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約6割が感じている、「テレワーク時の不安」とは?

2019.11.08

 チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくするツール「Backlog(バックログ)」「Cacoo(カクー)」「Typetalk(タイプトーク)」を運営する株式会社ヌーラボ(本社:福岡県福岡市)は、プロジェクト管理ツールの「Backlog」ユーザーを主な対象とした「テレワーク時のセキュリティ対策に関する調査」を実施した。

 2020年に行われる世界的スポーツイベントを前に、政府や東京都が中心となり推進しているテレワーク。実施が進む一方で、約6割が感じている「テレワーク時の不安」とは一体何なのだろうか。声を紹介する。

■72.2%の職場でテレワーク実施。一方で59.6%が「テレワーク時のセキュリティに不安がある」

■72.2%の職場でテレワーク実施。一方で59.6%が「テレワーク時のセキュリティに不安がある」

 働き方改革や生産性向上の文脈で推進されているテレワークは、実際にどの程度実施が進んでいるのだろうか。「テレワークを実施している・あるいは試験的に実施している」「テレワークを実施していない」の二択選択式で質問をした。その結果、「テレワークを実施している・あるいは試験的に実施している」を選択した回答者は72.2%だった。

 この結果について、アンケートの主な対象者が、オンラインでの情報共有を容易にする「Backlog」ユーザーであるため、そもそも職場が対面での情報共有を必須としていない・テレワークに積極的である割合に高い数値が出やすいと考えられる。

 一方、テレワーク時のセキュリティに不安があるかについて質問したところ、「不安がある」「少し不安がある」と回答した割合は、合計で59.6%にのぼった。

 また、「テレワークを実施している」と回答した人のみに絞り「テレワーク時のセキュリティについて不安があるかどうか」の回答を見ても、この割合にはほとんど違いが見られなかった。

 これらの結果から、テレワーク推進の潮流に後押しされ、すでにテレワークの実施に踏み出している企業は全体的に増えているものの、働く人の「テレワーク時のセキュリティ不安」は解消されていないのではないか、と考えられる。

■個人のセキュリティ対策よりも、職場のセキュリティ対策に問題意識?

■個人のセキュリティ対策よりも、職場のセキュリティ対策に問題意識?

 次に、「あなたの職場のセキュリティ対策には問題があると思いますか?」「あなた個人のセキュリティ対策には問題があると思いますか?」についてもそれぞれ質問をした。職場のセキュリティ対策について「問題がある」「少し問題がある」と回答した割合は50.5%だったことに対し、個人のセキュリティ対策について「問題がある」「少し問題がある」と回答した割合は36.6%と、差が認められた。

■具体的な対策として「意識向上」「ルール整備」などが期待される一方、「利便性の確保」も重要か

 これまでの回答を踏まえ、テレワーク時のセキュリティについて、具体的にどんな不安があるかを自由記述式(任意回答)で質問したところ、下記のような回答が得られた。(一部抜粋)

 <セキュリティ意識>
・社内のセキュリティに関する意識が低い(カスタマーサポート/35歳~39歳)
・リテラシーの低い同僚がパスワードを付箋などで貼り付ける(事務・総務/35歳~39歳)
・人によってセキュリティ意識にばらつきがある(広報/25~29歳)


<セキュリティに関するルール>
・セキュリティで守るべきデータの定義が曖昧(その他エンジニア/40歳~44歳)
・対策がほぼないことが不安(システムエンジニア/30歳~34歳)
・具体的な規定が定められておらず、個々人の判断に委ねられている(ディレクター・マネージャー/40歳~44歳)

<ネットワーク関連>
・社外で公共Wifiを使ったアクセスによる情報漏洩等を懸念(コンサルタント/50歳~54歳)
・VPN利用前提となるWifi接続環境の安全性(インフラエンジニア/50歳~54歳)
・社用Wifiルータ等はない為個人用のを利用する場合がある(システムエンジニア/25歳~29歳)

<デバイスの紛失>
・ノートPC自体を物理的に紛失する/盗難されることへの根本的な対策が無いことが不安(ディレクター・マネージャー/35歳~39歳)
・PCや業務用のモバイルデバイスの紛失が心配(システムエンジニア/~24歳)
・デバイスの紛失時、どこまでを”漏洩のリスク”と考えるべきか(ディレクター・マネージャー/45歳~49歳)

<画面の覗きこみ>
・カフェとかでしているときに画面が丸見えになる。お手洗いに席を立つときにPCにスキができる(デザイナー/35歳~39歳)
・単純にカフェなど不特定多数の人がいる場合の危険性(ディレクター・マネージャー/30歳~34歳)
・自宅以外で業務対応時に、誰がみているか分からない(ディレクター・マネージャー/25歳~29歳)

<利便性の損失>
・セキュリティが厳重過ぎて利便性にかける(ディレクター・マネージャー/30歳~34歳)
・セキュリティは利便性とのトレードオフかと思うのだが、やりづらくならないか(システムエンジニア/35歳~39歳)
・開発効率の低下に繋がる対策をされること(システムエンジニア/40歳~44歳)

<漠然とした不安>
・セキュリティに関しては漠然とした不安はあるし、なにをしているから完全というのはないと思う(その他エンジニア/50歳~54歳)

 セキュリティ意識の向上を目的とした研修や啓蒙活動、ルールの整備と運用、ネットワーク整備などのセキュリティ対策が期待される一方、「利便性の損失は避けたい」との意見も多く見受けられた。

■まとめ

 働き方の多様性の拡がりや、総務省などが働きかける試みにより、これまで以上に推進されていくと考えられる「テレワーク」。

 実践を図る職場も増えていくなか、実際に働く社員が「置いてけぼり」な状態にならないよう、企業側は、研修やルール整備も同時に進める必要がありそうだ。

 一方で、社員一人ひとりがセキュリティ意識を持ち、常に「自分の行動はセキュリティインシデントのリスクを最小限にできているか?」と問う姿勢も重要だと言えるだろう。

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