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ミレニアル世代の仕事への価値観の違い。早期離職もあたりまえ!?

2019.05.30

 デロイトトーマツグループは、デロイト グローバルが行った「2019年 デロイト ミレニアル年次調査」に基づき、日本のミレニアル世代の意識に関する調査を実施した。

 世界との比較で、日本のミレニアル世代は離職や人生の目標を考える際に「報酬・収入」へ関心が集中する傾向があり、職場や社会での「経験価値」への着目が低いことが浮かび上がる結果となった。

ミレニアル世代とは

 「ミレニアル世代」とは、アメリカで1960年~1974年生まれを「X世代」と名付けられたことに始まっている。その後の1975~1990年代前半生まれが「Y世代」、1990年代後半~2000年生まれを「Z世代」と呼ぶ。この中で「Y世代」を「ミレニアル世代」とも呼んでいるようだ。

 「ミレニアル世代」は、生まれた時からインターネットに親しんでいる特徴があり、デジタルネイティブとも呼ばれている。人とのつながりを重視していたり、ワークライフバランスを重視している、というような特徴を持っているともいわれている世代だ。

■離職の理由は「報酬」に集中する傾向

■離職の理由は「報酬」に集中する傾向

 現在の勤務先で働き続ける期間を「2年以内」と見込む日本のミレニアル世代は49%であり、「5年以上」と考える割合は25%だった。世界のミレニアル世代は「2年以内」が49%、「5年以上」が28%であり、日本は世界とほぼ同様の結果になった。

 一方、日本のZ世代では「2年以内」の短期離職を考える割合は64%とより高く、「5年以上」の長期勤務を考える割合は10%となり、世界よりも雇用先からの離職の意向が高く、帰属意識が低い傾向を示した(図表1)。

 さらに日本の両世代共に自分の選んだキャリアで幹部になることを人生の目標に掲げる割合は世界を下回っている。実際の短期離職(2年以内)の割合は日本の両世代共に世界よりも低いものの、一つの企業に長く勤めることや幹部を目指す人材は主流ではなくなってきているようだ。

■日本と世界のミレニアル世代の離職理由

■日本と世界のミレニアル世代の離職理由

 世界のミレニアル世代が2年以内に離職を考える理由 (図表2)は、「報酬に不満がある」(43%)以外に「昇進機会が十分でない」(35%)や「学習・成長機会がない」(28%)が高く、職場での自己成長につながる「経験」への着目がみられる。

 一方で、日本では「昇進機会が十分でない」(18%)「学習・成長機会がない」(14%)の回答割合は世界に比べて低く、1位の「報酬に不満がある」(43%)が2位の「ワークライフバランスが悪い」(22%)に大きく差をつけ、高い回答割合になっている。

■日本と世界では人生の目標に違い!?

■日本と世界では人生の目標に違い!?

 ミレニアル世代はリーマンショックから現在のデジタル化の進展に至るまで、不確実性の時代を人生の中で長く過ごしている。

 このためか、ビジネスリーダー、政治家、伝統的メディア・ジャーナリストへの信頼度が決して高くなく、それらを正確な情報源として「非常に信頼できる」と考える割合はSNSに対する割合と同程度であることが本調査で示された。また、自国の経済や社会・政治が今後12ヵ月で「改善する」と考える割合は低く、日本においてはその傾向がさらに強く出ている(図表3)。

 日本では平成の「失われた20年」に育った世代であり、経済発展の実体験が乏しいことが両世代の考え方に影響している可能性がある。

■「高収入を得る」ことが人生の目的

■「高収入を得る」ことが人生の目的

 このような中で世界のミレニアル世代は従来とは異なる視点を有している。

 図表4のミレニアル世代の人生の目標を見ると、従来成功の証と考えられていた「自宅の購入」(49%)や「子供/家庭を持つ」(39%)を挙げる割合はそれ程高くはなく、「世界を旅する」(57%)、「社会に好影響をもたらす」(46%)といった社会や世界での「経験」から得られる価値に着目する傾向が見られる。

 一方、日本では「高収入を得る」(59%)の回答が世界よりも高く、その他の目標は「世界を旅する」(36%)、「社会に好影響をもたらす」(18%)を含め世界を下回っており、回答割合も高くない結果となった。

■日本ではまだ「昔からの働き方」が主流

■日本ではまだ「昔からの働き方」が主流

 雇用されることなく企業などから単発の仕事を請け負う就労形態であるギグ・エコノミーについても世界との違いが出ている。
 
 世界のミレニアル世代のうち56%がフルタイムの仕事の代わりに、また68%が副業としてギグ・エコノミーに参加している、または参加を検討すると回答しているが、日本ではいずれの選択肢も25%に留まっており、冒頭に記載した通り現勤務先からの離職希望は高いものの、企業への転職を選ぶ傾向が示唆された。

 ギグ・エコノミーについては世界のミレニアル世代の48%が「フルタイムの仕事と同水準の報酬を得られる」と考えているが、日本では24%に留まっている。同様に「フルタイムの仕事よりも仕事と家庭の両立が可能」と考える割合は世界では48%だが、日本では31%となっている。

■まとめ

 同じミレニアル世代といっても、世界と日本では少し考え方に違いがあるようだ。しかし、離職率が高いという点では共通している。

 今後ますます深刻化するであろう労働力不足。企業の要になりつつあるミレニアル世代の離職率を減らすためにも、企業は「世代」の違いも念頭に、今後対策をとる必要があるようだ。