産業医から見る「リモートワーク」のメリット、3位「通勤ストレスの軽減」、2位「自分のペースで仕事ができる」、1位は?
メドピア株式会社(東京都中央区)の連結子会社で、産業保健支援サービス「first call」を提供する株式会社Mediplat(東京都中央区)は、産業医500人を対象に「リモートワーク」に関するアンケート調査を実施。近年導入する企業が増えている「リモートワーク」を活用することのメリットやデメリットをまとめた。
■「リモートワークの活用」について、約7割が「どちらかというとメリットが大きい」と回答
産業医の視点で、「リモートワーク」を活用するメリットとデメリットはどちらの方が大きいと思うかを調査した。
アンケート結果によると、回答者の67%が「どちらかというとメリットが大きい」と回答。「メリットが大きい」という回答も12%あった。
「リモートワーク」の活用はデメリットよりもメリットの方が大きいと感じている産業医が多いようだ。
■「リモートワーク」のメリットは?1位は「対人ストレスが軽減される」
続いて、「リモートワーク」を活用することでどのようなメリットがあるのかを聞いた。
具体的なメリットの第1位となったのは、「対人ストレスが軽減される」。次いで、「自分のペースで仕事ができる」「通勤ストレスが軽減される」という回答が多かった。
対人ストレスはメンタル不調の原因であることが多いため、「リモートワーク」をうまく活用すれば予防や復職支援になるという意見があった。これ以外にも、以下のような補足コメントが挙げられた。
<補足コメント>
・対人関係が原因のメンタル不調にはよい。
・復職出来ないリスクを軽減している。復職に向けた日常生活支援に有効なプログラムと思われます。
・自立している社員にとっては自由度が増すと思います。
・働き方のオプションが増えるのはよい。
・人としゃべることはストレス発散になるひともあれば、却ってストレスという人もいて、一概にいうのは難しい。
・大企業では通勤片道2時間という人が多い。
・子供や介護問題など、プライベートが多忙で通常勤務が難しい方は、リモートワークは本人と職場にとってWin-Winになると思っています。
・共働き、片親等が増えているので、家庭とプライベートの両立がしやすいのは良い。
■「リモートワーク」のデメリットは?1位は「コミュニケーションが不足する」
「リモートワーク」を活用することで起こりうる具体的なデメリットの第1位となったのは、「コミュニケーションが不足する」であった。次いで、「人間関係が希薄化する」「コミュニケーションエラーが起きやすい」という回答が多かった。
「リモートワーク」は個人の自己管理が強く求められるため、自立していないと難しいという意見もあった。この他の補足コメントは以下の通り。
<補足コメント>
・やはり実際に顔を合わすのとは大きく異なると思います。
・顔を見ないと疑心暗鬼になる。
・時間管理をパソコンで客観的にできればいいが、自分で自己管理がしっかりできないとだらけるし、効率も悪くなる。メンタル面も含め、自己管理ができることが条件。
・生活リズムを自己管理できない人にはデメリットが多い。
・適応できる職種はわずかで、フォローもしにくいのが致命的な難点です。
・かなりの計画性と公私の使い分けが求められる。
・周囲からの目がないので、自分に甘えすぎてしまう傾向になる。
・個々が自立できていれば全く問題ないのですが、スキルの低い就労者には不適等な制度。
・無理をして過労にならないようフォローしていく必要がある。
■まとめ
産業医が考える「リモートワーク」活用のメリット、第1位は「対人ストレスが軽減される」だった。この他、「自分のペースで仕事ができる」「通勤ストレスが軽減される」などメリットは大きい。一方で、社員一人ひとりの自立が必要といった側面もある。
多様な働き方が求められている昨今、働き方改革の一環として、「リモートワーク」の導入を検討してみてはどうだろうか。