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電子保存2年猶予にどう対応?52.3%の経理担当者が1年以内に対応を検討も、4割弱は猶予措置が出たことを「知らない」

2022.02.02
オフィスのミカタ編集部

SBIビジネス・ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:夏川雅貴)は、2022年1月1日に施行された電子帳簿保存法に関する調査、および施行直前の2021年12月に出された同法における電子保存義務化に対する2年間の猶予措置に関する調査を、それぞれ経理・会計・財務を担当しているビジネスパーソン約1,000名を対象に実施した。

改正電子帳簿保存法の内容を知っていたのは3割未満

改正電子帳簿保存法の内容を知っていたのは3割未満

2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行されることを知っているか聞いたところ、「改正があることは知っているが内容は知らない」が35.7%、「改正があることを知らない」が34.5%にのぼり、計7割を超えた。

施行1か月前(調査期間:2021年11月22日~11月25日)になっても、電子帳簿保存法の改正について「内容まで知っている」のは3割に届かず、理解が進んでいない事実が明らかとなった。

「改正の内容まで知っている」人も内容を正確に把握しきれず

「改正の内容まで知っている」人も内容を正確に把握しきれず

次に、前項の質問で「改正の内容まで知っている」と答えた人に対し、以下の質問をした。

・改正電子帳簿保存法により、電子保存の事前承認制度がなくなることを知っているか。
(回答:知っている:90.6%、知らない9.4%)

・改正電子帳簿保存法により、紙の書類をスキャナ保存する際の要件が緩和されることを知っているか。
(回答:知っている:92.5%、知らない7.5%)

・改正電子帳簿保存法により、電子取引データについては、紙に出力して保存することが認められなくなることを知っているか。
(回答:知っている:92.5%、知らない7.5%)

・改正電子帳簿保存法が定める電子取引データの保存要件を満たせない場合、青色申告や連結納税の承認の取り消し処分などの罰則を受ける恐れがあることを知っているか。
(回答:知っている:83.1%、知らない16.9%)

このように、「改正の内容まで知っている」と答えた人であっても10%前後の人が改正内容を正確に把握しておらず、特に「電子取引データの電子保存義務化を満たせない場合のリスク」に関しては16.9%もの人が正確に把握していないという結果となった。

電子帳簿保存法の改正に「対応済み」の企業は17.2%

電子帳簿保存法の改正に「対応済み」の企業は17.2%

さらに、最初の質問に「改正の内容まで知っている」「改正があることは知っているが、内容は知らない」と答えた人に対し、「勤務・経営している会社が、改正電子帳簿保存法への対応を行っているか」聞いた。

その結果、改正1か月前の時点で、電子帳簿保存法の改正に「対応済み」の企業は17.2%しかおらず、3割の人が「(法改正があることを知りながら)対応していない/わからない」と答えている。

また、全体の3割以上がそもそもの法改正を認知していなかったことから、実際にはさらに多くの企業が改正電子帳簿保存法への対応に遅れをとっていたと考えられる。

猶予措置の内容を知っていたのは3割未満

猶予措置の内容を知っていたのは3割未満

2021年12月、政府から電子保存義務化の2年間の猶予措置が出された。これに関連して、「2022年1月1日施行の改正電子帳簿保存法に猶予措置が出たことを知っているか」尋ねた。

その結果、施行3日前となる12月29日の時点で、「詳しい内容まで知っている」と答えた人は3割に届かず、4割近くの人は猶予措置が出たことを認識していなかった。

導入準備済み/導入済みでも運用に不安か

導入準備済み/導入済みでも運用に不安か

次に「改正電子帳簿保存法の猶予措置についてどのように感じたか」を聞くと、「導入準備を進めていなかったので安心した」が36.6%、「導入準備済み/導入済みであるが実際の業務がよくわかっていないので安心した」が26.1%にのぼった。

このことから、対応や準備を進めてきた企業でも運用に不安を持っていたことがうかがえる。

「1年以内に電子保存を導入したい」経理担当者が5割超

「1年以内に電子保存を導入したい」経理担当者が5割超

最後に、「改正電子帳簿保存法に猶予措置が出たことで、今後どのようなスケジュールで電子取引データの電子保存を導入したいと思うか」尋ねた結果、52.3%の人が「1年以内に電子保存を導入したい」と回答。

2年間の猶予措置が出たとしても、過半数の人は計画的に電子保存を導入していきたいと考えていることがわかった。

ペーパーレス化・業務効率化推進の契機に

本調査により、改正電子帳簿保存法が施行される1か月前になっても、改正内容についての理解度が高いとはいえず、12月に発表された猶予措置の認知度も低いことがわかった。

2年間の猶予ができたとはいえ、改正電子帳簿保存法は、いずれはすべての企業が対応しなければならないルールだ。「スキャナ保存の要件緩和」をはじめ、ペーパーレス化や業務効率化を進めることで企業にメリットをもたらす内容もある。

未対応の企業は、改正電子帳簿保存法への対応をきっかけとして業務フローや社内ルールを見直し、ペーパーレス化・業務効率化を図りたいものだ。

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