飲食店の働き方改革を促進。人材適正評価から業務量の見える化までできる、業務を約50%~100%削減する新サービスとは?
株式会社AliveCastは2019年11月5日(火)、自社で開発・提供しているシステムExOrder(エクスオーダー)の機能拡張版をローンチした。
飲食店の人材不足解消と人材の適正評価による働き方改革への貢献を目指していくようだ。
■客の端末での注文・決済実用化で人手不足に対応し、人材の適正評価で働き方改革を実現
【人手不足解消】
ExOrder新システムの導入により、将来的にはホールスタッフ無人化を目指している。現時点では、注文・決済のシステムまで完成し、客のスマートフォンで会計だけでなく注文も同時に完了(キャッシュレス・オン・デリバリー)することから、ペーパーレスやレジ不要の業務削減機能まで提供可能となり、約50%の業務量削減に成功した。
【人材適正評価】
今まで困難だったスタッフの業務処理能力をデータ化するため、注文・調理・配膳をすべてデジタルワークフローに落とし込むことに成功した。よってこれまで勤務歴でしか評価できなかった昇給システムが改善でき、人材の適正評価による優秀なスタッフの離職防止が可能となる。
■実店舗にて、効果測定と全5回の実証実験
<効果測定・実証実験会場>
居酒屋「竹乃屋」吉塚店 (※九州にて同名店を26店舗展開) 席数150席
<目的>
実店舗での導入実験で次の3点を検証
1.ホールスタッフの業務負担軽減
2.スタッフの業務処理能力データ化
3.消費者の顧客満足度向上
<測定方法>
1.従来のオーダー方法で1顧客あたりのスタッフ業務を顧客行動フローごとに計測。ExOrderシステム導入での業務量削減割合を算出する。
2.ExOrderシステムにてスタッフ業務量が分かるデータの引き出しが可能か検証する。
3.スタッフ呼出から到着までの時間を計測し、ExOrderシステム導入で削減される待ち時間を算出する。
■効果測定結果
ホールスタッフの業務負担軽減
上記のように、注文・会計業務が不要になったことで、客1組当たり289.4秒の業務時間を削減できることが判明した。これは全体業務量の49.5%であるため、ExOrderシステムの導入でこれまで必要だったスタッフの半数で店舗運営が可能であるという検証結果が出た。
将来的にはExOrderシステムに席案内機能を設け、配膳・片付けをセルフサービスにすることで、ホール業務ゼロ化を目指す。
スタッフの業務処理能力データ化
キッチンプリンター等を廃止することにより、注文・調理・配膳をすべてデジタルワークフローに落とし込み「受付~調理の時間」「受付~配膳の時間」を算出することに成功した。スタッフ毎にデータを取り出すことで人事評価の根拠とすることが可能。
消費者の顧客満足度向上
従来のオーダーシステムでは客がスタッフを呼び出して実際にオーダーを始めるまで、平均約20.1秒(※)必要だった。ExOrderシステムの導入により、注文のための待ち時間がゼロになることから、顧客満足度の向上が期待できることが判明した。また、実証実験に参加した客の声により「リアルタイムで注文状況(受付・調理中・配膳済み)が分かる」という点に最も高い評価を得たことが分かった。
(※居酒屋「竹乃屋」にて実証実験と同条件の17時~20時に測定。約20組計測した際の平均値を算出。)
■スマホ注文・決済システム ExOrder(エクスオーダー)
ExOrderは、スマートフォンを使って専用の連動アプリでQRコードを読み取るだけで、注文・決済が完了するシステム。これまで物販や電子チケット販売のシステムとして採用されている。今後、この新サービスを利用することにより、ホールスタッフの業務量が最大50%~100%削減可能となりそうだ。
■「キャッシュレス・オン・デリバリー」による注文から配膳までの流れ
1.客がテーブル上のQRコードをスマホで読み込むと、メニューが表示される。表示されたメニューから商品を選択し、注文ボタンを押すと注文が完了。厨房タブレットへ調理指示が送信される。この時点で決済が完了しているため、退店時の会計が不要となる。
2.客の注文がキッチンのタブレット端末に表示され、スタッフが調理する。調理が完了したら厨房スタッフが端末を操作し、ホールスタッフの端末へ配膳指示が送信される。
3.ホールスタッフがデシャップ専用端末で配膳指示を受信し、客に商品を配膳する。配膳完了時に同端末を操作することで、配膳から配膳完了までのデータが保存される。
■まとめ
多くの飲食店で深刻な問題となっている、人手不足。解決の一手としてさまざま働き方改革を模索しているのではないだろうか。
今回紹介した事例では、業務を約50%~100%削減できたという実験結果も示されており、課題改善に一定の効果が得られたようだ。このようなサービスの導入も視野にいれてみてはどうだろうか。