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スタッフ定着率90%を実現した秘策!激務で離職が耐えない美容師の働き方改革

2019.10.15

 美容室「SEPI .A」を展開する株式会社アヴァンセ(本社:兵庫県神戸)は、技術や資格はあっても、子育てや介護などで安定的にシフトに入れず働き先が見つからないという美容師や、子育てが一段落してからもなかなか復帰に踏み切れない元美容師のために、フレキシブルな働き方ができる仕組みを開設した。

 激務で離職が耐えない美容師の働き方改革事例を紹介する。

■開設の意図・現状

 美容師の離職率は厚生労働省の「産業別入職率・離職率」の調べによると、1年目で約50%、3年目で約80%、10年目で約92%とされている。

 離職率が高い原因として、美容師の仕事は激務だからと言われている。

 月間の休日数は平均で6~7日とされており、一般の職業と比較してかなり少なくなっている。サービス業全体と比較してもやや少なめだ。給与も日本人の平均より大幅に安くなるため、ますます激務と感じる美容師が増えてきているようだ。

 厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の調べによると、美容師の平均年収は270万円前後とされている。一方、日本人全体の平均年収は「求人情報・転職サイト doda」の調べでは「29歳で410万円程度」とされている。

 業務内容がハードで休日も少なく、しかも給料が安いとなれば辞めたくなるのも自然かもしれない。特に男性の場合は将来の結婚や育児にかかる費用を考えると美容師を続けたくても辞めざるを得ないという事情もあるようだ。

 株式会社アヴァンセはこの離職率が高い原因を改善して「美容師が朝起きたら行きたい職場作り」を目指し、福利厚生の充実を開始することにした。

■美容師の3K問題

 髪を衛生的に整え、美しくするという、人にとって必要な素晴らしい仕事なのだが、美容師は3Kであると考えられている。

1. きつい 2. 給料が安い 3. 拘束時間が長い

 株式会社アヴァンセはこの3K問題を徹底的に分析し改善することにしたようだ。

■キーワードは『朝起きて行きたい職場作り!』・『毎日が楽しくてワクワクする職場づくり!』

 具体的な結果として、3K問題がおきる原因は「生産性の低さからきていると確信。」そこで株式会社アヴァンセは、月間の生産性をあげる為に、独自な内容を取り入れた。

1.指名制度をなくし、フレキシブルな働き方(2部制及び週休2日制を導入)ができる仕組みを構築。(早番10時~15時・遅番15時~19時)「きつい・拘束時間が長い」を改善、また「リフレッシュ休暇10日」も実現した。

2.月額の定額プレミアムコースを独自に開発し「時短単価アップ。」定額プレミアムコースとは、通い放題。月何回でも来店可能なサービスとなる。月額平均一人あたり売上、導入前57万円のところ、導入後85万円達成。また、給料について最低賃金(法令)のところ時給1,500円を達成した。

 労働環境を改善したことにより楽しいワクワクする職場づくりを構築した結果、3年間でスタッフの定着率90%以上となったようだ。

■まとめ

 「3K」が原因とされている美容師の離職問題。今回紹介した美容師の働き方改革事例では、フレキシブルな働き方が可能な仕組みづくりや売上アップの施策によって月間の生産性をあげ、スタッフ定着率90%を実現できたようだ。

 労働環境を改善することで、従業員のモチベーションもあげ、離職率も低下する。本時事を参考に、自社の労働環境を今一度見直してみてはどうだろうか。