企業が従業員からブラック認定される3つの要因
株式会社ロックシステムは全国1,000人の男女に対し「ブラック企業に関するオンラインアンケート」を実施。「自分の働く企業がブラック企業である」と思っている人は全体の約10%だった。
そのような中で、労働者がブラック企業と感じる3大要素は何なのか。アンケート結果を紹介する。
■ブラック企業と労働者が感じる要因
ブラック企業に関して、特にはっきりとした定義はないが、今野晴貴氏によると「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」がブラック企業だと定義されている(wikipedia参照)。
今回、全国的にブラック企業に対するオンラインアンケートを行ったところ、アンケート結果からブラック企業と労働者が感じる要因として、3つの意見が多く見られた。
長時間労働…例:残業、休日出勤、8時間を超える労働など
賃金が十分ではない…例:サービス残業がある、仕事量が増えても給料が変わらないなど
上司に問題がある…例:上司が尊敬できない、えこひいき、いじめがあるなど
■10人に1人が自分が働いている会社をブラック企業と感じている
「貴方の働いている企業はブラック企業と思いますか?」と質問したところ、はい…103人、いいえ…596人、わからない…301人と、自分の働く会社をブラック企業と思っている人の割合は約10%だった。
労働者の10人に1人が自分が働いている会社をブラック企業と感じている結果となった。
■貴方の働いている企業はブラック企業と思いますか?(都道府県別)
都道府県別に、「貴方の働いている企業はブラック企業と思いますか?」と質問すると、自分が働いている企業をブラック企業と思う、都道府県別の割合は神奈川、東京、愛知大阪と都市部の回答者が「はい」と答えた数が多かった。
■ブラック企業と感じるのは女性の割合が高かった
ブラック企業と感じると答えた割合は、女性は女性全体の12.84%、男性は男性全体の8.49%だった。
男性よりも女性のほうがブラック企業と感じる割合は高かった。
■ブラック企業と思う理由
「ブラック企業と思う理由は?」何か質問したところ、給与・手当等に関するもの…37人、働く時間に関するもの…36人、上司に関するもの…16人、その他…32人だった。
解答例の一部として、
・1日14時間労働だから
・正社員でない上、業務手当がないのに経理などの細かい事務作業も押しつけられる
・パワハラがひどく、辞めていく人が多い。歓迎会をしたらすぐに送別会
・昼休みが15分くらいしか取れないにも関わらず、出勤簿は60分と書いて帰宅時間で調整
・残業が付かない、パワハラが蔓延しているから
・賃金が一定の時間でしか払われない仕事が増え勤務時間が増えても無料奉仕
・えこひいきや派閥があり、いじめがある
その他にも「人手不足で忙しい」「労働基準法を守らない」「雇用契約の内容が面接時と入社時で違った」などの意見も見られた。
■ブラック企業のイメージについて
・残業が多い
・残業代が支払われない
・従業員を大切にしていない
・仕事がきつい割には給料が安い。勤務時間が長い
・ひどい会社、ひどい上司、ひどい社風
アンケート回答者全員に聞いたブラック企業のイメージでも「長時間労働」や「低賃金」というイメージをブラック企業に対して持っている意見が多い。
その他には「何をもってブラック企業なの?」というブラック企業に対しての定義が曖昧である指摘や「大半の中小企業はそんなもの」「だいたいブラック企業でしょ?」という諦めのような指摘もみられた。
■まとめ
労働者はブラック企業か否かについて、「長時間労働」「低賃金」「上司との不仲」で判断している割合が高いようだ。
逆に言えば自社をホワイト企業(ブラック企業の対義語)とするためには、「労働時間の適正化」「満足できる十分な賃金」「上司と部下の関係構築」がヒントになりそうだ。