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2020年「改正労働者派遣法」の認知度調査。「詳細まで知っていた」はわずか5%

2019.07.31

 日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区)は、派遣労働者の意識と実態を把握するため、「派遣労働者に関する調査」を実施。全国の20歳~69歳の派遣労働者(民間企業勤務)1,000名を対象とした。

 派遣労働者は派遣労働に関する制度や法改正に対しどのような意識を持ち、働く上でどのような実感を持っているのだろうか。

■2020年改正労働者派遣法の内容 「詳細まで知っていた」は5%

 派遣労働者の同一労働同一賃金の実現に向けて、2020年4月に改正労働者派遣法が施行される。

 全国の20歳~69歳の民間企業に勤務する派遣労働者1,000名(全回答者)に、2020年4月1日に労働者派遣法が改正されることを知っていたか聞いたところ、「詳細まで知っていた」のは、全体で 5.2%と低い数値となった。

 世代別にみると、60代が1.4%と最も低く、次いで20代と50代は4.5%に。「詳しくではないが知っていた」も含めた認知率は、全体で 51.4%という結果だ。

■不合理な格差がなくなると「期待する」45%

 この法改正によって、派遣労働者と派遣先の正社員との間の不合理な待遇差はなくなると期待するか聞いたところ、「期待する」は 44.7%、「期待しない」は 13.3%、「わからない」は42.0%となった。

 「期待しない」と回答した人(133名)に、その理由を聞いたところ、
 「結局は差があるままだと思うから」(20代女性)
 「それでは問題が根本的に解決しないから」(30代男性)
 「解雇される原因になるから」(40代男性)
 「制度を作っても罰則がなければ守られないと思うから」(50代女性)
といった回答がみられた。

■派遣社員の2割以上が派遣先の正社員と同じ働き方

 派遣労働者の働き方や待遇は、派遣先の正社員と比べて、現状どのようになっているのだろうか。

 労働時間や業務の内容・責任が、派遣先の正社員と同じかどうかを聞いたところ、【労働時間】と【業務の内容】、【業務の責任】の全項目で「派遣先の正社員と同じ」と回答したのは23.1%と、2割以上が派遣先の正社員と同じ働き方という結果だった。

 項目別でみると、【労働時間】では「派遣先の正社員と同じ」が 54.0%、「派遣先の正社員とは異なる」が46.0%。

 【業務の内容】では「派遣先の正社員と同じ」が 49.2%、「派遣先の正社員とは異なる」が50.8%。

 【業務の責任】では「派遣先の正社員と同じ」が 30.5%、「派遣先の正社員とは異なる」が 69.5%となっている。

 業務の責任については、派遣先の正社員と責任の度合いが異なるというケースが多いようだ。

■正社員と同じ働き方でも「8割以上がボーナスや退職金の支給対象外」

 続いて、通勤手当やボーナス、退職金について、自身が支給の対象になっているか聞いたところ、【通勤手当の支給】では『対象となっている(計)』(「派遣先の正社員と同じ内容・基準で」と「派遣先の正社員と異なる内容・基準で」の合計、以下同様)が 51.8%で半数以上となった。

 【ボーナスの支給】では『対象となっている(計)』が 10.5%、【退職金の支給】では『対象となっている(計)』が 8.4%でどちらも約 1 割にとどまっている。

 働き方における正社員との同異に着目してみると、正社員とすべて同じ人※でも、【ボーナスの支給】は 15.7%、【退職金の支給】は 12.0%と、8 割以上がボーナスや退職金の支給対象になっていない結果となった。

※【労働時間】【業務の内容】【業務の責任】の全項目で「派遣先の正社員と同じ」と回答した人

■派遣社員は駐車場の利用が対象外となっている場合も。

 休憩室や食堂、駐車場といった施設について、自身が利用対象になっているか聞いたところ、【休憩室の利用】では『対象となっている(計)』が 92.9%、【食堂の利用】では『対象となっている(計)』が 81.0%、【駐車場の利用】では『対象となっている(計)』が 65.1%であった。

 施設利用の点では、派遣労働者であっても多くが対象となっているものの、対象外となっているケースもあることがわかる。働き方における正社員との同異に着目してみると、正社員とすべて同じ人は、【駐車場の利用】では『対象となっている(計)』が 77.7%と、全体に比べて差がみられた。

■その他制度の利用は、派遣社員も利用できるところが約半数

 その他の制度として、慶弔休暇の取得や教育訓練、健康診断についても聞いたところ、【慶弔休暇の取得】では『対象となっている(計)』が 51.4%、【教育訓練】では『対象となっている(計)』が 50.7%、【健康診断】では『対象となっている(計)』が 62.5%となった。

 働き方における正社員との同異に着目してみると、正社員とすべて同じ人は、【教育訓練】では『対象となっている(計)』が 58.1%、【健康診断】では『対象となっている(計)』が 67.4%と、全体に比べて差がみられた。

■「2015年の労働者派遣法の改正」半数以上の人が雇用安定措置を講じられていない結果に。

 派遣先の同じ職場(グループや課など)に継続して 3 年間派遣される見込みとなった場合、派遣労働者が働き続けることを希望するときは、派遣元(派遣会社)は雇用安定措置を講じる必要があることが 2015年の労働者派遣法の改正で定められている。

 労働契約期間の定めがあり、派遣期間が3年以上の人(145 名)の実施状況をみると、「いずれも講じられていない」が 64.1%と、半数以上の人が雇用安定措置を講じられていない結果となった。講じられた雇用安定措置では、「派遣元での無期雇用」が 15.2%と最も高い。

 実施状況と希望状況を比べると、「派遣先への直接雇用の依頼」において、実施状況は 7.6%、希望状況は14.5%と差がみられた。

■計画的な教育訓練の実施は25%

 また、派遣元(派遣会社)は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、計画的な教育訓練や希望者に対するキャリア・コンサルティングを実施する必要があることが2015年の労働者派遣法の改正で定められている。

 全回答者(1,000 名)に、自身が契約している派遣元(派遣会社)は、計画的な教育訓練を実施しているか聞いたところ、「している」は 24.7%、「していない」は 33.0%と、未実施が多い結果となった。

■法改正や制度についての認知経路 いずれにおいても「派遣元からの説明」は半数以下

 労働に関する法改正や制度について知っていた人に、そのことを何から知ったか聞いたところ、「マスコミ(テレビや新聞報道など)」と並んで、「派遣元(派遣会社)からの説明」が高い結果となったものの、いずれにおいても「派遣元(派遣会社)からの説明」は半数以下となった。

■賃金面での不満や不安が多く「給料が上がらない」45%、「給料が安い」44%

 全回答者(1,000 名)に、現在、派遣社員として働いていて感じる不満や不安を聞いたところ、全体では、「給料が上がらない」(44.7%)が最も高く、次いで、「給料が安い」(44.4%)、「いつ解雇されるかわからない」(27.6%)となった。

 世代別でみると、全世代で「給料が上がらない」「給料が安い」が高く、年代に関わらず賃金面で不満や不安を抱えている人が多いことがわかる。

 一方、「いつ解雇されるかわからない」は、50代が 33.6%、20代が 9.0%と、年代によって大きな差があるようだ。

■まとめ

 2020年に改正される「労働者派遣法」。その内容について認知度はあまり高くないようだ。認知経路もマスコミからが多いという結果にある通り、会社からの説明がまだない企業も多いようだ。

 派遣社員も正社員と同じように戦力となっているはずだ。貴重な人材のモチベーションを下げることのないよう対策が必要だといえる。まずは、様々な制度について企業側が正しく理解し、従業員へ周知していくことが必要ではないだろうか。

■調査概要

◆調査タイトル :派遣労働者に関する調査 2019
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の20歳~69歳の派遣労働者(民間企業勤務)
◆調査期間 :2019年6月13日~6月20日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル(男性400サンプル 女性600サンプル)
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社
◆日本労働組合総連合会調べ

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