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働き方改革につながる施策、第1位は「ノー残業デー」の導入に。「在宅勤務制度」の導入も急増中。

2019.05.20

 調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人 日本生産性本部(東京都千代田区)は、1997年より、全上場企業を対象に「日本的雇用・人事の変容に関する調査」を不定期で実施。
 日本的な雇用・人事の潮流を把握し、企業・組織の制度見直しや働き方改革推進の一助とすることを目的にしている。
 今回の調査は第16回にあたり、2019年1月下旬から3月下旬にかけて実施した。

■在宅勤務制度とテレワーク制度の導入率が高まっている!

 働き方の見直しにつながると思われる施策の導入率については、「ノー残業デー(ウィーク)設定」が最も高く67.6%。次いで、「フレックスタイム制度」(53.9%)となっている。

 また、「在宅勤務制度」の導入率は37.3%と前回調査時(2016年)の18.8%から約2倍に伸びている。また、在宅勤務制度以外のテレワーク制度を採り入れている企業も21.6%(前回調査8.3%)と増加している。

■自社の労働生産性、「向上している」という企業は46.1%

 働き方改革が閣議決定された2016年に比べて、自社の正社員(ホワイトカラー層)の労働生産性(人時生産性)が「どちらかというと向上している」という企業は44.1%と最も多く、次いで「ほとんどかわらない」が40.2%となっている。「かなり向上している」(2.0%)と併せると5割近く(46.1%)が向上していると回答している。上述の制度導入も生産性向上に寄与しているようだ。

■役割・職務給導入が進む傾向に!

 本調査では継続的に賃金体系の内訳を調査している。今回も役割・職務給、職能給、年齢・勤続給それぞれについて管理職層、非管理職層にどの程度導入されているかを尋ねたところ、仕事や役割の重さを反映した給与、つまり「役割・職務給」の導入が進んでいるようであった。管理職層で78.5%、非管理職層で57.8%とそれぞれ前回調査を上回っている。

■同一労働同一賃金、300人以上企業では約3割の企業が「まだ検討段階で着手していない」

 また、働き方改革関連法の一つである、同一労働同一賃金関連法が企業規模に応じて段階的に適用される。大企業は 2020 年 4 月から、中小企業は 2021 年 4 月からとなっており、同じ企業の中で同じ仕事をしていれば、正規か非正規かといった雇用形態に関わらず同じ待遇にすることが求められる。

 同一労働同一賃金への対応として、特に基本給に関しては、約3割の企業が「まだ検討段階で着手していない」と回答している。特に対応が遅れているのは、「会社業績等への貢献に応じて支給する賞与」(37.5%)となっている。

■65歳定年延長企業が徐々に増加!

 60歳以降の雇用確保措置としては、「再雇用制度のみで対応(定年は60歳)」という企業が75.5%と大多数を占めている。その一方で、65歳以上に定年年齢を引き上げたという企業は、前回調査では5.3%だったのに対して、今回の調査では10.8%と増加している。

 また、再雇用制度導入企業のうち、「定年延長はしない予定」という企業は前回調査では41.9%だったが、今回調査では17.1%に下がり、「定年延長する」という企業は、前回調査では0.8%だったのが2.4%に、「定年延長する方向で検討中」という企業は同じく5.6%から13.4%にそれぞれ増加している。

■まとめ

 労働力を確保するためにも、柔軟な働き方は課題となっている。在宅勤務制度やテレワークの導入は、新しい働き方が一つ増え、導入企業も多くなってきているようだ。
 さらに賃金体系にも変化が求められている。さまざまな対応を迫られる企業にとっては非常に厳しい状況だが、企業と従業員双方に最善な形はどのようなものか、考えていく必要があるだろう。