外国人ITエンジニアから見た日本の働き方のイメージとは?
外国人エンジニアプラットフォームTalentHub(タレントハブ)を運営するプレイネクストラボ株式会社(本社:東京都品川区)は、登録している外国人ITエンジニア123人を対象に、『日本で働きたい理由』についてアンケート調査を実施した。
昨今日本では、多くの外国人が様々な業界で働くようになってきている。
ITの最先端技術を母国で学んだ外国人エンジニアも同様に、企業側の採用ニーズは日々増加しており、既に多くの外国人が日本企業で即戦力として活躍している。
そんな彼らが、日本のどのようなところに興味を持って来日したのか?どういったところに不満を感じているのか?等、アンケートを通じて調査しており、採用企業側としても自社の業務環境を改めて見直すきっかけとなりそうだ。
■【勤務希望地】第1位は「東京都」で7割超!地方企業は採用の為に積極的な情報発信を
「日本のどの都市で働きたい?」 との設問に対しては、「東京」「名古屋」「大阪」「札幌」「福岡」などの回答が寄せられた。「東京」で働きたいという回答が70%以上もあったことから、首都圏で働くことに魅力を感じているようだ。
一方で、外国人にも観光地として有名な「京都」や「横浜」といった都市も、少数ながら回答として挙げられている。
外国人ITエンジニアにとって大都市や観光地以外の地名や情報をあまり知らない可能性もあり、「東京」と「大阪」しか知らないといったコメントも寄せられたようだ。
地方にも魅力ある仕事が多く存在しているにもかかわらず、外国人ITエンジニアにはあまり知られていない可能性がある。
地方企業はスカウトや採用オウンドメディア、SNSやブログ、動画など様々なチャンネルで会社紹介や求人情報などを提供し、外国人ITエンジニアへ積極的なアピールをしていくことが必要だといえる。
■【日本で働きたい理由】「文化が好き」 「最新技術を学びたい」 「キャリアアップ」などの声が
日本で働きたい理由としては、「日本文化が好き」(27.6%)、「日本最先端技術を学びたい」(18.7%)、「自分のキャリアを向上させたい」(18.7%)「給料が良い」(17.1%)など様々な回答が寄せられた。
海外に住みながら働くことや異文化を体験したいという好奇心が、モチベーションとなっている層が一定数存在することが伺える。
また出身国では習得したプログラミングスキルをいかす場がほとんどないことから、日本でITエンジニアとして働くことを選択している層もいるようだ。
業界の最先端技術に触れられる機会が多いことも理由としてあげられている。
世界第3位の経済大国である日本は、給料も自国と比較して良い場合も多いため、日本国内企業でITエンジニアとして経験を積んでキャリアアップを図ることで、自身の生活と技術のレベルを向上する大きなチャンスがあると捉えているようだ。
■【日本の「好きなところ」】仕事に対する意識の高さ、手順通りに正確に行う職場環境に高評価
日本の「好きなところ」では、「仕事の文化、環境」が好きな理由として138件の回答が寄せられた。
時間正確に働くこと、技術力に対しては高い評価だった。
また、プロ意識が高く協調性があることも好きな要因としてあげられている。
なかには日本にはビジネスチャンスがあり(75件)、スキルアップを図りながら、様々な職場に就職するチャンスがあるという理由から選んだという人もいたようだ。
また、住み心地がよく、便利な環境であることに加え、安全性の高さや平和であることも魅力として捉えられている。
さらに、自然の豊かさや日本国内旅行、日本食などの文化にも人気が集まった。
■【日本の「嫌いなところ」】ルール厳守で柔軟性がたりない、出社時間、満員電車が不満、などの声
「嫌いなところ」においては、「職場」が141件の回答があげられた。
中でも、朝の出社時間は特に厳しいと感じているようだ。
また、仕事に対してルールを優先する一方で、非効率で生産性に対する意識が低いという意見も。
盲目的にルールに従って働き、決定事項をなかなか変えない、「決まりだから・・・」という日本の職場や考え方に違和感を覚えている回答が寄せられた。
さらに、日常生活においては、ちょっとしたコミュニケーションを取る場合、言葉の壁から「生活の不便さ」(40件)があるといった回答も。
「都市での生活」(12件)では、通勤時の満員電車が大変だという回答も寄せられた。
■調査概要
調査目的:外国人ITエンジニアからみた日本の職場状況を探る
対象者条件:外国人エンジニア
調査手法:インターネット調査(英語)
実査期間:2019年5月22日(水)~5月31日(金)
サンプル数:123人
■まとめ
外国人ITエンジニアから、ルール厳守で柔軟性がなく、生産性に対して意識が低いと見られている日本の職場。
今後ますます労働力不足が深刻化し、特にIT人材の確保は急務となっている。
貴重な戦力である外国人エンジニア獲得のため、採用側企業は、自社の業務環境をグローバルな視点で改めて見直してみてはどうだろうか。