猛暑の通勤リスク「真夏日の通勤時間」年間約98時間に 学研ホールディングス調査
株式会社学研ホールディングスのグループ会社である株式会社ベンド(本社:東京都千代田区、CEO:近藤潔)が運営する「スキルアップ研究所」は、公的統計をもとに「猛暑と通勤リスクに関するレポート」を公表した。記録的な猛暑が続く中、気象データや熱中症搬送状況、通勤時間を分析した結果、東京都では真夏日の通勤時間が年間約98時間に及ぶことが分かったという。レポートでは、猛暑が常態化する中で、通勤を前提とした働き方のリスクについて考察している。
試算の概要
・出典データ:気象庁「全国13地点平均の猛暑日の年間日数」(統計期間1910〜2024年)、消防庁「令和7年(5〜9月)の熱中症による救急搬送状況」(確定値)、東京消防庁の熱中症搬送統計(2025年6〜9月・速報値・稲城市と島しょ地域を除く管内値)、総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」の通勤・通学時間
・試算主体:スキルアップ研究所
・試算の前提:東京の2025年(6〜9月)の真夏日87日を対象に、平日相当日数を該当日数×5÷7で単純推計し、通勤・通学時間95分/日を会社員の通勤時間の参考値として当てはめ、1日8時間労働で換算
・約98時間は車内や駅構内などを含む通勤全体の時間であり、屋外で過ごす時間を示すものではない
実施主体:スキルアップ研究所
出典元:猛暑と通勤リスクに関するレポート(スキルアップ研究所・株式会社ベンド)
「猛暑日増加」「熱中症搬送」過去最多、通勤環境にも影響
本レポートによると、全国の猛暑日(最高気温35℃以上)は1910年から2024年までの推移で100年当たり約3.9倍に増加。「例年どおりの夏」を前提とした働き方が、難しくなっていることが示された。東京都では2025年6~9月の間に真夏日は87日、猛暑日は29日を記録していた。
2025年の全国の「熱中症による救急搬送者数」は100510人と、過去最多を更新。発生場所は住居に次いで道路が多く、屋外の公共空間を合わせると3割超を占めていた。通勤や移動時の「暑熱リスク」が高まっていることがうかがえる。
真夏日の通勤時間、約12営業日分に相当
真夏日に通勤に費やした時間を、東京都の通勤・通学時間の平均95分を会社員の通勤時間の参考値として試算。2025年の真夏日での通勤は、年間約98時間に。8時間労働日に換算すると、約12営業日分に相当する結果となった。なお、この時間には電車内や駅構内なども含まれている。
レポートでは、猛暑の長期化によって通勤そのものが従業員の身体的負担となる可能性を指摘している。特に、熱中症搬送者数が過去最多となる中、出社を前提とした働き方では移動時の安全確保や健康管理がこれまで以上に重要な課題となる。今後は、業務内容や職種に応じて出社とリモートワークを柔軟に組み合わせるなど、気候変動を踏まえた働き方の見直しも求められそうだ。
まとめ
今回のレポートは、猛暑が一時的な異常気象ではなく、働き方にも影響を及ぼす社会課題になりつつあることを示している。特に、熱中症リスクの高まりや長時間の通勤負担は、従業員の健康管理や生産性、エンゲージメントにも関わる重要なテーマだ。
暑熱対策を福利厚生や安全配慮の一環として捉え、テレワークや時差出勤の活用、通勤負担を軽減できる制度の構築が急務といえるだろう。
気象状況に応じた柔軟な勤務体制や、熱中症対策をBCP(事業継続計画)の視点も踏まえて整備することで、従業員の安全確保と安定した事業運営が両立できる、というメリットもある。猛暑が常態化する時代だからこそ、働き方そのものを見直す機会として活用したい。










