20代に不人気の建設業界で、若者に大人気の塗装ベンチャー企業が。今、学生に人気の理由とは?
戸建て住宅の外壁塗装工事を展開する「ユーコーコミュニティー株式会社(神奈川県厚木市)」は、高齢化が社会問題となっている建設業において、全社員128名の半数以上が20代となっている。
20代チームで塗装工事を提供することになり、毎年、新卒の学生が入社、職人希望の女性も急増している。さらに美大卒の職人によるアート塗装の評判も増加し、多数のメディアに取り上げられている。
■建設業界は急速に高齢化へ。20代は約10%に急激に減少
建設業界は、近年ますます高齢化が進んでおり、55歳以上が約34%、29歳以下は10.8%と極めて深刻な数字になっている。(出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」)。
日本の全産業と比較しても、建設業は特に高齢化が進行していて、次世代への技術継承が大きな課題になっている。
実際、この20年間で、55歳以上の割合が約10ポイント以上増加したのに対し、29歳以下の割合は逆に10ポイント以上も減少しているのが現状だ。
一方、ユーコーコミュニティー株式会社の29歳以下は55.5%で、社員の半分以上が20代となっている。建設業界の高齢化が進行している状況とは対照的に、毎年新卒が入社してくるため、年々若返りをしている。
20代チームが提供する塗装工事が増えることで、業界の活性化につながっていく。
■建設業界の女性比率は、わずか約3%
建設業界に占める技能者の女性比率は、わずか約3%で、これは、日本の全産業の中で最下位に位置している。(出典:国土交通省「もっと女性が活躍できる建設業へ向けた取組について」)
一方のユーコーコミュニティーは、女性社員比率が42.9%で突出して高く、塗装職人に至っては61.1%が女性という、日本一女性職人数が多い会社になっている。
さらに、アートに精通した美大生が塗装職人として働いているところも特筆すべき点といえる。
■建設業界の女性社長比率は4.7%で全産業の中で最下位
日本の企業の女性社長比率は7.8%。
特に建設業界の女性社長比率は、全産業の中で最も低く、わずか4.7%でしかない。(出典:帝国データバンク「全国女性社長比率調査2018年」)
ユーコーコミュニティーの社長は女性であり、この点も特徴的だといえる。
■「塗装はアート。」もっと楽しく、エンターテイメントに
ユーコーコミュニティー株式会社 代表取締役社長 阿部真紀氏は
「もっと多くの人に塗装の楽しさや面白さ、魅力を知ってもらいたいと思っています。若い方が輝いて働ける業界にしていきたい、と考えてきました。施工実績は11,000件以上になり、今も増え続けています。これからも、ユーコーコミュニティーは家だけでなく、町並みも華やかにして、エンターテイメント性あふれる取り組みで、人々が笑顔になる世界を実現させていきます。」
と語っている。
■まとめ
20代に不人気で高齢化が進んでいる建設業界。ユーコーコミュニティー株式会社は、「塗装はアート。」というモットーで、建設業界を女性や若者が活躍できる場所へ変えていくのではないだろうか。
若い人が建設業界に触れる機会を増やし、エンターテイメント性あふれる取り組みで、建設業界の古いイメージを払拭することが期待されているのかもしれない。