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面接前に“同じ釜の飯を食う” 採用でのミスマッチでの離職を防止するユニーク採用

2019.11.06

 INTLOOP株式会社(本社:東京都港区)では、中途採用に『釜飯採用』というユニークな制度を設けている。

 本制度は2017年からスタートし、これまで15名が応募、4名が入社している。『釜飯採用』を経て入社した社員の満足度は高く、入社後のミスマッチを防ぐことにつながっているようだ。

■自分らしい働き方を模索する人が増えた現代、ミスマッチが理由で辞める転職者

 厚生労働省『平成30年雇用動向調査』によると、前職を辞めた理由を「仕事の内容に興味を持てなかった」「能力・個性・資格を生かせなかった」などと回答した20・30代の転職者は、男女共に他の世代と比較し多くなっている。

 その背景には、働き方改革により「自分らしい働き方」を模索する人が増えていることがある。企業説明会や面接の情報だけではミスマッチを防ぐことができず、せっかく採用しても短期間で離職してしまうケースも多く発生している。

 多くの企業にとって、採用でいかに会社と候補者のミスマッチを少なくするかということが課題となっている。

■会社の課題もざっくばらんに。一緒に食事をしながら、転職希望者と社員が話をする『釜飯採用』

 『釜飯採用』は、面接に進む前に、転職希望者が社員、場合によっては役員や代表と一緒に食事をしながら話をすることができる制度。転職希望者と社員がフランクに、会社や仕事、時にはプライベートの話まですることで、相互理解を深めることを目的としている。本制度は、同社の採用担当者が「食事をしながらオファー面接をすると、内定承諾率が高い」ことに着目し、2017年2月より開始した。

 転職希望者は、それまでのキャリアに照らし合わせて次の職場を選ぶことがほとんどだが、形式的になりやすい面接の場では、「転職希望先の企業の課題に自分が貢献できることはあるか」「これまでの職場と比較し、働きがいの実状はどうか」をなかなか確認することが出来ない。

 『釜飯採用』では、現場社員とざっくばらんに話をすることにより、会社の良いところ、入社したら直面するであろう課題などを理解し、納得した上で入社をすることが可能。応募者の能力・志向、当社への理解をより深く確認することができるため、双方のミスマッチはほとんどないと感じているようだ。これまでの釜飯採用で入社した社員は、中途採用ならではの経験と能力でリーダー的存在となって働いているようだ。

■『釜飯採用』中途入社社員の声

村井氏(営業部長) 営業本部 札幌支社勤務
 「前職で9年働き、40歳になる節目に新しい事にチャレンジしたいと思い『釜飯採用』に応募。事業推進本部の部長クラスの方とお酒を飲みながらお話ししました。和気あいあいとした空気の中で、会社としての将来的なビジョンや展望を直接聞けたことや社員・社風のイメージが具体的になったところがよかったと思っています。札幌オフィスを立ち上げ、新しい経験ができることが魅力で入社を決めましたが、働きはじめてからも認識に齟齬がなかったため、釜飯採用に応募してよかったと思います」

石館氏 (営業メンバー)営業本部 札幌支社勤務
 「求人に魅力を感じてHPを確認したところ『釜飯採用』を見つけ、いきなり面接するのではなく、気軽に聞きたいことを社員に聞けるのではないかと思い応募しました。ランチでお話を伺いましたが、普通の面接と違って、『釜飯採用』では個人としての現場の生の声を聞くことができます。札幌オフィスをどうしていきたいのか、どういう会社で今後どうしていきたいのかなどについて、個人のビジョンも聞けてよかったです。入社してもその時聞いた話のままなので、ミスマッチがありませんでした」

下城氏(社内システムプロジェクトマネージャー) 東京支社勤務
 「当時フリーランスを目指しており、本当はフリーランサーの実態のお話を伺うために『釜飯採用』に応募したのですが、役員と代表と話をさせてもらうことで考えが変わり、選考に応募することに決めました。大手企業の部長職も内々定をもらっていましたが、代表・林のビジネスパーソンとしての魅力が大きな決め手となって入社を決めました。書類審査に応募してしまうと一発応募になりますが、事前に会社の抱えている課題、方向性、自分に期待されていることを聞けたたことで、納得感をもって選考応募、入社への意思を固めることができました」

■まとめ

 候補者が採用できても、ミスマッチによって早期退職することになってしまうと、採用にかけた労力やコストがすべて無駄になってしまう。
 社員、役員などと一緒に食事をしながら話をすることができる「釜飯採用」制度は、仕事のイメージや社風をより具体的に伝えることができ、互いに納得した上で選考を進めることができるようだ。
 採用活動をスムーズに進めていくことに課題がある企業は、このような制度を検討してみてはどうだろうか。

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