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人事評価の運用で感じる手間 評価される側の従業員が感じている悩みNo.1は?

2019.12.25

 人事評価クラウドで企業の働き方改革を支援する株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区)は、全国の人事評価制度を導入している企業の人事管理者、評価者および被評価者を対象に「人事評価業務の負担に関するインターネット調査」を実施した。

 人事評価の運用で感じる負担や従業員が感じている悩みは何なのだろうか。その実態を紹介する。

■人事評価制度の運用について

人事評価制度の運用ツール 
まず「あなたが勤めている企業では人事評価制度は何を用いて運用・管理をしているか」と質問した。

 全国の従業員数300人以上5,000人未満の企業のうち、人事評価制度の運用ツールに関して、最も回答割合が多いのは「Excelなどの一般的なソフトウェア」31.3%となった。次いで「自社で作成した専用システム」25.7%、いわゆる人事評価クラウドシステムである「WEBアプリ等のクラウドシステム」23.0%、「紙ベースの評価シート(外部専門会社提供、自社作成を問わず)」20.0%という結果となった。

 従業員数300人未満の企業を対象に行った調査結果(人事評価クラウドに関する調査) と比較して、従業員数300人以上5,000人未満の企業では、「自社で作成した専用システム」の割合が10.4ポイント高く(従業員数300人未満の企業の回答割合は15.3%)、「Excelなどの一般的なソフトウェア」の割合が12.5ポイント低い(従業員数300人未満の企業の回答割合は43.8%)ことがわかった。

■人事評価制度の課題について

自社における人事評価制度の課題
 次に、「あなたが勤めている企業の人事評価制度に関する課題」について質問したところ、「人事評価制度に関する課題はない」と回答した人を除いた、何らかの課題があると感じる方の割合は、人事管理者では95.0%に対して、評価者では80.0%、被評価者では56.0%という結果となり、人事評価の取りまとめを行う人事管理者が最も課題を感じていることが明らかになった。また、すべての割付において、「評価者により評価に差が出る(チーム間で評価に差が出る)」ことを課題と感じる人が最も多いことがわかった。

 人事管理者では他にも「ファイル等の管理が煩雑」39.0%や「予算に対する昇給降給の管理が困難」35.0%、「等級などの時系列での管理が困難」25.0%など多くの従業員の評価を管理するからこその課題が浮き彫りとなった。また、評価者では「職種にあった評価基準を設定できていない」28.0%、被評価者では「自社の評価方法・基準とマッチしていない」17.0%が上位となった。

■人事評価制度の“負担”について

人事評価の運用を負担に感じたことがあるかどうか
 「あなたはこれまでに人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じたことはあるか」と質問したところ、「一度もない」と回答した人を除き、89.3%が負担に感じたことがあると回答した。特に、人事管理者の100.0%、評価者の97.0%が負担に感じたことがあることがわかった。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること(人事管理者)

 また、「人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること」を質問したところ、同率1位で「評価者から提出される個人の評価シートを取りまとめること」「評価者やチームによる目標難易度のばらつきを調整すること」62.0%、3位「評価者やチームによる評価のばらつきを調整すること」56.0%となった。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること(具体例)(人事管理者)

 具体的な内容を自由回答で問うと、下記のような意見が挙がった。

●沢山ファイルがあるため目を通すだけで大変(45歳女性/北海道)
●各人の評価と会社の評価基準とのすり合わせに時間がかかる(55歳男性/東京都)
●複数の評価対象者のコメント、データを同時に検討する際のオペレーション負担を軽減したい(58歳男性/愛知県)
●目標設定が定量化できているチームとできていないチームがあり、基準を平準化するのが面倒(48歳男性/愛知県)
●過去の評価の推移を一目で確認できる資料があれば便利と思う(57歳男性/大阪府)
●エクセルが重くて時間がかかること(50歳男性/兵庫県)
●きちんとした公平な評価を徹底することに非常に手間と時間がかかるのでそれを楽できるようにしたい
(35歳男性/広島県)
 
 評価者間、チーム間でばらつく目標や評価の基準を平準化することに負担を感じているといった内容が多く回答された。また、数多くのファイルを確認することや、管理しているシステムの動作が重いなど、運用の環境によって作業に多くの手間や時間がかかっていることがわかった。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること(評価者)

 【あなたはこれまでに人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じたことはあるか】で、「これまでに感じたことがある」と回答した人を対象に人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることの内容を質問した。

 1位「それぞれの部下に対して適切な目標を設定することが難しい」58.8%、同率2位で「部下の目標の添削に時間がかかる」「客観的に評価を実施すること」36.1%、4位「部下と面談を実施しなければならない」35.1%という結果になった。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること(具体例)(評価者)

 人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることを質問すると、下記のような具体例が挙がった。

●全体の評価がわからないので、部下の添削する基準が良くわからない(59歳男性/埼玉県)
●職場が離れているなど、業務内容が把握できないケースがある(52歳男性/東京都)
●人によって業務が異なるので評価が困難(42歳男性/神奈川県)
●部下自身と評価が異なる(49歳男性/神奈川県)
●自社開発システムと、部下との評価のやり取りをするエクセルシートの管理の二度手間(57歳女性/神奈川県)
●よく異動があるため、他の上司とどんな話をしていたかなどが分かりにくい(35歳男性/高知県)
●目標設定のハードルの決め加減。 ハードルの高さ設定が個人ごとに変わる(49歳男性/長崎県)
●1次考課から3次考課まであり最終調整もあるため時間がかかる(59歳男性/岡山県)
●働き方改革の影響もあり、残業もあまりできないため、部下がなかなか提出してくれない(43歳女性/大阪府)

 部下の業務内容を把握できていないため評価が難しい、人によって業務が異なるため評価が難しい、目標設定のハードルの高さが個人によって異なるなど複数の部下を持っている評価者の悩みに関する内容が多く回答された。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること(被評価者)

【あなたはこれまでに人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じたことはあるか】で、「これまでに感じたことがある」と回答した方を対象に人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることの内容を質問した。

 1位「何を目標に設定すればいいかわかりにくい」56.3%、2位「自己評価(考察や点数など)を考えること」42.3%、3位「上司と面談を実施しなければならない」39.4%、4位「評価シートを管理し、上司に提出すること」38.0%という結果になった。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいと感じること(具体例)(被評価者)

 被評価者に人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることの具体的な内容を質問したところ、下記のような意見が挙がった。

●毎年違う目標を立てないといけないため、何を目標にすればいいのかがわからない(34歳女性/佐賀県)
●普段人事評価を気にして仕事をしているわけではないので、いざ自己評価となっても何を書いていいかわからない(49歳男性/東京都)
●昔のシートもペーパー管理なので、遡ろうとしても手間がかかる(25歳女性/群馬県)
●時系列で見られないこと(43歳女性/東京都)
●課題設定シートに自己評価、コメントを書くことに、毎回、気を使うし面倒である(38歳男性/愛知県)
●上司と勤務時間内にスケジュールを調整して面談をして評価されること(36歳女性/愛知県)
●評価されているのかされてないのか、いまいち実感がないのに評価の内容を考えること(34歳女性/宮城県)
●目標設定と言われてもルーチンワークの中で見つけるにはあまりに酷でマンネリは避けられない。そのうえ上司によって評価が下がり、本当にヤル気が起きない(39歳女性/福岡県)

 何を目標にすればいいかわからない、苦労して目標設定を行った項目が実際の給与査定にはつながらないため目標設定が億劫など目標設定に関する内容が多く回答された。また、紙媒体での管理のため、過去の評価をさかのぼることが手間、時系列で見られないなど、評価の運用方法に関する内容も多く回答された。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいことを改善する方法

【あなたはこれまでに人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じたことはあるか】で、「これまでに感じたことがある」と回答した人を対象に、面倒を改善するためそれぞれの手段が有効だと思うかを質問したところ、「有効だと思う」の割合が最も高かった手段は「目標設定の簡易化」で77.3%、次いで「人事評価制度の一新」で75.4%という結果となった。

 「有効だと思う」の割合が最も高かった手段を割付別でみると、人事管理者では「目標設定の簡易化」の割合が最も高く86.0%、評価者では「人事評価制度の一新」74.2%、被評価者では「目標設定の簡易化」74.6%が最多という結果となった。

 また、人事管理者では「人事評価のシステム化・クラウド化」も79.0%の方が有効であると回答しており、システム化・クラウド化を含めた、人事評価制度の一新が負担改善に有効かもしれない。

■人事評価の運用で面倒、手間、負担、楽にしたいことを改善する方法(具体例)

 人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることを改善するために必要だと思う具体的な内容が下記に挙がった。
【人事管理者回答】
●各人の評価の時系列記録と、部門・部署間のばらつき・不公平を無くすための評価基準(55歳男性/東京都)
●きちんとした公平な評価をつけるための社内での徹底したシステムづくり(35歳男性/広島県)
●部署ごとの評価の甘辛を勘案して取りまとめる仕組み(49歳男性/東京都)

【評価者回答】
●異動等の際に過去の評価を参考にできるシステム(57歳男性/大阪府)
●各部門の評価を一元化し、全体的な評価との整合性をサポートしてくれるシステム(46歳男性/大阪府)
●目標設定や評価のつけ方を第三者から公平に見てくれるシステム(45歳男性/京都府)

【被評価者回答】
●もっと簡潔に評価業務ができる仕組み(28歳男性/宮城県)
●経験、勤務年数に応じた目標設定をサポートしてくれるシステム(37歳男性/東京都)
●評価シートを統一して、簡単に評価できるようにする(49歳男性/大阪府)

人事管理者は評価を部門間、時系列で一元管理することができるシステムに関する回答が多く集まった。また、評価者でも、公平性、一元管理ができるシステムといった内容が多く回答された。一方で、被評価者では評価システムの簡素化、簡潔に人事評価の運用を行うことができるシステム、目標設定をサポートしてくれるシステム等、人事評価自体を楽にするための内容が多く回答される結果となった。

■まとめ

 89.3%の人が人事評価業務について“負担である”と感じ、被評価者の56.3%が、「何を目標に設定すればいいかわかりにくい」と回答している。

 評価システムの簡素化、簡潔に人事評価の運用を行うための施策を今後検討する必要がありそうだ。

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