男性社員が、育休を取得しなかった・できなかった理由 TOP.5
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区)は、男性の育児休暇取得についての調査結果を公開した。
男性社員が、育休を取得しなかった・できなかった理由は何だったのか。声を紹介する。
■男性の育休取得率は7.9%に留まる。20~30代と40~50代の間にギャップ
男性の育児休暇(以下「育休」)取得が話題になっている。男性の育休取得を必須化する企業があったり、政治の世界でも男性の育休取得義務化の検討がされたりするなど推進の動きが見られるが、実際にはどのくらいの男性が育休を取得しているのだろうか。
子どもと同居している、民間企業/公社/公的機関勤務の20~50代男性に「育休を取得したか」と質問をしたところ、育休を「取得した」と回答した人は、7.9%に留まり、さらに年代別に見てみると、20~30代と40~50代の間にギャップがあることが分かった。(図表1)
40代以上の男性は、子どもが生まれた当時は男性の育休制度がなかったり、周りに育休を取る男性がいなかったりという事情があるのかもしれない。また、男性が育休を取るという意識が30代以下の年代に比べて薄い可能性もあるようだ。
■育休取得者の過半数が、1週間以下しか育児休暇を取得せず
育休を取得した男性は、どの程度の期間、休暇を取得したのだろうか。
育休期間を見てみると、4割以上が「1週間未満」と短いことが分かった(図表2)。「1週間程度」と合わせても、育休を取得した男性の半数以上が、1週間あるいはそれ未満という短期間でしか取得していない。男性が育休を取得できたとしても、1週間前後の短い休みを取るのがやっと、というのが現状のようだ。
■育休を取得できなかった男性のうち、2割が本当は「取得したかった」
育休を取得しなかった9割の男性は、もともと取得するつもりがなかったのか、それとも取得したかったのに何らかの事情で取得できなかったのか。
育休を取得しなかった男性に「育休を取得したかったか」と質問したところ、2割以上の男性が「取得したかったが、取得しなかった/できなかった」と回答。若い年代ほど「取得したかったが、取得しなかった/できなかった」人が多いことが分かった(図表3)。
また、40代と50代の間で10ポイント程度差があり、年代により意識の差がある様子が見受けられる。
■周りに(ほとんど)男性育休取得者がいないことに加え、収入減の不安が4割超
何故、育休を取得しなかった/できなかったのだろうか。育休を「取得したかったが、取得しなかった/できなかった」男性に理由を聞いたところ、「周りに育休を取得している男性が(ほとんど)いないから」が5割超で1位、次いで「育休中の収入減が不安だったから」が4割超で2位だった(図表4)。
育児参加意欲が高い男性でも、これからさまざまな子育て費用がかかることを考えると、実際の育休取得には二の足を踏んでしまうのかもしれない。
■まとめ
男性の育休取得が推進されているが、実際には、育休を取得している男性がほどんどいないという現状がある。その理由には、身近に育休を取得している人がいないことや収入源が不安という声が挙げられた。
企業においても、福利厚生制度の充実のみでなく、男性の育休取得を推進するためにどのような方策が最適かを考える必要があるだろう。