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「仕事上でのストレス」原因No.1は?ストレスフリーな職場の実現には何が必要か

2019.12.02

 国内1,300社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区)は、消費財や暮らしにまつわるトピックスを届ける『Fromプラネット』の第122号として、ストレスフリーに関する意識調査を実施し、その結果を発表した。

 仕事上で感じるストレスの原因とは何か?本調査により、ストレスフリーな職場を実現するために必要なことが明らかになった。

■職場・仕事で“ストレスを感じている”…男女ともに6割を超える

■職場・仕事で“ストレスを感じている”…男女ともに6割を超える

 仕事にストレスは付きものとはいえ、できることならストレスのない“ストレスフリー”な職場で仕事をしたいと考える人も多いのではないだろうか。今回、仕事上のストレスとストレスフリーについて調査を実施し、職場でストレスを感じる要因や相手、ストレス解消・発散法などを聞いた。

 まず、仕事(非正規・自営業・自由業含む)に就いている人が職場でどの程度ストレスを感じているかを調べたところ、「非常に感じる」「どちらかといえば感じる」を合わせた“ストレスを感じる”計は6割を超える結果だった。

 上記質問の比較のため、現在仕事に就いていない人に普段どれだけストレスを感じるのか聞いた結果(表2)は、5割超だった。

 就業している人のほうが強くストレスを感じていることがわかる。

■公務員はストレスが強い?

 職業別に見ると、“ストレスを感じる”計が特に高かったのが「公務員」と「会社員」で約7割に上っている。反対に低かったのが「自由業」で、4割に届かなかった。組織に所属して仕事をしている人ほど、ストレスが大きいと考えられる。

 一方、仕事に就いていない人でも「専業主婦/主夫」はストレスを感じている人が6割を占め、「会社役員・経営者」よりも高い結果だった。

 「公務員」「会社員」のストレスの高さ、「自由業」のストレスの低さとあわせて考えると、自分のペースや裁量で動けるかどうかがストレスの大きさに影響していそうだ。

■仕事のストレスは「量」や「内容」よりも、「進め方」が原因だった

■仕事のストレスは「量」や「内容」よりも、「進め方」が原因だった

 次に、職場・仕事でストレスを感じている人に、どのようなことが原因でストレスを感じるかを質問した。すると、1位は「仕事の進め方が非合理的、慣習的」、2位に「仕事量が常に多い」が続いた。7位までの項目は2割を超えているが、その多くが組織で仕事をしているかぎり、自分の力ではどうしようもない問題ばかりだ。頑張っても解決できない要素が多いとストレスを強く感じるようだ。
 
 この結果から、仕事の「量」や「内容」よりも、「進め方」がいちばんのストレスの原因であることに注目したい。

 仕事の進め方が非効率的だと、結果的に業務超過や時間のロスにつながるため、ストレスを感じる人が多くなることが考えられる。逆に考えれば、面倒で機械的な作業の合理化・自動化をはかり、「仕事の進め方」を変えることで、より“ストレスフリーな職場”が実現できそうだ。

 ただし男女別に見ると、女性では順位が違う。「業務に偏りがあり不公平」が最も高く、次いで「仕事量が常に多い」、「評価や待遇が不満」の順となった。「仕事の進め方が非合理的、慣習的」は4位となっており、男性が多い職場か女性が多い職場かによっても何がストレスになるかは変わるようだ。

■20代で目立つストレスの原因…職場環境・ネット環境・世代間ギャップ

■20代で目立つストレスの原因…職場環境・ネット環境・世代間ギャップ

 さらに性年代別で見ると、特徴的なのが若年層と高齢層との対比だ。

 たとえば「職場環境がよくない」は、男女ともに、年代が低いほど高くなっている。豊かな時代に生まれ育った世代は、空調もスペースも快適が当然なのだろうか。「ネット環境がよくない」も20代だけ高いが、これには納得を示す人が多いだろう。

 意外な点としては「世代間にギャップがあり話が通じない」が20代で突出していることだ。むしろ上の世代が“最近の若者とは話が通じない”となげくイメージがあるが、職場や仕事上、世代間ギャップにストレスを抱いているのは若者のほうだった。

 「休憩や休暇を取りにくい」は、特に男性で年代差が顕著に現れた。20代では3割に迫り、30代〜50代の約2倍、60代とは5倍近い差がある。仕事よりプライベートを優先すると言われる“ミレニアル世代(*)”の特徴が表れているとも言える。

(*2000年以降に成人を迎えた世代を指す)

■意外? 女性で高い「ストレスの原因は “同性の同僚” 」

■意外? 女性で高い「ストレスの原因は “同性の同僚” 」

 人間関係でストレスの原因となることが多いのは誰かを質問すると、やはり圧倒的1位だったのが「上司」だった。特に若年層ほど高く、20代男性と20代・30代女性では約6割に上った。

 さらに男性では、「先輩社員」が若年層ほど高く、反面で「部下」が40代・50代で高くなっている。上司や先輩社員に囲まれた20代若手と、部下が増える働き盛りの年代とで傾向が対照的なのは当然かもしれない。

 2位が「同性の同僚」となり、特に女性で高く、男性との差は10ポイント以上だった。同じ女性でも年代差が大きく、20代では2割以下なのに、30代・40代では3割を超え、50代・60代では約4割になった。女性の場合、年代につれて結婚・離婚や出産などで人生のステージが変わり、たとえ同年代でも優先順位が違ってくる。仕事とは直接関係ない雑談やプライベートな事情もストレスの元になるのかもしれない。

■男性は趣味とお酒で、女性はグルメとおしゃべりでストレス発散!

■男性は趣味とお酒で、女性はグルメとおしゃべりでストレス発散!

 職場・仕事でストレスを感じている人に、ストレス解消・発散法を質問したところ、1位は「好きなものを食べる」、2位は「趣味に没頭する」、3位は「寝る」となったが、男女でかなり順位が変わる。

 男性では1位が「趣味に没頭する」で、2位が「お酒を飲む」、3位は「寝る」だったが、女性では1位の「好きなものを食べる」が圧倒的に高く、2位は「家族・友人と話す」となった。女性1位の「好きなものを食べる」は男性では4位、男性1位の「趣味に没頭する」は女性は5位。男性と女性とでは、何を大事にしているか、何に癒やされるかがずいぶん違ってくるようだ。

 また、女性は、「家族・友人と話す」が2位なのに、3位の「寝る」と僅差で、4位に「1人の時間を過ごす」が入っている。コミュニケーション好きで家族や友人とよく話す分、気疲れもしてしまい「一人の時間を過ごす」ことで初めて心が休まる人も少なくないようだ。

■ミレニアル世代のストレス解消法?…20代で高い「SNSにぶちまける」

■ミレニアル世代のストレス解消法?…20代で高い「SNSにぶちまける」

 性年代別でもストレス解消法の違いがはっきりわかれる結果だった。

 「好きなものを食べる」と「趣味に没頭する」はそれぞれ男性と女性で高かった項目で、いずれも若年層ほど高くなっていた。また、「買い物をする」「カラオケで歌う」も、特に女性の若年層で高くなっている。

 一方で、上の世代ほど高いのが、男性では「お酒を飲む」、女性では「一人の時間を過ごす」だった。女性は仕事と家事を両立させている人も多く、年代につれて「一人の時間」が貴重になっていくのではないだろうか。
 
 「SNSにぶちまける」が、男女ともに20代だけ突出して高くなっていた。まさに現代ならではのストレス発散方法と言える。

■ストレスを感じたエピソード、理想のストレスフリーな職場とは?

 職場・仕事やふだんの生活でストレスを感じた体験やエピソード、さらに“理想のストレスフリーな職場”はどのようなものか?声を紹介する。

● ストレスフリーの職場とは、自分の意見が言えること、実行できること。また職場内に尊敬できる上司がいることだと思う。職場でストレスなく働けるには、自分の理想とする働き方ができることだと思う。(女性・20代)

● 親や学校など上からの圧力により、自主的に何もできず指示に従うしかない状況はストレスを感じた。逆に今はフリーで仕事をしていて自主的にできるため、まったくストレスを感じない(男性・30代)

● ストレスフリーな職場とはある程度、自分の裁量で仕事を進められる職場。(女性・30代)

● 夫にもっともっと育児と家事に協力してほしい。仕事で疲れているのはわかるが、こっちは休みがないと思うとストレスに感じる。あまり言いすぎたり機嫌が悪いと怒るから、それがまたストレス。(女性・30代)

● 世代間ギャップや趣味が合わない、かみ合わないなどで、ストレスが溜まりやすい。(男性・40代)

● 同じ仕事をしている先輩のミスのフォローをさせられている。お給料は先輩のほうが高いのにと思うと面白くないです。先輩後輩などの年数ではなく実績で判断する職場が望ましい。(女性・40代)

● ストレスフリーな職場なんてない。お金を稼ぐことはがまんすること。(女性・50代)

● すべての人にストレスフリーの職場はありえず、仕事を離れたところでいかにストレスを発散するか、それを企業、職場がどうサポートするかだと思う。(男性・60代) 

■まとめ

 職場・仕事でストレスを感じているのは、男女ともに6割を超えており、何らかのストレスを抱えながら仕事に向かう人が多い結果だった。
 
 企業においても、業務超過や時間のロスなど何が原因でストレスが起こるのか、原因を見つけ出し、社員が活き活きと働けるストレスフリーな環境づくりも求められるだろう。

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