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「大企業だけ」と諦めていませんか?中小企業がテレワークを導入するメリットとは

2020.02.27

 大企業を対象に、2019年4月「働き方改革関連法」が施行された。企業は残業時間の減少や業務を効率化することで生産性向上に取り組む。そんな中、働き方改革の推進のひとつとして「テレワーク」を導入する大企業が増えている。

 一方、中小企業はどうだろう。2020年4月から「働き方改革関連法」が中小企業向けにも施行されるが、テレワークの導入を実現できている企業は少ないのではないだろうか。

目次

1.テレワーク(在宅勤務)とは
2.メリット・デメリット
3.中小企業がテレワークを導入する必要性
4.中小企業がテレワークを導入する際に必要なこと
5.助成金について

1. テレワーク(在宅勤務)とは

1.	テレワーク(在宅勤務)とは

 テレワークとは、ICT(Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない働き方である。「遠く」という意味の「テレ(Tele))とワーク(Work)をくっつけた言葉で、自宅やコワーキングスペースなどで仕事を行う。

 2019年4月に大企業向けに施工された「働き方改革関連法」はテレワークが一気に広がるきっかけとなった。好きな時間に好きな場所で働くことのできるテレワークは、働き方改革の取り組みのひとつとしてはもちろんのこと、台風や大雪などの自然災害時やインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症拡大の予防策やオリンピックの公共交通機関の混雑対策としても注目される。

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2.メリット・デメリット

 テレワークを導入することでどんなメリット・デメリットがあるのだろうか。

■メリット
・通勤する必要がなくなり時間を有効活用できる
・災害などの非常時でも事業を継続できる
・育児や介護をしながら仕事ができる
・住む場所にとらわれない
・作業に集中できる
・家事との両立ができる
・離職率の低下
・生産性があがる
・ストレスの削減
・ダブルワークができる
・オフィスコストの削減
・企業イメージの向上

 テレワークを導入することで、時間のムダを削減しストレスを軽減することで生産性の向上につながる。また、出勤が難しい子育て中の社員でも仕事ができることから離職率の低下や人材確保にもつながるのだ。社員側にも企業側にも新たな可能性を生むことができる。


■デメリット
・勤怠管理、タスク管理が曖昧になる
・セキュリティ対策が必要
・ミーティング(会議)の実施

 テレワークを導入し遠隔で仕事をする場合、勤怠管理やタスク管理を行い、業務が遂行されているかの管理を行う必要がある。テレワークは作業効率をあげる目的もある一方、社員同士でのコミュニケーションの機会が減ることで意思疎通ができなくなり、結果的に生産性向上につながらなければ導入の意味がなくなってしまう。

 テレワークを導入する場合は、テレビ会議やチャットツールなど、コミュニケーションツールを活用して社員同士の関係構築にも目を向けることが重要だ。

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3.中小企業がテレワークを導入する必要性

3.中小企業がテレワークを導入する必要性

 テレワークは限られた大企業だけの話だと思っている人も多いのではないだろうか。大企業では導入が進む一方、中小企業ではまだまだテレワークを導入している企業は少ない。しかし、実は中小企業こそテレワークを導入すべきである。

 近年、少子高齢化の影響もあり人財確保が困難となっている。5年後、10年後、更に状況は悪化することが予想されるが、中書企業では優秀な人財の確保はできるだろうか。テレワークという働き方をひとつの選択肢として導入することで、遠方に住んでいる人や体が不自由な人、育児や介護をしている人など人財を集めやすく、離職防止につなげることができる。

 では、導入の際に必要なことはなにか。

 まずは、テレワークを導入できない理由考えてみる。
・タイムカードで勤怠管理を行っている
・ミーティングが多くそれぞれが好きな場所で働くのが困難
・コミュニケーション不足が懸念される
・導入にコストがかかる・・・など

 一度導入することを仮定して問題となる点をあげ、ひとつひとつをクリアにしていく。勤怠管理はクラウド勤怠管理を導入する、テレビ会議を行う、コミュニケーションツールを活用するなど、テレワークに適したサービスは数多く存在する。また、ベンチャー企業や中小企業向けに低価格で提供しているサービスも多い。

 社内にテレワークでは行うことのできない業務が存在している場合もあるが、一部の部署や対象の社員からテスト導入してみるなど、人財確保や災害などの非常時に事業継続するためにも早めに検討することが重要だ。

4.中小企業がテレワークを導入する際に必要なこと

①ルール決め
 遠隔で仕事をする場合、ルール決めが重要となる。勤怠管理、ミーティング方法、セキュリティ対策など、社員全員がルールを正確に認識できていなければ思わぬトラブルの原因となる。また、「毎月指定した日には全社員出勤をする」「週に1度は出勤日を作る」「テレワークは週に2日まで」などといったルールを作っている企業も多い。

②労務管理
 労務管理は導入の妨げとなる大きなポイントではないだろうか。労務管理をする上で、労働時間制・みなし労働制・裁量労働制のいずれかで統一するのか、部署ごとに制度を変えるのか、社内で検討する必要がある。管理にはクラウドなどのツールを使うのか、アウトソーシングを活用するのか、一ヶ月に使う予算はいくらか、などを決めなければならない。

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③コミュニケーション不足への対策
 社内コミュニケーションは通勤でもテレワークでも重要だ。会社に出勤していればちょっとしたことを隣の席の同僚に相談することや上司への進捗状況の報告もスムーズだが、テレワークの場合それぞれが異なる場所で仕事をしているためコミュニケーションは今まで通りということにはいかない。コミュニケーション不足はテレワーク最大の懸念点なのではないだろうか。対策として、チャットツールやテレビ会議、タスク管理ツールを導入し、定期的にテレビ会議などでコミュニケーションをとることでお互いの業務や進捗を把握しあうなど、テレワークでは更に社員同士の人間関係の構築に目を向けなければならない。

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5.助成金について

5.助成金について

 テレワーク導入の後押しとして「時間外労働等改善助成金」というものがある。テレワークを導入しようとしている中小企業事業主に対して、費用の一部をサポートしてくれる制度だ。令和元年から受付を開始した。

 支給の対象となる企業は、成果目標の設定をする必要がある。その設定した目標の達成状況に応じて、助成金が支給される仕組みだ。助成額は「対象経費の合計額×補助率」。対象経費は、謝金や旅費、会議費、雑役務費などがあたる。

 目標を達成した場合、補助率は4分の3、1人当たりの上限額は20万円、1企業当たりの上限額は150万円。

 目標を達成できなかった場合、補助率は2分の1、1人当たりの上限額は10万円、1企業当たりの上限額は100万円となる。

 対象となる企業や詳しい条件については厚生労働省のホームページで確認できる。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikitelework.html

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まとめ

 テレワークは今後の深刻な人財不足への対策や災害・感染症などの非常時でも事業継続を可能とする、中小企業こそ取り入れてほしい取り組みだ。労務管理方法やコミュニケーション方法など、懸念点がクリアになれば有効的な働き方になるのではないだろうか。2020年4月には中小企業に働き方改革関連法が施工され、夏にはオリンピックが開催される。この機会にテレワークを検討してみてはいかがだろうか。

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