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法改正から7年、「日雇い派遣原則禁止」の成果はあったのか?

2019.07.29

 主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』(事業運営者:株式会社ビースタイル/本社:東京都新宿区)の調査機関しゅふJOB総研は「日雇い派遣の原則禁止について」をテーマに、働く主婦層にアンケート調査(有効回答数694件)を実施した。「日雇い派遣原則禁止」の効果があったと感じている人は、多くはないようだ。

■「日雇い派遣原則禁止」に効果はあった?約半数が「特に成果があったとは思わない」と回答

2012年の労働者派遣法改正により日雇い派遣(30日以内の短期・単発派遣)が原則禁止となってから、7年目を迎えた。日雇い派遣の原則禁止によって、どのような成果があったと思うか。(複数回答)
2012年の労働者派遣法改正により日雇い派遣(30日以内の短期・単発派遣)が原則禁止となってから、7年目を迎えた。日雇い派遣の原則禁止によって、どのような成果があったと思うか。(複数回答)

 「日雇い派遣原則禁止」によって、どのような効果があった思うのかを調査した。

 アンケート結果によると、「特に成果があったとは思わない」が51.4%で最多。次いで、「わからない」という回答が37.5%だった。一方で、「正社員の雇用が増えた」との回答は2.6%、「ワーキングプアが減った」との回答は1.0%にとどまった。

■全体の34%が、「日雇い派遣の原則禁止は見直すべき」と回答

日雇い派遣の原則禁止について見直すべきだと思うか。(単一回答)
日雇い派遣の原則禁止について見直すべきだと思うか。(単一回答)

 次に、「日雇い派遣原則禁止」について見直すべきだと思うかを聞いた。

 「わからない」と回答した人が54.6%で最も多かった。次いで、「日雇い派遣の原則禁止は見直すべき」との回答が34.0%。一方で、「日雇い派遣は原則禁止のままで良い」との回答は11.4%にとどまった。

 また、世帯年収500万円以下の主婦層の回答に絞ると、「日雇い派遣の原則禁止は見直すべき」との回答が52.9%だった。

 

世帯年収500万円以下のみ
世帯年収500万円以下のみ

 

■回答者のフリーコメントを紹介

 アンケートに寄せられたフリーコメントを紹介する。

 <「日雇い派遣の原則禁止は見直すべき」と回答した理由>

・例えば世帯主が急に失職したり、不測の事態で収入が減ってしまった際、子供が小さいとか病気がちとかでフルタイムの週5日働きたいけど、それが難しいから出来る時に単発で働きたいのに、この法改正の所為で出来なくなったのは、配偶者的には非常に辛い(50代:パート/アルバイト)

・日雇いで融通きかせて働きたい時もあるのに、いちいち源泉徴収票が必要だったり面倒。こんな法改正したって正社員の雇用なんて増えない(50代:派遣社員)

・人によっては、日雇い派遣で働きたくても、できないので 年収を証明する為に、派遣会社に源泉徴収票を見せなくてはいけない 主人が定年後は年収が足りず、日雇いで働けない(50代:派遣社員)

・多様な働き方を認めるべきだと思う(50代:派遣社員)

・日雇い派遣がokだった頃は、派遣の時給で単発の事務仕事もたくさんできたが、今はバイトでしか単発ができないので時給が安い。派遣社員で、契約期間満了後に次の仕事まで間が空く場合に、単発の派遣の仕事ができないのは辛い。収入がある人がさらに優遇されるという、頭が悪いとしか言いようのない法律(40代:派遣社員)

・短期間の副業が全くできなくなった(40代:パート/アルバイト)

・単発派遣で働けなくなり、繋ぎの仕事が出来ず無収入の期間が増え、かなりダメージを受けた。これだけ非正規が増えてるのにカレンダーの休日ばかり増えて収入は減るのに稼ぐ手立てを奪われて。この縛りが正規雇用につながるなんて的外れな考えだ。今すぐ見直してほしい。逆に貧困度が上がっていると思う(40代:派遣社員)

・雇用が以前より不安定になり、ワーキングプアは増加したと痛感。所得500万円以下の世帯や単身者の生活は以前より苦しくなっている。現実を無視した歴史に残る悪法(50代:派遣社員)

・単発で働ける派遣の良いところが利用出来ない(50代:今は働いていない)

・主たる生計者ではなく500万円以上の世帯年収は、そもそも日雇いである必然がないです。母子家庭等で少ない収入を補足したい人が働けないのは、子供の貧困につながるから(50代:契約社員)

 <「日雇い派遣は原則禁止のままで良い」と回答した理由>

・日雇いは保障がないから(50代:今は働いていない)

・例外にあたるので関係ない(40代:派遣社員)

・一家の大黒柱になる人が日雇いでは家庭は維持できない。会社からの福利厚生、賃金の安定は必要だ(50代:派遣社員)

・特に困らないから(40代:今は働いていない)

・社員登用が増加する動きを期待したい(50代:派遣社員)

・生活の主な収入源が確保されていれば、アルバイト的に収入を得たい主婦や年配の方もいるので、良いと思う(50代:今は働いていない)

・正社員の雇用が増えたといっても、いまだに若い人たちだけでなく中高年のアルバイトやパートが減らないのは、施策に問題があるからであり、法は存在させたままで内容の吟味が必要と考えます(60代:パート/アルバイト)

・60代の女性の活躍の場となっているから(60代:今は働いていない)

・原則禁止はそのままでいいが、副業の場合の条件を撤廃して欲しい。なぜなら、副業で日雇い派遣をしたい人というのは年収が低いからであって、世帯年収500万というのは条件として高すぎる(30代:正社員)

・派遣切りなどの悲劇が軽減されるなら、です(40代:今は働いていない)

 <「わからない」と回答した理由>

・日雇い派遣禁止の例外で働けているので あまりその事について考えた事が無かった為(50代:パート/アルバイト)

・それについての意見を聞くことがほとんどない(50代:フリー/自営業)

・お金が無いから日雇で働きたいのに世帯年収が多くないと働けないのは疑問(50代:今は働いていない)

・日雇い派遣原則禁止のメリットが不明(40代:SOHO/在宅ワーク)

・その事でどう言う影響があるのか不明だから(50代:今は働いていない)

・日雇いの働き方を選ぶ人の背景を探り、より働きやすい環境を提供するべき(50代:派遣社員)

・正社員の減少を派遣法のせいにしているように感じるが、問題はそこでは無いと思います。派遣法にいろいろ手を加えて改正しても、問題は解決しないと思います(50代:パート/アルバイト)

・人によって影響は違うと思うので、良い悪いを一概に決められないと思う(30代:今は働いていない)

・この禁止を知らなかった(60代:今は働いていない)

・日雇いバイトの継続雇用はある中で、派遣だけは日雇い禁止に意味があるのか?(40代:パート/アルバイト)

■「日雇い派遣原則禁止」の背景

 2012年に労働者派遣法が改正され、日雇い派遣(30日以内の短期派遣)は原則禁止となった。その理由について、厚生労働省のホームページでは、「派遣会社・派遣先のそれぞれで雇用管理責任が果たされておらず、労働災害の発生の原因にもなっていたことから、雇用期間が30日以内の日雇派遣は原則禁止になりました」と説明。

■効果を検証し、労働者と企業の双方がメリットを感じられる新たなルール設定が必要なようだ

 しゅふJOB総研の所長、 川上氏の考察を紹介する。

 ①「日雇い派遣原則禁止」の効果について

 「安心して働けるようになった」と回答した人が3.7%、「労働災害が減った」と回答した人は1.2%という結果。最も多くの人が選んだのは「特に成果があったとは思わない」で、51.4%だった。また「雇用が安定するようになった」が4.3%、「正社員の雇用が増えた」が2.6%。この結果から、「日雇い派遣原則禁止」による成果は殆ど見られないと言える。

 ②「日雇い派遣原則禁止」を見直すべきかどうかについて

 「見直すべき」が34.0%、「原則禁止のままで良い」が11.4%だった。最も多かったのは、「わからない」で54.6%。また、日雇い派遣原則禁止の例外要件の一つとして設定されている「世帯年収500万円」に満たない世帯のみで集計すると、「見直すべき」が52.9%、「原則禁止のままで良い」が8.1%。世帯年収500万円未満だと、見直すべきとする声が一層強いことがわかる。

 ③フリーコメントについて

 「日雇い派遣原則禁止」を知らなかったという声も多数寄せられた。派遣社員は全雇用者の3%にも満たず、日雇い派遣希望者となるとその人数かさらに絞られる。そのため、「日雇い派遣原則禁止」は、世間一般においてあまり認識されることがなかったのかもしれない。しかしながら、日雇い派遣で働きたいと希望する人にとって、選択肢が狭まった状態が7年近くも見直されないままとなっているのは辛いものがある。

 日雇い派遣の原則禁止によってどのような成果があったのかを検証し、労働者と企業双方にとってメリットが感じられる新たなルール設定が求められるだろう。

■まとめ

 回答者の約半数が、「日雇い派遣原則禁止」の成果が「特にあったと思わない」と回答した。制度を見直すべきだという声も多い。

 人手不足が深刻な問題となっている昨今、「日雇い派遣原則禁止」の効果を検証した上で、労使双方にメリットがある新たな制度を検討してみてはいかがだろうか。

 

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