掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

上司を困らせる部下の共通点。人材育成の課題に直面している上司が実践している事は?

2019.09.04

 エグゼクティブ向けの転職・キャリア支援サービスを展開する株式会社 経営者JP(本社:東京都渋谷区)は、管理職以上のエグゼクティブに対して理想の部下に関する調査を実施した。

 働きやすい部下のタイプや部下に求めるスキルなど、リアルな声を紹介する。

■令和時代の理想の部下は「仕事重視タイプ」!

■令和時代の理想の部下は「仕事重視タイプ」!

 働きやすい部下のタイプについて質問すると、「仕事重視タイプ」が最も多く70.0%、続いて「人間関係重視タイプ」が22.0%、「自己重要感重視タイプ」が7.0%という結果になった。

 最も多かった「仕事重視タイプ」を選んだ理由として下記の声があがった。

・結果を求める場合、仕事にモチベーションの源泉がある人材の方が、目標設定→評価がわかりやすいため。
・仕事の目的が明確で目標達成に向けて取組む人間は信頼でき仕事を任せられる。
・人間関係も重視したいがバランスを考えれば仕事重視になります。
・仕事、タスク、いずれにしても何のために、なぜやるのか?という課題設定力、問いを立てる側の視点に立ち協力出来ると働きやすい。

■経営層は実力や実績を重視、部課長クラスは人間関係を重視

■経営層は実力や実績を重視、部課長クラスは人間関係を重視

 役職別に見てみると「仕事重視タイプ」と回答した経営者は86.2%、幹部・役員クラスは77.8%と平均よりも高く、実力や実績を重視している結果になった。一方で「人間関係重視タイプ」と回答した部長クラスは30.4%、課長クラスは31.3%と平均よりも高く、人間関係を重視している部下の方が働きやすいということが明らかになった。

 部長、課長クラスで「人間関係重視タイプ」を選んだ人の理由として下記の声があがった。

・チームワークを発揮するためには、人間関係が一番大事だと考えるため。助け合える、相乗効果を発揮できる。
・組織で働くということは、人間関係を排除しては機能的に結果を出すことができない。 その為、人のタイプを選ばず必要な関係を構築できること、信頼を得られる必要があり、自身の能力はもちろん前提としてあるが、それを周りの前向きな協力のもと結果に結び付けられるかどうかは、人間力にかかっているから。

■部下に最も求めるスキルは「成長意欲がある」が48.0%

■部下に最も求めるスキルは「成長意欲がある」が48.0%

 部下に求めるスキルで重要なものについて質問すると「成長意欲がある」が最も多く48.0%、続いて「コミュニケーション力がある」が44.0%、「責任感がある」が43.0%と上位3つを占めた。

■規模別によって求めるスキルに違い

■規模別によって求めるスキルに違い

 企業規模別に見てみると、「1~29人」の少数精鋭のフェーズでは「設定した目標に対して成果を出す」ことが平均より高く33.3%とそれぞれが成果を出すことが求められている傾向があった。一方「100~499人」の組織化が進むフェーズでは「報告・連絡・相談ができる」ことが平均より高く23.3%と、規模別にも求めるスキルの濃淡があらわれた。

■上司が困っている部下の共通点は、「指示待ち」「文句が多い」「報告が遅い」

■上司が困っている部下の共通点は、「指示待ち」「文句が多い」「報告が遅い」

 理想の部下とは反対に、一緒に働いていて困った部下だと感じたエピソードを質問すると、「言われたことを最小限にやるのが仕事だと思っている守備型の部下や、朝改暮令をすると怒り、“指示がぶれやすい”と文句を言う部下。」という指示待ちの姿勢を指摘する声があがった。他にも「自己中心的な価値観で、報告もなく独善的に物事を進めて行く。」、「報告が遅い。部下が決められるレベルではないのに報告なく進めて、あとで取り返しがつかない事態になった。」などがあげられた。

■上司が課題に感じつつも改善できないのは「創造的な組織づくり」

■上司が課題に感じつつも改善できないのは「創造的な組織づくり」

 部下のマネジメントをする際に気をつけていることを質問すると、「方向性の提示(組織課題の把握や提示)」が最も多く65.0%、続いて「人材育成」が59.0%、「コミュニケーション」が53.0%という結果になった。また部下のマネジメントで感じる課題について伺うと「人材育成」が最も多く45.0%、続いて「創造的な組織づくり」が37.0%、「コミュニケーション」が30.0%という結果だった。

 それ以外にも実践していることについて質問すると以下の声があがった。

・話をきちんと、最後まで聞いてあげること。答えを示すのではなく、部下の中にある考えを引き出してあげること。
・部下を尊重すること。任せるのなら、最後まで任せること。決してマイクロマネジメントはしないこと。
・出来るだけ意思決定のプロセスや会社内の情報をオープンにすること。
・直接的なコミュニケーションによる人対人の関係作り
・自由に発言し、皆の意見を聞き、良いと思えば柔軟に決定事項やプロセスを変更する環境。

■上司が課題に感じつつも改善できないのは「創造的な組織づくり」

■上司が課題に感じつつも改善できないのは「創造的な組織づくり」

 「創造的な組織づくり」は課題に感じつつも実際に気を付けていると回答した人はわずか34.0%。なかなか改善に向けた動きがとれていないことが明らかになった。

■働きやすい部下のタイプや部下に求めるスキルなど、リアルな声

 全体としては、働きやすい部下は「人間関係重視タイプ」よりも「仕事重視タイプ」。人としてのやりやすさよりも、仕事の結果を出してくれる部下を望む、令和の上司の本音が伺える。一方で職位別に見てみると、「社長・役員」は圧倒的に「仕事重視タイプ」であるのに対して、「部長・課長」では「人間関係重視タイプ」の比率が上がっている。

 これは実は、社長・役員の経営層には「仕事重視タイプ」の人が多く、部長・課長の中間管理職層には「人間関係重視タイプ」の人が多いことと相関していると思われる。やはり自分と同じタイプが部下としてもやりやすいということではないだろうか。

 困った部下は「言われたことしかやらない」「受け身」「報告が遅い」「自己中心的」「プライドが高い」などなど、上司の本音が噴出した。思うように動いてくれない部下への上司の日頃のストレス、苦労がうかがい知れる。と、経営者JP総研所長(経営者JP 代表取締役)井上和幸氏は見解を述べている。

■調査概要

・実施期間:2019年7月5日〜2019年7月26日
・調査対象:エグゼクティブの男性・女性(課長職以上・個人事業主含む)
・調査機関:経営者JPメルマガ会員:約7,000名(有効回答数100名)
・調査手法:インターネット調査

■まとめ

 今回の調査では、上司が困る部下は、指示待ちの姿勢であったり文句が多い部下、報告のスピードが遅い部下などがあげられた。また、「人材育成」を部下のマネジメントをする際に気をつけていることの一つとしてあげながらも、課題を感じてもいるという上司たちの苦悩が浮き彫りになった。

 部下をどうサポートしつつ育てるか、というのは一番難しい問題のようだ。管理部門としても、悩める上司たちと部下たちとの関係に改めて目を向けていく必要がありそうだ。

<PR>