求められる就労環境改善。保育士の4割が、経験が活かせる「別の仕事」がしたいと回答

累計13万人以上が登録する保育士・幼稚園教諭向け転職支援事業「保育士バンク!」を運営する株式会社ネクストビート(東京都渋谷区)は、保育士の転職・キャリアに関するアンケート調査を実施した。
保育士の就労環境に対する課題が浮き彫りになる結果となった。
■調査背景
2019年10月に、協力開発機構(OECD)が幼児教育や保育に関わる保育士や園長らに対し実施した国際調査では、「社会から評価されている」と回答した日本の保育士は31%にとどまり、仕事を巡る自己肯定感が韓国など8カ国中最低だったことが判明した。
幼保無償化で、子どもの預けやすさは改善が進む一方で、保育現場の就労環境改善の施策は進まない現状を課題視する声が上がっている。実際に、保育士として働く人たちは、今の就労環境や自身のキャリアについてどう考えているのだろうか。
■あなたはこれまでに転職をしたことはありますか?ある場合は何回転職しましたか?

始めに、「これまでに転職をしたことはあるか?ある場合は何回転職したのか?」と質問したところ、保育士の7割が転職経験者で、「3回以上転職をした」人は4割となった。
■新しい職場への入職時期

転職経験者に、「(1回目の)転職先への入職時期」を質問したところ、新しい職場への入職時期としては4月(56.4%)が圧倒的だった。
担任制のため、年度末まで現職に留まる人が多いことが推測できる。
■転職を考え始めたきっかけ

続いて「転職を考え始めたきっかけは何か?」を質問したところ、最大の転職理由は職場の人間関係(33.3%)となった。次いで、給与面(26.1%)、園(施設)の方針と合わない(21.7%)と続いた。
■今後のキャリア観

最後に転職未経験者を含めたすべての人に対し、今後のキャリア観について聞くと、「一時的な離職があっても、今後の保育士として働きつづけたい」と回答した人が約半数いた一方で、「保育士の経験が活かせる別の仕事がしたい」と回答した人が4割いる結果となった。
■調査概要
調査対象:「保育士バンク!」に会員登録をしている保育士
調査期間:2019年11月6日~2019年11月18日
調査方法:インターネット調査
有効回答数:保育士 69名
■まとめ
職場の人間関係や、給料面からも、保育士の4割が「経験が活かせる別の仕事がしたい」と考えていることが分かった。
利用する側の使いやすさのみならず、そこで働く保育士に対しても就労環境改善といった施策を取ることが早急の課題となってきているようだ。