新型コロナウィルスの感染拡大に備え、各企業が対策。在宅勤務などに体制を変更。
中華人民共和国湖北省武漢市において、令和元年12月以降、新型コロナウイルス関連肺炎の発生が報告され、中国を中心に、世界各国からも発生が報告されている。
中国国内では、ヒトからヒトへの感染も確認され、日本国内でも武漢滞在歴のない奈良県の日本人男性や、同乗していた女性が国内感染者として確認された。
日本では1月28日に「指定感染症」に指定された。春節で中国から多くの人が訪れることから、更なる感染拡大を心配する声も多い。
感染拡大を阻止し、従業員の安全確保、正確な環境状況の把握を目的にするために、あらゆる可能性を考慮した対策が企業には求められている。
■新型コロナウイルスとは
発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人に感染を起こすものは6種類あることが分かっている。
そのうち4種類は、一般的な風邪の原因となるウイルスで、ヒトに日常的に感染し、残りの2種類は、重度の肺炎の原因となるSARS(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)とMERS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)となっている。
今回中国で見つかった新型コロナウイルスは、これら6種類には当てはまらない新しい型だ。
潜伏期間や感染源、感染経路については現在調査中だが、他のコロナウイルスの状況などから、最大14日程度と考えられている。
現在、新型コロナウィルスの感染拡大に備え、企業が行っている対策を下記で紹介する。
オフィスで取り組む 新型コロナウイルス対策
企業のコロナウイルス対策事例と管理部が取り組むべきこと
■ドコモ・ヘルスケア株式会社
これまでも社員の健康増進や多様な働き方を推進していたがドコモだが、昨今の状況を鑑み、改めて取り組みを強化し、安全の確保に努めていくようだ。なお、状況により期間を延長する場合がある。
期間:2020年1月29日(水曜日)から2020年2月10日(月曜日)まで
目的:従業員及びビジネスパートナー様の感染リスク軽減(安全確保)及びBCP
対策:
①.フレックスタイム制度を活用し混雑ピークを回避した出社の推奨
②.在宅勤務制度を活用したリモートワークの更なる推奨
③.その他社内衛生の強化
・アルコール消毒液の設置
・加湿器の設置
・マスクの着用の推奨
・うがい・手洗いの推奨
■GMOインターネット株式会社
新型コロナウィルスの感染が拡大している状況を受けて、グループ会社で働くパートナーの感染リスクを排除し安全を確保するともに、安定したサービスを継続して提供するべく、在宅勤務および中国国内に駐在、出張中のパートナーの強制帰国指示を行った。
期間:2020年1月27日(月)より2週間
目的:事業継続ならびに当社グループを支えるすべてのパートナー(従業員)の安全確保
対策:
①.中国からの観光客が多く集まるエリアの拠点(渋谷・大阪・福岡)において、2020年1月27日(月)より2週間をめどに在宅勤務。
②.中国国内に駐在、出張中のパートナーに対し、強制帰国の指示。
■株式会社オトバンク
社員のパフォーマンス向上を目的に2016年10月より「満員電車禁止令」を導入するなど、通常時より通勤ラッシュ時の電車通勤を避け、各自の判断でリモートワーク(社外勤務)を可能とする取り組みを実施していた。今回国内でのリスク把握が正確に為されていない状況を考慮し、全面的な対策を講じる。
期間:1月27日(月)から2月10日(月)迄を目途
目的:従業員の安全確保および正確な環境状況の把握
対策:
①.通勤ラッシュ時(午前7時~午前10時)において全従業員が電車通勤を回避
②.不要な出社を控え、基本的に在宅勤務を実施
③.外出時および社内においてマスクの常時着用を実施
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■まとめ
新型コロナウイルスについてはまだ分からないことが多く、いつどこで新型肺炎の感染者と接触してしまうか想定がつかない。
有効な治療方法も確率されていない今、他の企業も、社員の安全確保のため、今後は不要な出社を控えさせるなどの対応が必要になってくるのではないだろうか。
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