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入社前の期待と入社後の実態に大きなギャップが。新社会人の入社後の悩みとは

2019.05.22

 総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区)の若年層向けキャリア教育支援プロジェクト「CAMP(キャンプ)」と、シンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区)は、「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」を実施。調査により、入社前の期待と入社後の実態に大きなギャップが判明した。

■入社前の期待と入社後の実態に大きなギャップがある

 働くことを楽しみたいと思っている学生が79.3%に及ぶのに対し、実際に楽しめている社会人(入社1~3年目)は35.3%に留まることが判明した。この差は44.0ポイントと大きなギャップが存在している。さらに、「いつも」働くことを楽しめている層はわずか5.8%しかおらず、1割に満たないことが分かった。

 また、仕事を通じて成長したいと思っていると回答した学生が86.2%もいるのに対し、成長を実感できている社会人は64.6%という結果になった。

※リアリティー・ショックとは・・・入社前に抱いていた企業や組織の状況・人間関係・待遇などについてのイメージ・想定と、入社後のそれらの実態に乖離を感じること。

■入社後に感じる何らかのイメージギャップ

 報酬・昇進・仕事のやりがい・働きやすさなど、入社前に抱いていた企業や組織に対する何らかのイメージと入社後のイメージとの乖離を感じる新社会人は76.6%と、約8割にも及んだ。

 「リアリティ・ショック」の具体的内容としては、「給料・報酬」「昇進・昇格のスピード」「仕事で与えられる裁量の程度」「仕事から得られる達成感」などが高くなっている。

 「成長実感が無い層」「働くことを楽しめていない層」、また、「3年以内離職者」は、総じて入社後の「リアリティ・ショック」が大きく、早期離職防止や入社後の成長の観点からも「リアリティ・ショック」をいかに防ぐかがポイントであると考えられる。

■3年目まで会社への満足度が低くなっている

 入社前イメージとのギャップを分布に応じて高中低層に3分割して比較すると、高い群(リアリティ・ショック高群)は入社直後だけではなく、3年目まで中長期的に会社への満足度(非常に満足・満足・やや満足の回答割合の合計)が低くなっている。内定承諾直後の満足度は同程度だが、入社3年目の時点でリアリティ・ショック高群は14.3%、低群は74.4%と、約60ポイントの大きな差が生まれている。

■会社への「入社前の会社・適性理解」をいかに高めるかが重要

 入社前に、会社の風土や業績、求められるスキルや自分の適性など、事前の理解が進んでいた学生は、入社後の「リアリティ・ショック」が軽減されている。

■多くの人と関わることが「入社前の会社・適性理解」を促進

 「多くの意見を聞くほうが良い」という意識で就職活動をした学生は、「重要な人だけに絞って話を聞けば良い」と考えていた学生と比べ、入社後の「リアリティ・ショック」が低い傾向にある。
 
 また、就職活動における相談先(親、OB/OG、教授、志望企業の社員など)の数が多いほど、入社前の企業・適性の理解度合いが高くなっており、多くの人の意見を参照することで理解が促進されていることがうかがえる。

■「将来のやりたい事の決定時期」がカギ

 「将来のやりたいことが決定した時期」が遅いと、「リアリティ・ショック」「入社前の会社・適性理解」のいずれにもネガティブに影響するようだ。その一方で、就職活動の開始時期、キャリアを考え始めた時期には有意な影響は見られなかった。

 大学3年の冬には、約7割の学生が就職活動を開始しているが、在学中に将来のやりたいことが決まっている学生は8割程度で、就職活動生の19.4%はやりたいことを明確にしないまま活動を終えている。

■新就職活動ルールを巡る議論

 新就職活動ルールを巡る議論について、2019年2月現在での大学1~2年生に意見を聞いたところ、「自分に関係がある」と思う人は65.5%と自分事に感じている一方で、「その内容を知っている」と答えた人は33.8%に留まり、議論の透明性の確保と周知の徹底が望まれる。

 また、不安を感じている人も68.3%にのぼった。期待を感じている層と不安を感じている層を比較すると、期待層は「新しい事業を自分で起こす機会に恵まれたい」「将来、独立したい」といった志向性が強く、不安層は「リストラが無い会社で働きたい」など、安定志向が強い学生が多い傾向が見られた。

■まとめ

 入社前の期待と入社後の実態に大きなギャップがあることが今回の調査からわかった。

 労働力不足が深刻な今、企業の人事担当者などは、自社での働き方やさまざまな情報を事前に配信するなど、離職率低下の策を考えていかなければいけないだろう。