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働く女性がイキイキと活躍できる環境や働き方。働きやすさを追求する各社のユニークな取組みとは

2019.06.04

 株式会社LiB(東京都渋谷区)が運営する、女性のライフキャリアステージに合わせた働き方をサポートする転職サービス「LiBzCAREER」は、2019年5月27日(月)、働く女性に向けたキャリアイベント「Women's Career Cafe」を初めて開催。

 参加者からの質疑も盛り上がり、大盛況のうちに終了した。

■働きやすさを追求する各社のユニークな取組み

■働きやすさを追求する各社のユニークな取組み

 女性も働きやすいようユニークな働き方を進めている、(株)オークローンマーケティング、(株)サニーサイドアップ、(株)サイバーエージェント、(株)LiBの4社で、活躍する女性が各社の取組事例を紹介した。

■LiBで実践するライフスタイルや価値観に合わせた働き方

(株)LiB 永井裕美子氏

 社員がイキイキ働けるよう、男性も女性も、家庭と仕事を両立できる働き方を応援しています。一例として、夫の単身赴任を機に、時短勤務から週4勤務に切り替えた女性社員や、週5フルリモートで勤務しながら家族の看護と両立しながら働く男性社員もいます。

 ファミリーサポートにも積極的に取り組んでおり、キッズルームを設備しいつでも子連れ出勤ができたり、年に数回ファミリーデイを開催したりしています。また、「37.5リモート」という制度を実施しています。お子さんが37.5度以上の熱を出したら、そのタイミングでリモートワークに切り替えられというものです。社内のチャットツールで、「本日、375使います。」「お大事にね!」といったやりとりがされています。変に気を遣うこともなく、制度を利用できることも特徴です。

■全社員が活躍できる環境構築を目指す。全員が活用できる制度であるか、という視点での制度づくり

(株)オークローンマーケティング 稲垣みずほ氏

 女性に特化しているわけではなく、全社員が活用できる制度であるか、という視点で制度をつくっています。

 代表的な社内制度は、「SJマイタイム」という独自のスーパーフレックス制度があります。この制度は始業終業の時間を対象者本人が決めることができ、さらに1ヵ月の労働時間が120時間を満たせば、100%労働したとみなされます(一般的な企業では1日8時間×20出勤日=160時間が1ヶ月の総労働時間と定めることが多い)。労働時間ではなく成果重視で評価されることや多様性を重んじるカルチャーが根付いているからこそ、制度導入ができています。業務の効率化、パフォーマンスの向上の効果もあります。

 マネジメントの視点からも、チームメンバーの業務可視化や、お互いの業務を把握・サポートするため、コミュニケーション活性化につながりました。また、効率的に働くことよりできた〝新たな時間“は、ヨガ・ジムなどのリフレッシュの時間にしたり、家族と過ごす時間にあてたりと、公私両方の充実に良い影響をもたらしています。

■女性がより安心して自分らしい生き方ができるようにバックアップしたい、『Dear Woman制度』

(株)サニーサイドアップ 谷村江美氏

 企業名にある「サニー」にちなみ、「32の制度」というユニークな制度があります。どんなライフステージ、ライフスタイルのメンバーでも、積極的に利用できることをモットーに考案しました。健康診断がオールAなら32,000円が支給される「A身体(エーカラダ)制度」や、実際にプロポーズのために活用され成功した「恋愛勝負休暇」という幸せな事例もあります。

 2015年7月には、卵子凍結費用の一部を会社が負担するという「Dear WOMAN制度」を導入しました。日本企業として初めての制度で、対象者には費用総額の30%を負担しています。

 働き方だけでなく「生き方」の選択肢を増やすことで、より安心して自分らしい生き方ができるようにバックアップしたいという思いが込められています。この2年で2名活用、検討中社員も多数います。

■十人十色の働き方を応援する全社・女性横断組織

 (株)サイバーエージェント 簑田咲氏

 「CAramel」は、「沢山の女性社員がカラメル(絡める)場をつくる」をミッションとしています。会社の成長に伴い、さまざまなフェーズの女性社員が増えてきたタイミングで、きちんと成果を出しながら自分らしく活躍している新しいロールモデルを増やしていこうというと発足した女性横断組織です。

 ニーズが多かったのは、同じ職種同士での交流や、普段業務ではかかわることのない先輩女性社員の話を聞く機会。そこで、「CARA-MESHI(絡める飯)」という、女性限定のシャッフルランチの企画運営や、CAramelの社内報を通しての活動報告、外部講師を招いてのセミナーを実施し、すべて非常に好評でした。
 女性社員のみならず全社に向けてポジティブな影響をつくることを目指しています。

■キャリアアップをする際に大切にしていることは?

 稲垣氏「キャリアアップより、スキルアップや知識のアップデートを大切にしています。会社がどんどん成長していく中で、今必要なスキルをどれだけ所有することができるかを考え、『これができるようになったら、必要な人材として認めてもらえる』という感じで日々業務に取り組んでいます。」

 谷村氏「自分自身も成長しながら貢献できる領域を広げたり進化していきたいという思いで、「今日をまず頑張る」ことを意識してきました。2度の出産後も、育休は取らず在宅勤務で復帰。キャリアアップを意識したことはあまりないですが、『本当に仕事が好きなんだね』とよく言われます。」

 簑田氏「私はキャリアアップを明確に意識してきました。30歳までに事業責任者のようなポジションに就くことを目指しているので、常に成長できる環境に自分を置けているかを大事にしています。「失敗してでも、常に身の丈以上のジョブサイズに挑戦する」ことを忘れず、常に上司の目線で仕事ができているかを大切にしています。」

 永井氏「ライフプランはありますが、キャリアプランは考えたことはありません。自分が興味があること、貢献できることは何かを常に意識してきました。難しいと思うチャレンジも、何か特別な理由がない限り断らないというスタンスで、自分よりもまず、上司やその仕事を任せてくださった方を信じることにしています。」

■仕事とプライベートを充実させる工夫は何か?

 稲垣氏「仕事とプライベートのスイッチをしっかり作るようにして、会社を出たらなるべく仕事のことを考えないことにしています。会社では旧姓を使っているので、仕事とプライベートで苗字が違うのも良いスイッチになっています。」

 谷村氏「忙しい社長直下で働いているので、私は逆に、仕事とプライベートを区切りすぎないことがモットーです。オン・オフという発想をなくし、いつ連絡が飛び込んできても大丈夫なようにしています。育児も、仕事中に対応が必要なことが多々ある。柔軟に「公私融合」で臨むのが、ストレスを溜めない私流の両立スタイルです。」

 簑田氏「仕事が好きだからこそ、仕事以外の時間をつくることは意識しています。インドア、アウトドアを含め、土日は楽しみな予定を入れ、平日も、漫画やドラマ、読書など、30分でもいいので何かしら仕事以外の時間を作るようにしています。」

 永井氏「仕事もプライベートの趣味も家事も、私にとっては全部同じくらい楽しいことです。それぞれを切り分けて考えたりすることはありません。すべてを楽しめるよに、健康には常に気をつけています。私の場合、趣味で高い目標を掲げすぎて、それがストレスになることも(笑)。うまくコントロールして自分らしく楽しんでいます。」

■どうしても会社に行きたくない時の乗り越え方は

 簑田氏「自分で悩みすぎずに、信頼できる誰かに相談をすることが大切だと思います。私の場合は、仕事で上手くいかなかったときに上司に相談し、最適なアドバイスをもらえたことで、やり方が変わり前向きな気持ちになれました。」

 永井氏「仕事の準備不足が理由の時には、仕事を頑張る!仕事のプレッシャーは仕事で勝つように意識しています。人間関係が理由の時は、人間観察をするつもりで、なぜこの人はこういう考えをするのだろうと客観視するよう心がけています。人事という職種から相手の態度を違う角度で考えて乗り越えるようにしています。」

■専門性がないのが悩み。ずっとこの仕事でいいのかと迷った時の対処法は?

■専門性がないのが悩み。ずっとこの仕事でいいのかと迷った時の対処法は?

 稲垣氏「ターニングポイントはマネージャー(管理職)に昇格したときです。自分個人の業務の達成だけではなく、チームメンバーが育つことに喜びを感じましたし、結果的に商品が売れていく経験を通して、新たなやりがいを感じました。」

 谷村氏「私も同じ悩みがあったので共感します。特別にやりたいことへのこだわりがない中で、「人の役に立ちたい」ということだけは常に考えていました。そういう自分を認めた上で、今は「究極のジェネラリスト」を目指したいと思っています。」

■まとめ

 結婚や出産などでライフスタイルが変わる女性にとって、思いがけぬ選択を迫られる時があるかもしれない。

 女性従業員の活躍を支援するためのこのようなイベントを企画するなど、女性にとって働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでみてはどうだろうか。