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内定者が抱える「入社までの不安」一番フォローするべきことは?

2019.10.03

 近年は採用戦線の早期化により、企業理解の浅い学生にも内定が出ているケースもあり、入社までのフォローアップは年々、重要さを増している。今春入社者が卒業を控えていた春休みの時期に実施した調査データを基に、学生は内定期間中をどのような気持ちで過ごし入社を迎えているのか、また内定後フォローの実態や影響について、株式会社ディスコ(本社:東京都文京区)がアンケート調査を実施した。

■ 入社直前の心境

■ 入社直前の心境

 入社を間近に控えた心境を質問してみたところ、入社予定企業への迷いや不安については、7割強が「ない」
と回答したが(計74.2%)、残りの2割強は入社直前にもかかわらず、迷いや不安を感じていることがわかった。

 入社意欲については3割強(計30.9%)が、内定取得時よりも下がっていた。また、4割近くは「入社後に活躍できる自信がない」と回答するなど、企業には、内定者が安心して入社を迎えられるような工夫が求められている。

■内定期間中の不安

■内定期間中の不安

 内定期間中の不安について質問すると、「不安を感じた」と回答した学生は9割超に上った(91.1%)。

 内定学生の大半が入社まで何らか不安を感じて過ごしていることがわかる。具体的には、「仕事についていけるか」が最も多く(62.4%)、次いで「入社後、人間関係がスムーズにいくか」(61.5%)、「社会人の生活リズムに慣れるか」(60.2%)が僅差で続く。

 学生から社会人へという立場の変化を前に、不安が増していることがうかがえる結果となった。 

■内定後に受けたフォロー

■内定後に受けたフォロー

 入社予定企業から内定期間中に受けたフォローの内容を質問したところ、最も多いのは「内定式」(78.5%)だった。これに「社員との懇談会」(61.0%)が続く。

 実際に受けたフォローのうち入社意欲が高まったものを回答してもらった。

 これを見ると、入社意欲向上への寄与度が高いのは「社員との懇談会」や「内定式」、「人事担当者との懇談会」など対面で行われたもので、特に「社員との懇談会」は参加した学生の多くが、入社意欲が高まったと回答した。

 内定後にどのくらいのペースでフォローを受けたかを質問すると、最も多いのは「1カ月に1回程度(毎月)」で3割強(34.7%)。次いで「2カ月に1回程度(隔月)」24.6%、「3カ月に 1 回程度」23.1%の順だった。

■内定後に出された課題や研修

■内定後に出された課題や研修

 内定後に出された課題・研修の学習内容(分野)について質問すると、最も多いのは「ビジネスマナー」(45.7%)で、他に「社会人としての心構え」も4割を超えている(41.8%)。「資格取得・業界特有の専門知識」が僅差で続いた(39.7%)。

 学習内容については、実際に受けたもののうち「よかったと思うもの」も回答してもらった。最も多いのは「資格取得・業界特有の専門知識」で、受けた人のうち大半がよかったと回答した。

 比較的時間のある入社前に取り組めたことを前向きに捉える学生が多かった。語学の学習や資格取得といった自己啓発に対し、企業側のサポートを望む学生は少なくない。希望者がいれば、企業側から何らかの学習支援があってもよいだろう。

■まとめ

 入社までに不安を感じた内定者は9割を超え、学生から社会人への立場の変化に戸惑いを感じているようだ。

 入社予定企業から内定期間中に人事担当者との懇談会などフォローすることは、入社意欲を高め、学生の内定辞退を防止する策の一つになるようだ。

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