなたの会社のデスクワークのためのオフィス家具は「よい姿勢(座り方)」で作業ができるように配慮されていますか」と質問したところ、「非常に配慮されている」はわずか2%、「まあ配慮されている」を合わせても約3割の結果となった。オフィスワーカーから見て、よい姿勢のためのオフィス環境はまだまだ整っていないという実態が明らかになった。
■ オフィスワーカーの約5割が、会社のデスクワーク環境に不満
「あなたの会社のいまのデスクワーク環境に満足していますか」と質問したところ、自身の会社のデスクワーク環境についての満足度は、「満足」と「不満」がほぼ半々ながら、やや不満が上まわる結果となった。
■デスクワーク環境の満足度が高い人ほど、働きがいや自社への愛着が強い傾向に
勤めている会社への評価を「デスクワーク環境の満足度別」に見たところ、デスクワーク環境の満足度が高い人ほど、会社を「働きがいがある」「好きである」と高く評価している結果となった。デスクワーク環境への満足度は、働いている会社のそのものへの評価にも影響を及ぼしていると推測される。
■筋を伸ばして座れているオフィスワーカーは2割以下
「あなたのデスクワークの時の姿勢(座り方)に近いものはどれですか」3つのイラストを提示し、自身のデスクワーク時の姿勢(座り方)について聞いたところ、
背筋を伸ばした姿勢【B】が取れていると回答したのはわずか18%となった。
■8割以上が、「自然と姿勢が良くなるデスクワーク環境」があれば仕事の生産性が上がる⁉
「『自然と姿勢が良くなるデスクワーク環境』があれば仕事の生産性が上がると思いますか」と質問したところ、「とてもそう思う」が23%、まあそう思うが62%と、8割以上のオフィスワーカーが「自然と姿勢が良くなるデスクワーク環境が生産性を向上させる」と感じている。デスクワークでの姿勢の悪さを意識するオフィスワーカーにとって、良い姿勢が自然にとれることは健康面だけでなく、生産性にも良い影響を与えると推測される。
■身体に優しい姿勢で、心も上向きに
コクヨ株式会社は今回の調査を踏まえ、人間工学と実態調査から導き出した、天板の角度が調整できる新発想のワークステーション「UPTIS(アプティス)」を、2019年5月から発売する。
「UPTIS」は、デスク天板の傾斜角度を7段階に調整ができ、デスクワーク時に好みの天板角度にすることで、身体に負荷の少ない姿勢へ導くことができる、新発想のワークステーションだ。
■早稲田大学河合研究室とコクヨの共同調べ
「UPTIS」と一般的なデスク(天板角度が水平)とを比較した各種実験(ワーカーの視野角や首の筋肉負担の度合いなどの項目)を実施し、ワーカーの身体への影響を比較している。
■まとめ
調査の結果、デスクワーク環境への満足度が高い人ほど、働きがいや自社への愛着が強い傾向が見受けられた。オフィス環境を改善することにより、仕事の生産性向上にもつながるようだ。企業は、高いパフォーマンスを生むようなオフィス環境づくりに取り組んでいく必要があるだろう。