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育児休暇制度を利用する際の懸念点。男女共にNo.1の理由は?

2019.11.14

 人材育成コンサルティングを手がける株式会社リノパートナーズ(本社:東京都千代田区)は、組織で働く男女社員を対象に実施した「女性活躍推進 2.0 実態調査 2019」のアンケート調査結果を、2019年10月25日(金)より公開し、男女別データの分析結果について11月7日(木)に発表した。

 分析結果からは、男女の意識の乖離(かいり)が見えてきた。

■回答者の属性は、主に技術系会社の大企業

■回答者の属性は、主に技術系会社の大企業

 2016年に「女性活躍推進法」が施行され、2019年5月にその一部を改正する法律が成立するなど、女性の職場での活躍推進を企業に義務付ける一連の流れの中で、企業内での女性の活躍に対する意識や本音を具体的に明らかにしたいと実施した。

 本調査の回答協力企業の業界分布は、「ソフトウェア・通信会社」(50%)、「メーカー」(17%)、「サービス・インフラ」(8%) となっており、全体の75%が技術系の企業で占められている。また、回答者を規模別に見ると、「1,000人規模」(67%)が 最も多く、次いで「5,000 人規模」(22%)、「300 人規模」(11%)となっており、主に大企業で働く男女会社員の回答となっている。

■女性活躍推進の法改正については、男女共に8割超が関心を示している

■女性活躍推進の法改正については、男女共に8割超が関心を示している

  女性活躍推進の法改正に関する関心度については、男女ともに「興味がない」(16%)にとどまっており、8割以上が興味 関心を示している結果となって、男女差は見られなかった。

■女性より男性の方が女性活躍推進に対しては比較的ポジティブに捉えられている

■女性より男性の方が女性活躍推進に対しては比較的ポジティブに捉えられている

 女性活躍推進の印象については、男性が「ポジティブなイメージ」(53%)と捉えている一方で、女性は「どちらでもない」 (47%)、「ネガティブなイメージ」(14%)と回答した人が6割超となっている。自由回答では、男性は「女性活躍が企業利 益にまで繋がっていない」という経営視点で捉えている一方、女性は自身の置かれた状況に対する個人的な意見が多い傾向にあり、男女間における視座の高低差が垣間見える結果となった。

 男女の女性活躍推進に対するイメージを男女別に分析すると、「女性、女性」と言われることに辟易している女性がいる一方、男性は比較的女性活躍推進についてポジティブなイメージを持っていることが数値からわかった。

■育児休職制度利用の懸念点。男女ともに「長期間休職すると仕事についていけなくなりそう」が第1位

■育児休職制度利用の懸念点。男女ともに「長期間休職すると仕事についていけなくなりそう」が第1位

 女性の活躍推進の一つとなる、育児休職制度について利用時の懸念点について聞くと、男女ともに第1位は「長期間休職すると仕事についていけなくなりそう」(女性288 回答、男性389 回答)、2位は「職場の状況がわからなくなり不安を感じそう」(女性277 回答、男性387 回答)と同じ傾向 が見られた。

男女差が見られた回答として、「出世に響きそう」(女性 91 回答、男性 206 回答)、「やりたい仕事に就けなくなり そう」(女性 143 回答、男性 122 回答)という結果が出ており、男性は仕事における価値を「出世」とし、女性は仕事に「やりがい」 を求めているという男女間の仕事に対する価値観の違いが見られた。

■まとめ

 「女性活躍推進法」が施行され、女性の職場での活躍推進を企業に義務付ける一連の流れの中、育児休暇を取得することに対して懸念を抱く人はいまだに存在するようだ。

 企業においても、働きやすい職場環境の整備として、育休復帰後のフォロー体制の強化や多様な働き方の実現に今後も取り組んでいく必要がありそうだ。

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