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テレワーク利用に「特別な理由」が必要?オリンピックに向け、多彩な働き方は実現できるか。

2019.09.06

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催まであと1年を切り、東京都や政府は大会に向けた準備を本格化している。これに関連して、政府は東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の交通混雑緩和に向け、7月22日から9月6日の約1ヵ月間をテレワーク・デイズ2019実施期間と設定し、テレワークの一斉実施を呼びかけている。

 また、多様な働き方を実現する働き方改革の切り札としても関心を集めているテレワーク制度。テレワーク・デイズの実施期間も終盤に差し掛かっているが、労働者たちにテレワークという働き方は広まっただろうか。

 そこで、総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区)は、全国の転職希望者413人を対象に、【テレワーク】についてアンケート調査を実施した。

■テレワーク・デイズ2019実施前とほぼ変わらぬ結果に

■テレワーク・デイズ2019実施前とほぼ変わらぬ結果に

 現在の会社(直近の会社)はテレワークを導入しているか聞いたところ、「いいえ」と回答した人が68.8%、「わからない」と回答した人が13.1%、「はい」と回答した人が18.2%となった。

 今年3月、国土交通省が発表した「平成30年度テレワーク人口実態調査」では、勤務先にテレワーク制度等が導入されていると回答した人の割合が19.8%と報告しており、本調査の結果とあまり相違ないことから、テレワーク・デイズ2019実施前と現状を比較して結果はあまり変化していないことがわかる。

■テレワーク導入企業は実施に積極的!しかし対象者は一部社員と回答した人が約60%

■テレワーク導入企業は実施に積極的!しかし対象者は一部社員と回答した人が約60%

 現在の会社(直近の会社)はテレワークの実施に積極的か聞いたところ、「非常に積極的」、「やや積極的」と回答した人が合わせて80.0%となった。

 一方で、「積極的ではない」、「まったく積極的ではない」と回答した人は合わせて20.0%おり、中にはテレワークを導入していても名ばかりの制度になっている企業もあるようだ。

 さらに、どんなときにテレワークが認められているか聞いたところ、いつでも認められているといった回答が目立ったほか、
・「1ヵ月に4回までテレワーク可能」(20代・女性・営業)
・「水曜日は奨励曜日となっている」(40代・女性・管理)
といった、会社で定められた日数や曜日などに従えばテレワークが可能であるといった回答がいくつか見られた。

また、
・「災害、インフルエンザなど出勤困難な状況のとき」(40代・男性・システムエンジニア)
・「妊婦やけがなどで通勤困難な事情がある人のみ」(40代・男性・その他)
といった、通勤や出勤が難しい場合のみ制度を利用できるといった意見も挙がり、テレワークは特別な理由がないと利用できない制度だと考える企業や人がまだまだ多いことがうかがえる。

■約90%がテレワークの経験なし!テレワーク導入率の低さが明らかに

■約90%がテレワークの経験なし!テレワーク導入率の低さが明らかに

 これまでにテレワークをしたことがあるか聞いたところ、87.9%が「いいえ」と回答し、「はい」と回答した人はわずか12.1%だった。

 約90%の人がテレワークをしたことがないと回答していることから、まだまだテレワークは定着していないことがうかがえる。

■テレワークのメリット

 上記の質問で「はい」と回答した50人にテレワークで仕事をするメリットを聞いてみた。
・通勤による疲労がない(40代・女性・システムエンジニア)
・家庭と両立ができる(30代・男性・コンサルタント)
・体調や気候に関係なく業務ができる(40代・女性・システムエンジニア)
・自分のペースで仕事ができる(20代・女性・営業)

■テレワークのデメリット

 一方、デメリットとしては以下のような回答が挙がった。
・同僚との簡単な確認行為がしづらい(40代・女性・運輸交通)
・チームスタッフや上司との連携がしにくい時がある(40代・男性・管理)
・自分で集中力を保つ必要性がある(30代・男性・企画マーケティング)
・楽をしているとか、仕事をしていないというイメージの払拭に力を使う(40代・女性・管理)

■テレワークをしたいと回答した人が70%以上!理由は多様な働き方への関心度の高さ

■テレワークをしたいと回答した人が70%以上!理由は多様な働き方への関心度の高さ

 対象者に、テレワークをしたいと思うか聞いたところ、「思う」、「どちらかといえば思う」と回答した人が合わせて73.6%、「思わない」、「どちらかといえば思わない」と回答した人が合わせて26.4%となった。

■テレワークをしたいと思う理由

・通勤時間がなくなれば、スキルアップや私生活の充実化を図ることができる(20代・男性・システムエンジニア)
・働き方の自由度が広がるため(40代・男性・コンサルタント)
・生活状況に応じた仕事のスタイルをしてみたい(40代・男性・システムエンジニア)
・保育園のお迎えなど、子育てや家族のサポートができるため(30代・男性・システムエンジニア)
・父が半身不随のため介護が必要だが、テレワーク可なら実家からでも仕事ができる(40代・男性・システムエンジニア)

 通勤時間をカットしてプライベートを充実させたいとの意見が多く挙げられ、働き方の多様化を支持する意見も散見され、自分のライフスタイルに合った働き方を望む声が見られた。また、仕事をしながら家族との時間を作れるようになったり、育児や介護の必要があっても仕事に就けたりと柔軟な働き方が容認されることによって働き手の幅も広がると考えられる。

■テレワークをしたくないと思う理由

・仕事とプライベートのメリハリをつけたいから(20代・男性・事務)
・家に仕事を持ち込みたくないから(20代・男性・機械系エンジニア)
・離れた場所ではコミュニケーションが取りにくいため(40代・男性・クリエイター)
・どのような仕事内容なのか分からないから(20代・女性・接客)
・テレワーク自体知らない(40代・女性・管理)

 仕事と生活の境界線が曖昧になるのではないかと懸念している様子がうかがえ、テレワークという働き方自体を知らないといった声も多数見られ、テレワークの認知度の低さを表す結果となった。

■テレワークの導入を検討するペースが労働者の希望に追いつけていない

 政府には東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みだけでなく、働き方改革のひとつとしてテレワークを普及させる狙いもある。しかし今回の調査結果から、テレワークの導入率は極めて低いことが明らかとなった。

 その一方で、テレワーク制度の利用を希望する声が多く見受けられたことから、企業がテレワークの導入を検討するペースが労働者の希望に追いつけていない様子がうかがえる。

 働き方改革が開始され多様な働き方を容認する動きが活発になってきたが、今回の結果を見るとテレワークが定着するまでにはまだまだ多くの時間を要しそうだ。

 7月に東京都で行われた東京オリンピック・パラリンピックに向けた朝の通勤ラッシュ緩和実験では、鉄道利用者はわずか3%の減少にとどまる結果となった。

 しかし今後テレワークが広く普及することになれば東京オリンピック・パラリンピック期間内はもちろん、その後の電車内混雑も緩和され、多くの人感じている朝の通勤ストレスを大幅に解消することができる。また、今まで育児や介護など何らかの理由で働くことができなかった層に対し就業の機会を創出することができ、多様な働き方を選択できる自由度も高まるだろう。

■調査概要

・調査内容 :テレワークについて
・調査対象者:当社利用者
・有効回答 :413人
・調査期間 :2019年8月6日~8月13日

「ワークポート調べhttps://www.workport.co.jp/」

■まとめ

 テレワークを利用するのに、特別な理由がないと利用できない制度だと考える企業や人がまだまだ多いのが現状のようだ。

 オリンピックに向け、多彩な働き方を実現できるよう、企業は残業時間の減少や有給休暇の取得だけでなく、働き方そのものを変える制度の導入を今後求められている。

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