「派遣スタッフ・企業におけるテレワーク実態調査」テレワーク経験有無が業務効率に影響も
株式会社リクルートスタッフィング(本社:東京都中央区、代表:山本慎也)は、テレワークで就業した経験がある派遣スタッフ7,093人とテレワークを導入し、派遣スタッフのマネジメント(評価、教育・サポート、指示・命令、派遣会社への連絡相談など)をしている派遣先担当者500名を対象に、「テレワーク実態調査」を実施した。
派遣スタッフの9割がコロナをきっかけに初めてのテレワーク
テレワークを実施したスタッフに、今回のテレワークとは別に、「今までテレワークを経験したことはありましたか」と質問したところ、91.7%が「経験したことがない」という結果になった。
また、派遣先企業に、「テレワークを導入した時期はいつですか」と質問したところ、20.1%が「コロナ前にテレワーク導入」、79.9%が「コロナ後にテレワーク導入」と回答した。
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初めてのテレワーク、業務効率などに不安
「テレワークで就業するにあたり、どのような不安がありましたか」と質問したところ、最も多かったのは「自宅の環境で仕事ができるのか不安があった」で54.5%、次いで「自宅でもオフィス同様の成果が出せるのか不安があった」が50.2%、「指揮命令者とのコミュニケーションがとれるか不安があった」が22.8%、「一人で仕事をすることで孤独になってしまうのではないかと不安があった」が10.1%と続いた。
派遣先担当者の不安は多岐に
派遣先担当者に、「テレワークで、派遣スタッフのマネジメントをするにあたり、どのような不安がありましたか」と質問したところ、最も多かったのは「時間を持て余してしまうのではないかという不安があった」で58.5%、次いで「相手の気持ちや思っていることが分かりにくくなる不安があった」が56.2%、「パフォーマンスを正確に評価できるか不安があった」が56.1%、「メンタルケアや心身のコンディション掌握ができるか不安があった」が54.4%、「業務の進捗を把握できるか不安があった」が54.0%、「相手が相談しにくくなるのではないか不安があった」が51.8%、「仕事内容をしっかりと伝え、理解されるか不安があった」が51.3%と続いた。
「オフィスの方が業務が進む」人が約4割
派遣スタッフに「テレワーク実施中のあなたの業務の進み具合について、オフィス勤務時と比較して教えてください」と質問したところ、「在宅の方が業務が進む」12.4%、「在宅の方が業務がやや進む」17.5%、「どちらともいえない」31.7%、「オフィスの方が業務がやや進む」22.5%、「オフィスの方が業務が進む」15.9%という結果になった。
また、「勤務先からの業務指示の分かりやすさについてオフィス勤務時と比較して教えてください」と質問したところ、約4割が「オフィスの方が業務指示がわかりやすい」、約6割は「どちらとも言えない」と回答した。
テレワークを初めて経験した人が多い中、「オフィスの方が良い」という回答は多くあるものの、半数以上はオフィスと同様に仕事を行うことができているとわかった。
派遣先担当者の15.6%が「在宅の方が業務効率が悪くなった」と回答
テレワークで派遣スタッフのマネジメントを行う派遣先担当者に「テレワークと通常勤務との業務効率の比較」について質問したところ、「在宅の方が悪くなった」が15.6%、「どちらともいえない」が51.2%、「在宅の方が良くなった」が33.2%という結果になった。
「テレワークと通常勤務における業務指示のしやすさ」を質問したところ、「在宅の方が悪くなった」が25.6%、「どちらともいえない」が48.4%、「在宅の方が良くなった」が27.0%という結果になった。
「テレワークと通常勤務における日々のコミュニケーションについて」を質問したところ、「在宅の方が悪くなった」が31.0%、「どちらともいえない」が40.2%、「在宅の方が良くなった」が28.8%という結果になった。
テレワーク導入時期の差による伴う意見の違いも
新型コロナウイルスの流行前から、テレワークを導入していた企業では、コロナ後にテレワークを導入した企業に比べて、「業務効率」「業務指示」「コミュニケーション」が、オフィスよりも在宅の方が良くなったという回答が多かった。
また、新型コロナウイルスの流行前からテレワークを経験していた派遣スタッフは、コロナ後にテレワークを経験した派遣スタッフに比べて、「業務の進み具合」「業務指示のわかりやすさ」がオフィスよりも在宅の方が良くなったと回答した。
派遣スタッフ「通勤ストレスの軽減」を期待
テレワークを希望する人に「コロナウイルス感染症収束後の今後の働き方について、あなたが回答した理由を以下から選んでください」と質問したところ、最も多かったのは「通勤でのストレスや疲労感がないから」次いで「在宅でもオフィスと同じように働けるため不都合がないから」、「会社よりも自宅の方が集中できるから」、「育児や家事に時間が使えるから」と続いた。
全社的にテレワークの方針が出ている企業も
コロナ流行前から、テレワークを導入している企業の導入理由としては「スキルの高い派遣スタッフを紹介してもらえそうだから」「本人のモチベーションがあるから」などが挙げられていたが、コロナ流行後にテレワークを導入した企業の理由としては「全社的にテレワーク推奨の方針が出ているから」がトップとなった。
派遣スタッフの約8割がテレワーク継続を希望
派遣スタッフに「コロナウイルス感染症収束後の今後の働き方について、派遣先がテレワークがOKの場合、あなたの希望を教えてください」と質問したところ、「収束後、通常時に戻ったあともテレワークを希望する」が78.0%、「テレワークは行いたくない」が5.0%、「わからない」が17.0%となった。
ITインフラが整っている企業は、テレワークの生産性が高い!?
テレワークにおいて、生産性が向上した企業と、下がった企業を比較したところ、ITインフラ整備などのハード面が整備されている企業はテレワークの方が生産性が高い結果となった。
今回の調査では、闇雲にテレワークを導入するのではなく「目的を生産性向上においた設計」と「テレワーク経験」がポイントとなることがわかった。
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