「2019年春季交渉時に決まった夏季賞与・一時金」の伸び率は昨年夏季に続きプラス~東証1部上場企業の妥結水準調査~
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(東京都品川区)では、東証1部上場企業137社を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・決定した夏季賞与・一時金の妥結水準を調査・集計。伸び率は0.7%増と昨年夏季に続きプラスとなる結果だった。
■平均支給金額
全産業137社の平均で74万3588円、対前年同期比0.7%増と昨年夏季に続きプラス。製造業は同0.1%減、非製造業は同2.9%増と、産業により傾向が分かれた[図表1]。同時期(各年4月)集計で見た過去6年の伸び率は、14年の5.7%増以降、17年0.0%まで3年連続で前年を下回り、18年は2.4%増と上向いたが、19年で再び前年を下回った[図表2~3]。
■平均支給月数
134社の平均で2.45カ月[図表4]。同一企業で見た場合、前年同期(2.44カ月)を0.01カ月上回った。最低月数は前年同期と同じ1.00カ月だが、最高月数は3.89カ月で、前年同期(3.92カ月)を0.03カ月下回っている。
■調査要領
1.集計対象・集計社数:
対象は、東証1部上場企業(2019年5月7日現在で2141社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持ち株会社が東証1部上場企業の場合、その主要子会社は集計対象とした。このうち、 今年の賃上げ交渉と同時期に2019年の夏季賞与・一時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握し得た137社(月数集計は134社)を集計。
2.集計対象範囲と集計方法:
集計対象範囲は原則、組合員1人当たり平均(一部の年齢ポイント、標準労働者、全従業員平均による妥結額・月数も集計に含む)。集計に当たっては、各社の1人当たり平均を足し上げ、集計社数で除した(単純平均)。
3.集計時点:2019年4月23日(調査時期:2019年3月13日~4月23日)
■まとめ
2019年春季交渉時に決まった夏季賞与・一時金の支給水準は、2018年の夏季一時金の妥結実績と比較すると、プラスになっていることがわかった。社員にとってはボーナス額は非常に気になる情報と考えられるが、水準が公表されることで自身のボーナス額と比較し、それぞれのモチベーションに影響を及ぼしているかもしれない。自社でのボーナスの基準を明確にし、周知していくことで、ボーナス額での一喜一憂を減らすことができるのではないだろうか。