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年間約550時間!?働き方改革の裏に潜む、業務の時間泥棒「調べもの」「探しもの」「相談」…。AIチャットボットで「調べもの時間」を大幅削減

2019.06.04

 今年4月に働き方改革関連法が正式に施行された。そんな中、特に注目されているのは「業務時間の削減」。各企業が努力して取り組む中、なかなか減らない業務時間には、実は可視化されていない“時間泥棒”が潜んでいるようだ。

 「外回り営業」「プレゼン」等、名称がついている業務以外で、地味に業務時間を奪っている「名もなき仕事」に着目し、その解決方法を紹介する。

■働き方改革の裏に潜む゛業務時間泥棒“=「名もなき仕事」

 「探し物」「上司部下からの相談」「調べもの」「データ名を分かりやすく変更し格納すること」など、必ず業務中に発生する、具体的な名称がついていない「名もなき仕事」。

 「外回り営業」「プレゼン」のようにはっきりとした名前がないものの、これらの小さなひとつひとつの作業は、積み重なって結果的にビジネスパーソンの多くの業務時間を奪い、知らないうちにストレスとなっている。

■どれくらいの「名もなき仕事」が発生している?

 例えば「提案資料を作る」という仕事のために、どれくらいの「名もなき仕事」が発生するか考えてみる。すると「社内ストレージで過去事例を調べる」「上司が適当に保存したデータ名を変更」「資料留めのクリップを探す」という3つの作業が挟まれることが予想できる。1つの仕事にいくつもの「名もなき仕事」があるようだ。これがすべての仕事に適用されると考えると、ビジネスパーソンが直面している実態は深刻だといえるだろう。

    

■ビジネスパーソンは「調べもの」に毎日1.6時間、「探し物」に年間150時間を費やしている

 オウケイウェイヴ総研(所在地:東京都渋谷区)が、全国の会社員1,000名を対象に「社内業務」に関する調査を実施した結果、一般的な会社員は1日平均1.6時間「調べもの」に時間を割いており、計算上、日本全体で1日当たり約1,057億円相当の賃金が調べものに充てられることが明らかになった。

 調べものに時間を取られていると思うと回答した人のうち、「仕事上での調べものによって時間を取られることにストレスを感じている」と回答した人は、「とても感じている」と「やや感じている」を合わせて75.4%だった。

 また大塚商会の調査によると、「蛍光ペンがない」「伝票が見当たらない」などといった仕事中の探しものに、ビジネスパーソンが年間150時間も費やしていることが分かっている。

 これらの調査から、ビジネスパーソンが調べもの・探し物に費やしている年間の時間を計算すると、なんと約550時間にも上った。

年間で調べもの・探し物に費やす時間(約550時間)
  =【調べものに費やす時間:1日1.6時間×年間労働日数245日(=1年365日-年間平均休日120日)=392時間】+【探し物に費やす時間:年間150時間】

■「調べもの時間」の大幅短縮を実現した事例

 「名もなき仕事:社内の調べもの」での時間の浪費を改善するには、社内のナレッジ共有方法・検索体制を整えることが重要だ。

 サッポロビールを中心とする「サッポロホールディングス」(以下、サッポロHD)は、「社内FAQ」と「AIチャットボット」を活用。「社内問い合わせチャットボット」として、社員の「調べもの時間」を大幅に短縮することを試みている。

■人事部への「社内問い合わせ対応」の自動化

 年末調整の時期になると、書類作成の問い合わせが多く人事部に寄せられ、通常業務を行いながら従業員からの問い合わせにも対応しなければならないことで、業務過多が生じていた。

 そこでサッポロHDは、オウケイウェイヴの「OKBIZ. for FAQ」を導入。質問と回答の組み合わせである「社内FAQ集」を整備した。

 もともと社内にFAQ自体は存在していたものの、知識が散在していたり適切に更新されていなかったりと使いづらいものだった。現場では調べたいことを探しきれず、知っている人に問い合わせる等、問い合わせる側もそれに対応する側も負担が大きい状態だった。また、社内状況や現場の課題感をリサーチしてみると、社内問い合わせ対応に追われて本来の業務に手が回っていない状況も分かった背景がある。

 「社内FAQ集」を整備することは、単に問い合わせ業務の対応を削減するだけでない。問い合わせ業務から開放されたことで生まれたリソースを、本来の業務に投資することで、企業ブランド価値創造を高めることにもつながるようだ。

■複数の回答を表示する「AIチャットボット」

 2018年末には社内PCにアプリとしてAIチャットのメニューも登録した。その結果、「AIチャットボット」活用によるFAQ参照率は6割に上がり、人事部に限らず各部署の生産性が上がった。

 参照率の残り4割は実はAIに向かって「疲れたよ」というなどの雑談が占めている。こちらはこちらで、「どうもこの部署が疲れているな」と判断したり、何か困り事が起こっていることを探るヒントにもなっており、AIチャットボットは業務時間の削減以外にも役立っていることが分かっている。

■まとめ

 労働力不足がますます深刻化する中、AI技術の活用は今後より重要度を増してくるだろう。

 AIチャットボットで「調べもの時間」を大幅削減し、従業員の業務過多の負担を減らすことをすることで、業務の効率化を可能にしていくのではないだろうか。