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新入社員、6割が「働き方は人並みで十分」と回答。「働くことの意識」調査で判明

2019.07.04

 公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会は6月27日、平成31年度新入社員1,792人を対象にした「働くことの意識」調査結果を公表した。

 新入社員の6割が「働き方は人並みで十分」と回答し、「好んで苦労することはない」が3割を超え過去最高を更新した。

■働く目的は、「楽しい生活をしたい」

働く目的(主な項目の経年変化)
働く目的(主な項目の経年変化)

 「働く目的」は何か質問したところ、最も多い回答は、平成12年度以降急増した「楽しい生活をしたい」で39.6%だった。過去最高を更新した一昨年度の42.6%から2年連続で減少した。

 一方、かつてはバブル期を除いてトップになることもあった「自分の能力をためす」は長期にわたって減り続け、昨年度10.0%と過去最低を更新したが、今年度は10.5%とわずかに増えた。

 また、平成に入ってから平成23年頃まで増加していた「社会に役立つ」は減少し、横ばい傾向にある(今年度9.3%)。

 また、このところ増加していた「経済的に豊かになる」は、昨年度の30.4%から今年度28.2%に減少した。

■働き方は「人並みで十分」が過去最高を更新し63.5%に

「人並みで十分」か「人並み以上に働きたいか」
「人並みで十分」か「人並み以上に働きたいか」

 「人並み以上に働きたいか」では、「人並みで十分」が昨年度に続き過去最高を更新(61.6%→63.5%)し、過去最低となった「人並み以上に働きたい」(31.3%→29.0%)の倍以上の回答割合だった。

 その差も過去最高を更新した(30.3ポイント→34.5ポイント)。

■「仕事中心」か「(私)生活中心」か

「仕事」中心か「(私)生活」中心か
「仕事」中心か「(私)生活」中心か

 「仕事中心」か「(私)生活中心か」という設問でも差が拡大した。

 「(私)生活」中心という回答は平成3年度(22.8%)をピークに下がり続け、一時「仕事」中心が上回った。しかし平成24年度を底に「(私)生活中心」が再び増加し、「(私)生活中心」が「仕事中心」を上回り、差が広がっている。

 今年は「(私)生活」が17.0%(昨年度比+1.8ポイント)、「仕事中心」が6.0%(-0.7ポイント)と、差は11.0ポイントに拡大した。

■「プライベートより仕事を優先」が多数派だが減少傾向

デートか残業か(経年変化)
デートか残業か(経年変化)

 「デートの約束があった時、残業を命じられたら、あなたはどうしますか」では、「デートをやめて仕事をする」(平成27年度80.8%→76.9%→71.0%→68.5%→今年度63.7%)、「ことわってデートをする」(平成27年度19.0%→22.6%→28.7%→30.9%→今年度36.0%)となった。

 全体としてはプライベートな生活よりも仕事を優先する傾向が引き続き見られるが、平成23年の最低値から「デート派」が増加、「残業派」が減少している。

■若いうちは進んで苦労すべきか

若いうちは進んで苦労すべきか
若いうちは進んで苦労すべきか

 「若いうちは自ら進んで苦労するぐらいの気持ちがなくてはならないと思いますか。それとも何も好んで苦労することはないと思いますか」と質問したところ、平成23年度から「好んで苦労することはない」が増え続け37.3%となり過去最高だった。

 逆に「進んで苦労すべきだ」は大きく減少して43.2%となり、最大54.3ポイントあった両者の差は過去最小の5.9ポイントだった。

■「能力・個性を活かせる」「仕事が面白い」で半数超

会社の選択理由(主な項目の経年変化)
会社の選択理由(主な項目の経年変化)

 「会社を選ぶとき、あなたはどういう要因をもっとも重視しましたか」という質問に対して最も多かった回答は、引き続き「自分の能力、個性が生かせるから」(29.6%)だった。以下、「仕事が面白いから」(18.4%)、「技術が覚えられるから」(13.1%)の順だった。

 中長期的には、職場に“寄らば大樹”的な期待をもつ傾向が退潮し、自らの技能や能力、あるいは職種への適性に関心がもたれる時代へと変化している。

■社長志向も専門職志向も過去最低水準

どのポストまで昇進したいか(平成21年度と31年度の比較)
どのポストまで昇進したいか(平成21年度と31年度の比較)

 「どのポストまで昇進したいか」という問いに対して、最も多かったのは「専門職<スペシャリスト>」(17.3%)、続いて「どうでもよい」(16.0%)だった。

 この設問は男女差が大きく、昇進志向は低下しているものの男性で多い回答は「部長」(18.6%)、「社長」(18.4%)である(女性ではそれぞれ9.2%、4.1%)。

 一方女性で多い回答は、「専門職<スペシャリスト>」22.7%となっており、「どうでもよい(19.0%)」という回答も多くなっている。

■仕事や職場へのコミットメントの低下

 就労意識と生活価値観についての質問文に対し、「そう思う」から「そう思わない」まで4段階で聞いたところ、ポジティブ・積極的な態度が上位を占め、ネガティブ・消極的な態度が下位を占める結果となった。

 しかしこの5年間の推移をみると、仕事や職場へのコミットメントの低下傾向が見受けられる。5年前と比較し、プラス・マイナスでそれぞれ変動の大きかった上位3項目は以下の通り。

〇5年前との差(今年度)
▼プラスになった上位3項目
- 職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰る・・・+14.3ポイント(49.4%)

- 仕事はお金を稼ぐための手段であって面白いものではない・・・+ 9.6ポイント(42.3%)

- 職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない・・・+ 8.9ポイント(30.1%)

▼マイナスになった上位3項目
- あまり収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事がしたい・・・-14.9ポイント(48.0%)

- 面白い仕事であれば、収入が少なくても構わない・・・-12.9ポイント(42.0%)

- 人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ・・・- 8.1ポイント(83.2%)

■就労意識:「そう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合(%)

※( )内は前年度比
1位 :社会や人から感謝される仕事がしたい 93.9(+1.0)
2位 : 仕事を通じて人間関係を広げていきたい 92.5(-1.6)
3位 :ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい 91.8(-0.8)
4位 :どこでも通用する専門技術を身につけたい 90.4(-0.8)
5位 :高い役職につくために、少々の苦労はしても頑張る 81.5(+1.8)
6位 :これからの時代は終身雇用ではないので、会社に甘える生活はできない 78.2(+1.3)
7位 :仕事を生きがいとしたい 70.3(+1.8)
8位 :仕事をしていくうえで人間関係に不安を感じる 65.8(-4.9)
9位 :できれば地元(自宅から通える所)で働きたい 60.4(-1.5)
10位:職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰る 49.4(+2.5)
11位:海外の勤務があれば行ってみたい 44.1(-3.1)
12位:仕事はお金を稼ぐための手段であって、面白いものではない 42.3(+1.3)
13位:面白い仕事であれば、収入が少なくても構わない 42.0(-2.3)
14位:いずれリストラされるのではないかと不安だ 41.0(+2.6)
15位:職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない 30.1(-0.6)
16位:いずれ会社が倒産したり破綻したりするのではないかと不安だ 25.3(+1.4)

■生活価値観:「そう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合(%)

※( )内は前年度比
1位 :他人にはどう思われようとも、自分らしく生きたい 84.5(+0.7)
2位 :自分はいい時代に生まれたと思う 83.6(+3.0)
3位 :人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ 83.2(-4.2)
4位 :将来の幸福のために、今は我慢が必要だ 78.5(-0.8)
5位 :明るい気持ちで積極的に行動すれば、たいていのことは達成できる 78.2(+1.0)
6位 :すこし無理だと思われるくらいの目標をたてた方ががんばれる 66.8(+0.8)
7位 :たとえ経済的には恵まれなくても、気ままに楽しく暮らす方がいい 63.2(+1.1)
8位 :企業は経済的な利益よりも、環境保全を優先するべきだ 63.2(+3.6)
9位 :冒険をして大きな失敗をするよりも、堅実な生き方をするほうがいい 60.8(-0.2)
10位:世の中は、いろいろな面で、今よりもよくなっていくだろう 59.3(+0.1)
11位:リーダーになって苦労するよりは、人にしたがっている方が気楽でいい 54.9(+1.3)
12位:自分と意見のあわない人とは、あまりつきあいたくない 52.8(+1.5)
13位:あまり収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事がしたい 48.0(-2.5)
14位:世の中、なにはともあれ目立ったほうが得だ 46.4(-0.5)
15位:周囲の人と違うことはあまりしたくない 44.9(+2.5)
16位:世の中は、いろいろな面で、今よりも昔のほうがよかった 33.6(+1.7)

■「第一志望に入社」は昨年より上昇

 「第一志望の会社に入れた」(Q33-1)という回答は、平成24年度60.9%から平成25年度52.0%と大幅に減少し、設問設定以来で最低だったが、平成26年度以降は改善傾向が続き、この数年は横ばい傾向にあり、今年度60.3%だった。

 なお、厚生労働省・文部科学省「大学等卒業者の就職状況調査」によれば、4月1日現在の大卒者の就職率は平成22年度(平成23年3月)卒業者で91.0%と過去最低となった後、年々少しずつ好転し、平成31年3月卒業者では97.6%に達している。

<第一志望の会社に入れた割合 ※( )内は四年制大卒>

平成23年度56.6(51.5)%  
平成24年度60.9(57.3)%  
平成25年度52.0(46.3)%
平成26年度55.0(50.1)%  
平成27年度56.4(53.0)%  
平成28年度60.2(56.6)%
平成29年度60.6(57.5)%  
平成30年度58.6(51.6)%  
平成31年度60.3(54.6)%

■ 調査の概要

・調査期間:平成31年3月11日から4月26日

・調査対象:平成31年度新社会人研修村に参加した企業の新入社員

・調査方法:研修村入所の際に各企業担当者を通じて調査票を配布し、その場で調査対象者に回答してもらった

・ 有効回収数:1,792人(男性1,060人/女性726人/無回答6人)

■まとめ

 新入社員、6割が「働き方は人並みで十分」、「好んで苦労することはない」が過去最高の3割を超える結果となった。

 今回のアンケート調査を参考に、新入社員の働くことの意識について注目し、企業の教育研修などに活かしてみてはどうだろうか。

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