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​「Z世代」の第二新卒に調査した、短期離職の理由。

2020.02.17
厚生労働省「新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移」
厚生労働省「新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移」

 第二新卒・既卒・フリーターを中心とした20代若手に特化した人材紹介事業を運営する株式会社UZUZ(ウズウズ)(本社:東京都新宿区)は、20代の第二新卒(就業経験が3年以内の若手人材)を対象に転職活動に関するアンケート調査を実施した。

 新規学卒者(大卒者)が就職後3年以内に離職することには、どのような理由があるのだろうか。

■調査背景

 2019年10月29日厚生労働省は、2016年(平成28年)3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況を公表した。大卒者の就職後3年以内の離職率は、直近20年間、ほぼ3割で横ばいとなっている。

 社会構造や世代、景気の変動がありながら、新規学卒者(大卒者)の就職後3年以内の離職が3割がずっと続いている現状に関して、入社3年以内を多く含む「Z世代」を中心に転職活動の意識調査を実施した。

■Z世代とは

 もともとアメリカで生まれた世代を指す呼称で、ほかにも「ミレニアル世代」や「X世代」という呼び方も存在する。各世代を区分する出生年は、以下の通りだ。

・X世代  1960年~1974年生まれ(2020年時点で46~60歳)
・Y世代(ミレニアル世代) 1975年~1990年代前半生まれ(同26~45歳)
・Z世代 1990年代後半~2010年生まれ(同10~25歳)
・α世代 2010年以降生まれ(同9歳以下)

■前職の職種は「営業」が最多

■前職の職種は「営業」が最多

 「前職の職種は何か?」と質問をしたところ、第二新卒として転職活動をしている523名のうち、前職もしくは現職が「営業(27.34%)」と回答した人が一番多い結果となった。次いで「技術・専門職(14.98%)」「サービス(11.66%)」「事務系(11.28%)」の順番で多かった。また、その他の回答では、警備員や塾講師などがあがった。

■前職の業種は「情報通信・インターネット業界」が最多

■前職の業種は「情報通信・インターネット業界」が最多

 「前職の業種は何か?」と質問したところ、業界では、「情報通信・インターネット業界(16.83%)」が一番多い回答となり、次いで「建設・不動産業界(10.13%)」「飲食・ホテル・観光業界(8.22%)」という結果となった。その他の回答としては「イベント業界」「芸能業界」「アミューズメント業界」などがあがった。

■約7割は前職を退職した一方で、入社前の志望度は高い

■約7割は前職を退職した一方で、入社前の志望度は高い

 「前職もしくは現職の入社時の志望度はどのくらいだったか?」と質問すると、 第二新卒として転職活動をしている523名のうち71.89%の人が入社時の志望度が高かったと回答した。

 約7割の人は、前職を退職していながら、入社前の志望度は高かったという事実がわかった。

■退職理由は「入社後のギャップ」

 前職もしくは現職の退職理由について、選択肢から回答を選んでもらった結果は以下の通りだ。

〇回答選択肢一覧
・人間関係が良くなかった
・入社前に聞いていた条件と違っていた
・社風が合わなかった給料が低かった
・福利厚生が少なかった
・労働時間が長かった 希望した部門に配属されなかった
・評価制度に不満があった
・仕事が自分に合わなかった
・キャリアアップが出来なかった
・ワークライフバランスが取れなかった
・結婚や出産
・家庭の事情

「退職理由」1位
①.仕事が自分に合わなかった (20.8%)
②.キャリアアップが出来なかった (12.43%)
③.労働時間が長かった (10.9%)

「退職理由」2位
①.社風が合わなかった (14.25%)
②.ワークライフバランスが取れなかった (14.04%)
③.労働時間が長かった (11.88%)

「退職理由」3位
①.仕事が自分に合わなかった (13.5%)
②.ワークライフバランスが取れなかった (13.25%)
③.社風が合わなかった (13%)

 第二新卒として転職活動をしている523名のうち、前職もしくは現職の退職理由として、「仕事が自分に合わなかった(20.84%)」と回答した人が最多となった。

 Q3で入社時の志望度が高かったと回答した人は71.8%だったことから、入社後のギャップが大きいことがわかる。その他の回答としては「副業ができないため」「会社の将来性が見えなかったため」「手に職をつけたかったため」などがあがった。

■前職と現在の企業規模に大きな差はない

■前職と現在の企業規模に大きな差はない

 「前職の企業規模はどのくらいだったか?」と質問したところ、第二新卒として転職活動をしている523名の前職もしくは現職の企業規模は大きく差が出ない結果となった。

■55.83%の人が1年未満で転職

■55.83%の人が1年未満で転職

 「前職もしくは現職の在籍期間はどのくらいだったか?」と質問したところ、第二新卒として転職活動をしている523名の55.83%の人が1年未満で転職したことがわかった。

■退職した原因は自分側にあった

■退職した原因は自分側にあった

 「退職したのはどちらに原因があったと感じているか?」と質問したところ、第二新卒として転職活動をしている523名のうち、62.91%の人が退職した原因は自分側にあったと回答した。

 仕事や社風へのミスマッチに関しては、「会社側」よりも「自分側」に退職の原因があると考えている人が多いと予想できる。

■再就職する会社に求めるものとは

 再就職する会社に求めるものについて、1位~3位までを選んでもらった結果は以下の通りだ。

〇回答選択肢一覧 
・給料
・福利厚生
・休日の多さ(土日休みなど)
・勤務地
・希望の業界
・希望の職種
・良好な人間関係
・キャリアアップ
・社会的意義のある仕事
・教育制度
・会社の将来性
・会社の安定性
・会社の規模の大きさ
・知名度
・ワークライフバランス

「再就職する会社に求めるもの」1位
①.休日の多さ(土日休みなど) (17.59%)
②.ワークライフバランス (11.85%)
③.良好な人間関係 (11.47%)

「再就職する会社に求めるもの」2位
①.休日の多さ(土日休みなど) (19.72%)
②.給料 (13.81%)
③.良好な人間関係 (11.44%)

「再就職する会社に求めるもの」3位
①.給料 (16.37%)
②.良好な人間関係 (13.37%)
③.休日の多さ(土日休みなど) (11.78%)

 第二新卒として転職活動をしている523名のうち、再就職する会社に求めるものとして「休日の多さ(土日休みなど)」回答した人が最多という結果だった。希望の業界業種や会社の将来性よりも、ワークライフバランスを重視していることがわかる。

 その他の回答としては「服装が自由であること」「年功序列ではないこと」「研修がしっかりしているところ」などがあがった。

■まとめ

 調査結果から、約7割の人は、退職した前職に対し、入社時は志望度が高かったと回答し、退職理由として見られる共通は、仕事や社風が合わないことや忙しいことがあげられた。

 採用した新卒採用の若者が職場に定着するためには、採用後のミスマッチを防ぐことが重要と言えそうだ。採用ターゲットを明確にし、入社前に不安要素を取り除くフォローを行うなど、自社の採用の在り方を見直してみてはどうだろうか。

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