一般職・役職者の約6割が、総務・人事・経理部門に感謝を伝えられていないと感じている。
「すべてのはたらく人にスポットライトを」をミッションに掲げ、従業員一人ひとりの貢献を可視化し組織課題を解決するサービスを運営するFringe81株式会社の子会社Unipos株式会社(本社:東京都港区)は2019年11月、勤労感謝の日に向けて、20~50代の男女ビジネスパーソン2,096名(20-30代の一般職:1,672名、40代以上の役職者:424名)を対象に、感謝と従業員エンゲージメントとの関係を探る「感謝と仕事に関する調査」を実施した。
本調査により、感謝を言われる頻度が高い人は従業員エンゲージメントも高いことが判明した。
■調査背景
深刻な人材不足に直面する日本企業にとって、一人あたりの生産性向上や従業員の定着は喫緊の経営課題だ。そこで近年「従業員エンゲージメント」という概念が注目を集めている。実際に様々な調査で、従業員エンゲージメントとビジネスパフォーマンスには相関があることが示唆されており、海外の調査では、エンゲージメントスコアが上位25%の企業と下位25%の企業では、生産性や離職率といった数値に大きく差があることが明らかにされている。そこで本調査では、そのような従業員エンゲージメントと職場で感謝を言われる頻度との関係を探った。
■エンゲージメントが高い人は、感謝を言われる頻度が高い人が82.4%
まず、職場で感謝やお礼を言われる頻度について質問した。従業員エンゲージメント別でみると、感謝を言われる頻度が高いと答える人は、エンゲージメント「高」が最も多く82.4%で、エンゲージメント「低」との差は32.3ポイントだった。従業員エンゲージメントが高い人ほど、感謝やお礼を言われる頻度も高い人が多いようだ。
従業員エンゲージメント
職場に対する愛着・信頼の度合いを数値化する指標「eNPS(Employee Net Promoter Score)」を参考に、「現在の職場で働くことをどの程度、友人・知人におすすめしたいか」について11段階で聴取。なお、同指標と同様に「批判者:0~6、中立者:7~8、推奨者:9~10」とし、ここでは従業員満足度エンゲージメント「低:0~6、中:7~8、高:9~10」とする。
■若い人ほど、感謝や賞賛が仕事のモチベーションにつながる
感謝や賞賛されることが、仕事へのモチベーションにつながるかを聞いたところ、一般職は67.2%がモチベーションにつながると回答。 役職者は、13.2ポイント少なく、若い人ほど、感謝や賞賛が仕事のモチベーションにつながることがわかった。
また、一般職は71.9%が感謝を伝える頻度が多いと回答。一方で、役職者は、60.8%が多いと答え、その差は11.1ポイントだった。
役職者の人が、頻繁に感謝を伝えられていない人が多いという結果だ。
若手社員は「感謝・称賛」でやる気が出やすいにも関わらず、上司からは「感謝・称賛」が十分に伝えられていない状況が反映されていると言えるのではないだろうか。
■「バックオフィスに、感謝を伝えられている」人は、一般職・役職者ともに約4割程度にとどまる
バックオフィスの人へ感謝を伝えられているか聞いたところ、一般職・役職者ともに、伝えられていると答えたのは、約4割にとどまった。バックオフィスの貢献は、他の部署に比べると見えづらい実態があるのではないだろうか。
※「バックオフィス」とは総務、経理、人事など後方支援業務を行っている部門の他、システムエンジニア、デザイン、企画等、営業数値を追っていない部門や部署を指す。
■まとめ
一般職・役職者の約6割が、総務・人事・経理部門に感謝を伝えられていないと感じている結果だった。
働き方改革で従業員間のコミュニケーションが希薄化している今、感謝を伝える社内コミュニケーションを増やすことは、従業員エンゲージメント向上や生産性向上に有効と言えるのではないだろうか。