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【コロナ禍における健康診断/がん検診の意識・実態調査】3人に1人が来年度の受診を「控えたい」と回答

2020.12.09

 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニー(本社:東京都千代田区、代表:玉井孝直)は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、健康診断やがん検診の受診減少が懸念されていることを受け、全国の20~79歳の男女15,000人を対象に「健康診断・人間ドック、がん検診に関する意識調査」を実施した。

3割以上が来年度検診の受診を「控えたい」

 「健康診断」と「がん検診」の受診回避意向を調査したところ、2020年4月~6月に5割を超え、「来年度控えたい」と回答した人も3割を超える結果となった。今年度・来年度のいずれのタイミングにおいても健康診断を「控えたい」と回答した人の63.2%が控えたい理由として「新型コロナウイルスの感染リスクがあるから」を選択する結果となった。

 「健康診断・がん検診の受診状況と今後の意向」に関する調査を実施。2020年10月時点で「健康診断」を受診済みの人は約4割、今年度中に受診予定の人を含めると約6割であった。
 一方で、「がん検診」についてはいずれの種類においても受診済みの人は2割程度、今年度中に受診予定の人を含めても3割程度に留まる結果となった。

 受診状況は、加入している健康保険種別にも差が見られる結果となった。後期高齢者医療制度の加入者を除くと、会社員や公務員とその家族は「組合けんぽ」「協会けんぽ」「共済組合」に加入するケースが多く、自営業や会社を退職した人とその家族の多くが「国民健康保険」に加入している。
 加入保険種別に、今年度の検診の受診割合を調査したところ「国民健康保険」加入者のうち「健康診断」を受診している人は2人に1人、「がん検診」においても受診者は約2~3割に留まっている。
 一方で、「組合けんぽ」加入者は全体平均に対して高い受診率となっている。

 

「健康状態に不安がない」から受診しない人も

 2020年10月末時点における「健康診断」の未受診者を対象に、「受診しない理由」を調査したところ、全体で最も多かったのは「コロナの感染リスクがあるから」で26.9%であった。一方、「受診予定はない」と回答した人の最も多い理由としては「健康状態に不安はないので、必要性を感じていないから」で29.6%であった。

 また、2020年10月時点における「胃がん検診」の未受診者を対象に、「受診しない理由」を調査したところ、20.1%が「からだの変調を感じないから」と回答した。

 

コロナ禍でも受診した理由は「定期的に受けているから」

 「今年度中に健康診断を受診した理由」を調査したところ、最も多かったのは「これまでも定期的に受けているから」で54.9%であった。次いで「健診を受けると安心できるから」が31.1%、「感染対策が講じられており、コロナに感染する可能性は低いと思うから」が21.4%と続いた。

 また、がん検診においても「これまで定期的に受けているから」が最も多い受診理由となった。加えて、約2~3割が「発見が遅れ、手遅れになりたくないから」と回答した。

 

来年度の受診に備えて「おすすめの病院」を知りたい

来年度の受診に備えて「おすすめの病院」を知りたい

 「現在知りたい医療情報」を調査したところ、最も多かったのは「コロナに関する正しい基本情報」で39.7%、次いで「コロナの感染予防に有効な方法」が32.9%と続いた。
 また、来年度「健康診断」や「がん検診」の受診を予定している人からは「どの病院を受診したら良いのか分からないので、おすすめの病院・専門医の情報」や「コロナの感染リスクがあるなか、受診・治療すべきかどうか判断できる情報」、「コロナの感染リスクを軽減するために健診・検診時に留意すること」を知りたいという声が多く挙げられた。

がん検診への理解度は「低い」傾向に

がん検診への理解度は「低い」傾向に

 国が公共的な予防策としている「がん検診」は「対策型がん検診」と呼ばれ、科学的根拠に基づき一定年齢以上の人の定期的な受診が推奨されている。
 しかし、「がん検診の制度や科学的根拠に関連する事柄について認知状況」を確認したところ、調査対象者全体では「この中に知っているものはない」を除き、全ての項目で4割を下回る結果となった。特に、各「がん検診」の推奨年齢や頻度に関する認知割合は2割以下と低く、受け身な状態の人が多いことがわかる。
 一方で、今年度いずれかの「がん検診」を受診した人の結果を見ると、がん検診の制度や科学的根拠に関連する事柄について全ての認知割合が全体を上回り、特に制度面での理解が進んでいることが明らかとなった。

体調の異変を感じながらも受診を控えた人は約4割

 緊急事態宣言が発令された4月以降の「医療機関を受診する必要があった際の行動」を調査したところ、約4割が「体調不良や異常を感じながら医療機関の受診を控えた」ことがわかった。具体的な理由としては、「コロナの感染リスクの不安が大きかったから」、「まだ病院に行かなくても大丈夫だと思ったから」、「症状がおさまったから」などが挙げられた。

 また、調査対象者全員に「コロナの感染拡大の影響による疾患リスクへの不安」を調査したところ、「健康診断や人間ドックを見送ることで病気の発見が遅れること」、「がん検診を受けないで早期発見が遅れること」を「不安である」とした人は約6割に留まる結果となった。

まとめ

 従業員の健康を守ることは会社の重大な使命とも言えるであろう。新型コロナウイルスの感染を懸念するあまり、様々なことが後回しになってしまいがちだが、コロナ禍だからこそ「健康診断」、「がん検診」で心身の状況を把握することも重要かもしれない。検診の意義を明確化し、受診を促していくことがさらに必要となってくるであろう。

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