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管理職以上が考える「ボスに必要な要素」

2019.10.31

 エグゼクティブ向けの転職・キャリア支援サービスを展開する株式会社 経営者JP(本社:東京都渋谷区)は、管理職以上のエグゼクティブに対して「ボスの理想と現実」に関する調査を実施した。

 管理職以上の男女約 7,000 名(有効回答数94名)を対象に調査した、理想のボスの姿や、自身のリーダーシップタイプ、嫌いなボス像などのリアルな声を紹介する。

■「変革者型」リーダーシップのボスが最も多い39.4%

■「変革者型」リーダーシップのボスが最も多い39.4%

 自身のリーダーシップスタイルについて質問したところ、「変革者型」との回答が最も多く39.4%だった。
組織の方向性を示し、大胆に組織改編を行ない競争や学習を促すことで組織変革するという特徴がある。続いて「調整者型」が31.9%。これは強調や一体感を促すことで組織を牽引する特徴がある。

■経営者は「トップダウン型」が平均より多い

■経営者は「トップダウン型」が平均より多い

 役職別に見てみると、経営者は「トップダウン型」が平均より多く14.3%。これは中央集権的に権力で組織を率いる特徴がある。また、課長クラスは「支援者型」が平均より多く28.6%。これは個人を支援してメンバーの能力を引き出す特徴があり、上司を見た反面教師で支援型を意識するリーダーが多いとも読み取れる。また、「変革者型」の中では幹部・役員クラス、部長クラスが平均より高い結果となっており、中間管理職層の組織の変革に対する危機意識の高さが伺える。

■これまでの人生で、あなたが最も尊敬しているボスとその理由は?

■これまでの人生で、あなたが最も尊敬しているボスとその理由は?

 これまでの人生で、あなたが尊敬しているボスとその理由について質問したところ、実在する人物の中で最も多かった回答は過去一緒に働いた社長、上司だった。

 続いて多かったのが京セラ創業者の稲盛和夫氏、リクルート創業者の江副浩正氏、パナソニック創業者の松下幸之助氏という結果になった。京セラの創業者でもあり、日本航空の再建を手掛けた稲盛和夫氏はまさに変革者型リーダーシップであり、組織の方向性を示し、大胆に組織改編を行ない競争や学習を促すことで組織変革した経営者と言える。

■ボスとして大切な姿や言葉を残している理想のボス

■ボスとして大切な姿や言葉を残している理想のボス

 歴史上の人物や架空人物の中での理想のボスを質問したところ、ピ―ター・ドラッカー、坂本龍馬、織田信長といった回答が目立った。
 
 今の時代にもボスとして大切な姿や言葉を残しているからこそ、いつまでも理想とされ目標にされる存在なことが読み取れる。

■ボスに必要な要素は「ビジョン、ミッションを持つ」ことが83.0%!

■ボスに必要な要素は「ビジョン、ミッションを持つ」ことが83.0%!

 ボスに必要な要素とはなにか質問したところ、「ビジョン、ミッションを持つ」が83.0%、「信頼関係の構築」が57.4%、「傾聴する力」が51.1%という結果になった。

 上位3つはいずれも支援者型リーダーの特徴であり、今後のリーダーシップスタイルは支援者型へとシフトしていく傾向が伺える。

■自らが強化したい力

■自らが強化したい力

 自身に焦点をあてて、自らが強化したい力はなにか質問したところ、「学び続けること」が56.4%、「ビジョン、ミッションを持つ」と「組織の統率力」が37.2%という結果になった。

 ビジョン、ミッションを持ち方向性を示すことは重要だと感じていてもなかなか実践できずにおり、強化していく必要性を感じるボスが多いことがわかる。

■今後目指すのは信頼されるボス!

■今後目指すのは信頼されるボス!

 自身のボス像について質問したところ、部下に対してもフラットに接する「ボスらしくないボス」や「現場目線に立てるボス」、「親しみがあり話しかけやすいボス」などの回答が目立った。その理由としては、肩書や役職にこだわらない、部下の目線に立っている、日常的なコミュニケーションができているなどの回答が多く、トップダウン型ではなく、部下とのフラットな関係性が築けていると読み取れる。

 尊敬できないボスの姿について質問すると、「感情的」や「自己中心的」、「他責」などの声が多くあがった。

 いずれも過去に関わっていたボスから感じた意見が多く寄せられた。

 これからなりたいボス像について質問すると、キーワードとして多く出ていたのは「信頼されるボス」や「挑戦し続けるボス」、「影響力のあるボス」などという結果になった。

■ボスの悩みは「孤独」と「責任の重さ」

■ボスの悩みは「孤独」と「責任の重さ」

 自身がボスでよかった場面・つらかった場面について質問すると、よかった場面では「自分で決断して行動できること」、「部下が成長し、成果をあげたとき」という回答が多くあがった。

 一方でつらかった場面は「特にない」という声も目立ったが、「責任が重いこと」や「孤独であること」、「部下の成長を感じられない」などボスならではの悩みが明らかになった。

■部下のマネジメントについて具体的な悩み

■部下のマネジメントについて具体的な悩み

 部下のマネジメントについて具体的な悩みを質問したところ、「部下のパフォーマンスが向上しない」との回答が39.4%と最も多く、続いて26.6%が「プレイングマネジャーでもあるため業務量が多い」、21.3%が「部下の人事評価が難しい」という結果になった。つらかった場面ともかぶるように、部下の成長や成果に課題感を持っているボスが多いことが明らかになった。

■調査概要

・実施期間:2018年9月21日〜2018年10月16日
・調査対象:エグゼクティブの男性・女性(課長職以上・個人事業主含む)
・調査機関:経営者JPメルマガ会員:約7,000名(有効回答数94名)
・調査手法:インターネット調査

■まとめ

 管理職以上が考える「ボスに必要な要素」は、「ビジョン、ミッションを持つ」が83.0%と高い結果だった。反面、自らが強化したい力として、「ビジョン、ミッションを持つ」を挙げた人も37.2%という結果で、ビジョン、ミッションを持ち方向性を示すことは重要だと感じていてもなかなか実践できずに強化していく必要性を感じているボスが多いようだ。

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