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【花粉症】約7割が仕事に影響が出ていると感じると回答 対策の盲点は床に潜む「隠れダスト」

2020.03.27

 ソフトバンクロボティクスは、オフィス環境が働く人に与える影響を明らかにするため、オフィスで働く全国の男女516人を対象に「オフィスの“隠れダスト”に関する意識調査」を実施した。また、NPO法人東京アレルギー・呼吸器疾患研究所の白井秀治氏監修の下、都内6カ所のオフィスを対象に「隠れダスト」を分析する実態調査を実施し、意識調査の結果と実態調査の結果を併せて発表した。さらに、調査の結果を受けて、実態調査を実施・監修した白井氏と、耳鼻咽喉科専門医である日本医科大学武蔵小杉病院の松根彰志氏のコメントも併せて公表している。

■花粉症患者の約7割が「オフィス内でも花粉症を自覚」また仕事に影響が出ていると感じるも約7割に

オフィス内で花粉症を感じるかと症状
オフィス内で花粉症を感じるかと症状

 オフィスでの花粉症の感じ方について聞いたところ、「オフィスで花粉症をよく感じる(17.0%)」「やや症状を感じる(48.9%)」と回答があり、花粉症患者の約7割がオフィスで花粉症の症状を感じていることが分かった。

 また、花粉症の症状の一つである集中力の低下や眠気など、仕事に対する影響について聞いたところ、「仕事に対する影響がある(19.6%)」「仕事に対する影響がややある(46.3%)」と答えた花粉症患者も約7割となり、オフィスの花粉が働く人に影響を与えていることが判明した。

■オフィスの「隠れダスト」からダニ、花粉などを検出。健康被害が出るカビも

 同社は、NPO法人東京アレルギー・呼吸器疾患研究所 環境アレルゲン班・班長、白井秀治氏監修の元、オフィスの床に潜む「隠れダスト」を明らかにするため、都内6カ所のオフィスを対象に、「隠れダスト」を分析する実態調査を行った。併せて、住居のダストについても調査し、オフィスとの比較を実施した。その結果を以下に記載していく。

住居よりも高い数値で準揮発性有機化合物(SVOC)が検出
 SVOCは全てのオフィスからフタル酸ジ-2-エチルヘキシルが検出され、住居に比べて高い値が検出された。最も高いオフィスではホコリ1gあたり3,203 μg*となり、住居の平均である111 μg*の約29倍という結果であった。*μは1/100万

住居に比べてオフィスはカビの量が多い傾向。健康被害が出るカビも検出
 オフィスのカビは住居に比べて平均的に多い傾向であった。また、特に注視することとして全てのオフィスから、呼吸器に関わる健康被害が報告される「コウジカビ(アスペルギルス属)」が多種類検出された。その他、住居に多いとされるアオカビも全てのオフィスで検出され、その数は今回調査した住宅に比べ最大で10倍以上も多い結果であった。

花粉、ネコアレルゲン、ダニなどのアレルギーに関わる物質も検出、2~3月の花粉シーズンは「隠れダスト」の花粉量が増える可能性

 実験を行った12月は、スギ花粉がまだ飛散していないと考えられる時期だが、オフィスの1カ所から検出された。本格的な花粉シーズンには、花粉がオフィス内に侵入し、「隠れダスト」として床に残留する可能性が考えられる。また、全てのオフィスがネコを飼育していないにもかかわらず、全てのオフィスからネコアレルゲンが検出された。一方、ネコを飼育していない住居では全住居でネコアレルゲンは検出されなかった。ネコを飼育している人などからネコアレルゲンがオフィスへ持ち込まれている可能性が考えられる。その他、細菌とダニは住居に比べ平均的に少ない傾向だったが、オフィス内に存在することが明らかになった。

■隠れダスト対策は「床掃除」が盲点

オフィス内の花粉が多い場所と花粉対策状況
オフィス内の花粉が多い場所と花粉対策状況

 続いて「(オフィスの)どの場所に花粉が多くあるか?」という質問では、約50%のオフィスワーカーが「空気中(53.5%)」と回答したものの、「執務室の床(1.4%)」「応接室/会議室の床(0.2%)」と床に花粉が多く存在すると回答した人はわずかであるという結果になった。

 さらに、花粉症対策として具体的に実施しているのは、マスクや空気洗浄機という回答が多く、床の対策にまでは及んでいないことが分かった。これらの結果から、オフィスの花粉症対策では「床掃除」が盲点となっていることが判明。

 また、自社のオフィスの「隠れダスト」対策について、オフィスワーカーに聞いたところ、「あまり対策はしていない(34.5%)」「まったく対策していない(41.1%)」と7割以上が不十分と回答。前述の通り、花粉症患者の多くがオフィスで花粉症の症状を感じており、仕事に影響すると回答する一方で、多くのオフィスワーカーが自社の「隠れダスト」対策を不十分だと感じていることが分かった。

■「隠れダスト」対策で、約8割の人が仕事への集中度や効率を上げられると回答

隠れダスト対策で集中力や効率は上がるか
隠れダスト対策で集中力や効率は上がるか

 これらオフィスでの花粉症の症状の対策について、「オフィス内の隠れダストをキレイに清掃することによって、あなたの仕事への集中度や効率はどの程度変わると思うか?」と聞いたところ、「仕事への集中度や効率がとても上がると思う」「やや上がると思う」と答えた人は77.5%だった。
 
 オフィスの「隠れダスト対策」をすることで、多くの人にとって働きやすい環境になり、仕事の生産性を向上させられる可能性があることが分かった。

■人の掃除では、清掃ムラにより約60%しか清掃できていない結果に

人とロボットによる掃除実験
人とロボットによる掃除実験

 「隠れダスト」を模した蛍光粉体を、カーペット上に目視で確認できない微量散布し、人が掃除を行った場合と、ロボット掃除機「Whiz」が掃除した場合を比較する実験を行なった。実験の結果、右の画像のように、人が掃除した場合は、掃除の仕方が目に見えるごみに集中しがちになるなど、“清掃ムラ”が発生してしまい、「隠れダスト」の取り残しがあることが分かった。掃除前と比較すると、人の掃除の場合は約60%しか清掃できていない結果となった。

 一方、「Whiz」は、記憶した清掃ルートをくまなく掃除できるため、全ての場所で一定の掃除効果が確認された。そのため、「Whiz」は人の掃除では取り残しやすい「床」の隠れダストにもムラなく対応できることが分かった。

■人が掃除する時はダスト粒子が舞い上がりやすい傾向。8倍以上の差も。

 人が掃除した場合と「Whiz」が掃除した場合の、掃除時の空中浮遊粉塵の粒子数を測定する実験を行なった。測定の結果、人は掃除開始直後から粒子濃度が上昇したのに対して、「Whiz」では粒子濃度の大幅な上昇はみられなかった。掃除終了にかけてのピーク時の粒子濃度の比較では人の掃除行為はロボット掃除機の約8倍もの大きな差があることが判明。人の掃除は動作が大きく、また床を歩く際の舞い上がりにより大きい粒子でも舞上げてしまうことが考えられる。「隠れダスト」対策には、こうした舞い上がりへの対策も必要となる。

■花粉による経済損失は約2,860億円というデータも。「隠れダスト」対策が仕事の効率を上げる可能性

 日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科学、日本アレルギー学会専門医である松根彰志教授は以下のように述べている。

「隠れダストに含まれる、チリや、花粉、カビ、細菌、化学物質はさまざまなアレルギーなどの症状を引き起こす可能性があります。

 今回の意識調査では、花粉症患者の約7割がオフィスでも花粉症の症状を体感していることが分かった。花粉などのアレルゲンは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、ドライアイなどの症状を引き起こすため、オフィスで働く人にとって、集中力の低下や疲れやすくなるなど、仕事の効率低下につながる。過去の論文では、花粉症による経済損失は2,860億円(科学技術庁/2000年)というデータもあり、床にある花粉は舞い上がることで、仕事中の人に影響があると考えられている。

 今回の調査ではわずか1.6%の人しか床にも花粉が多いと回答していなかったが、窓や玄関、衣服についた服がオフィス内に入ると、空気中から床に落ちて「隠れダスト」になる。「隠れダスト」は、定期的な床の掃除をすることで、ある程度の対策は可能だ。「隠れダスト」は目に見えにくいため、一見きれいに見える床でも掃除を行う必要があり、さらにムラなく掃除をすることが重要になる。さらに、「隠れダスト」は空気中に舞い上がりやすいので、それを予防するため、マスクや空気洗浄機なども有効になるだろう。これらの「隠れダスト」対策をすることで、オフィスワーカーの体への負担が減り、仕事の効率が上がる可能性も考えられる。」

■まとめ

 今回の調査から、オフィスでの花粉症対策として隠れダストへの対処が重要であることが分かった。ただ、空気中に舞う花粉への対策と比べると、床に落ちた花粉への対策は、進んでいないのが現状のようだ。花粉等のアレルギーを持つ社員が快適に働けるよう、オフィス環境を整え、人の手では行き届かない部分の掃除にも気を配ることが、企業にも求められそうだ。

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