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テレワークよりオフィスでの勤務の方が生産性が高い?テレワーク制度を導入しない理由とは

2019.06.25

 レノボ・ジャパン株式会社(本社・東京都千代田区)は、7月22日(月)~9月6日(金)に行われる「テレワーク・デイズ2019」を前に、全国の20~50代の社会人を対象とした、テレワークの利用実態に関する調査を実施。

 今回の調査では、テレワークよりオフィスでの勤務の方が生産性が高いことがわかった。

■テレワークの利用頻度が高いほど、勤務環境の満足度が高い

■テレワークの利用頻度が高いほど、勤務環境の満足度が高い

 今回の調査対象者全員(n=5,922)に総合的な勤務環境の満足度を質問したところ、全体の約3割が「満足している」「やや満足している」と回答。

 これをテレワーク未導入企業と、導入企業に分けて見てみると、テレワーク未導入企業で勤務環境に満足していると回答した方が28.7%だったのに対し、テレワーク導入企業では56.0%と半数以上が勤務環境に満足しており、約2倍の差がある結果となった。

 総合的な勤務環境の満足度を、テレワーク従事者のテレワークの利用頻度別で見てみると、週5日以上:76.7%、週1~4日:71.6%、それ以下:47.2%となり、テレワークの利用頻度が高いほど勤務環境の満足度が高くなる傾向が見られた。

■20代の約7割が「テレワークは働きやすい」

■20代の約7割が「テレワークは働きやすい」

 テレワーク従事者の56.0%が「出社して仕事をする時と比べて、テレワークは働きやすいか」という設問で、「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した。

 これを年代別に見てみると、20代の約7割が「テレワークは働きやすい」と回答。30~50代についても、平均して約半数(50.7%)はテレワークについて働きやすさを実感しているという結果となった。

■テレワークは時間を有効活用できる

■テレワークは時間を有効活用できる

 テレワーク従事者に「出社して仕事をする時と比べて、テレワークが“働きやすい”と思うこと」を選択肢の中から選んでもらったところ、第1位に挙げられたのが「通勤時間を作業時間に割くことができる」(51.5%)という回答で、テレワーカーの約半数が、時間を有効活用したいという意向がみられた。

■「オフィスでの勤務の方が生産性が高い」とテレワーカーと逆の見解がトップに

■「オフィスでの勤務の方が生産性が高い」とテレワーカーと逆の見解がトップに

 全国の20~50代の会社員(n=5922)に勤務先が採用・導入している制度や働き方を調査したところ、「テレワーク制度を導入している」と回答した人は1割程度(11.5%)という結果となった。

 また、テレワーク制度が会社に導入されているものの、テレワークの対象となっている人(テレワークで働くことを認められている人)は全体のわずか6.7%となっており、普段からテレワークを実施している方は4.9%と、ごく少数の会社員のみがテレワークを利用している実態が明らかになった。

■テレワークを活用していない人は、職場の方が生産性が高いと回答

■テレワークを活用していない人は、職場の方が生産性が高いと回答

 テレワーク可能な働き方にも関わらずテレワークを活用していない人(n=102)に「テレワーク制度を利用していない理由」を選択肢より選んでもらったところ、「職場の方が生産性が高い」(62.7%)や「職場の方が働きやすい」(60.8%)といった、「職場の方が良い」という回答が上位に見られた。

 「出社している時より働きやすい」という回答が多かったテレワーカーと逆の見解が見られた。

■テレワークがしにくい理由は「セキュリティ」と「データ共有」「会議への参加」

■テレワークがしにくい理由は「セキュリティ」と「データ共有」「会議への参加」

 テレワーク従事者に対して、テレワークを利用しにくいと思う理由について調査をしたところ、「セキュリティが心配」(42.0%)、「資料などデータの共有がしにくい」(41.5%)「職場で実施される会議に参加できない」(37.5%)という回答が上位を占める結果となった。

 セキュリティ面に関する不安やデータ共有の煩わしさ、会議の予定があるためにテレワークできないなどの声が上位に挙がった。

■テレワーク制度を整備している企業は従業員満足度が高い結果に

 テレワークには「時間の有効活用ができる」というメリットがあり、テレワーク制度を整備している企業は従業員満足度が高い結果になっている。企業側にとってテレワークは人材確保の切り札となる可能性があるようだ。

 アンケートの最後に、テレワークが無制限に良い環境で出来るとしたら、どのようなことをしてみたいか、自由回答で質問してみたところ「隙間時間を活用して、効率的に業務をしたい」、「通勤をやめたい」のように、より効率的に自己裁量による仕事設計を希望する声がある中、「ひたすら引きこもってものづくり」、「バカンスしながら仕事をしたい」のような声も見られた。

 インテリジェント・トランスフォーメーションといわれるダイナミックなデジタル化の波が、働く環境を大きく変えようとしている時代。フレキシブルなライフスタイル・ワークスタイルを選ぶ手段としてテレワークへの期待は大きいと考えられる。

 しかし、一方で、「セキュリティが心配」「オフィスの方が生産性が高い」といった課題解決がテレワーク普及率の向上に必要であることが明らかとなった。

■まとめ

 テレワーク導入企業の職場満足度は未導入企業の約2倍という結果になったものの、テレワーク制度を導入していると回答した人はわずか1割という結果だった。

 テレワークは、離職率の低下を抑え労働力不足対策や、通勤時間をなくすなど、メリットも多い。反面、セキュリティ対策や時間管理が曖昧になってくるなどの問題もあるようだ。

 企業は、より多様な働き方が求められてきている。企業にとって従業員が働ける会社であるにはどうしたらいいかを考え、テレワークといった「働き方改革」を検討していくことが必要になってきている。

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