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freeeが、税務調査サポートが付いた「法人税申告後もあんしんプラン」を発表

2022.12.14
オフィスのミカタ編集部

法人・個人事業者向けの事務管理を効率化するためのクラウド型サービスを開発、運営するfreee株式会社(本社:東京都品川区、CEO:佐々木大輔、以下「freee」)が、新プランを発表。税務申告ソフト「freee申告」において、税務調査発生時には専門の税理士がサポートに当たる新たなプラン、「法人税 申告後もあんしんプラン」の提供を開始した。これに伴い、12月1日に報道関係者向け勉強会を兼ねた発表会を実施。税務調査におけるデジタル化において、ユーザーが抱えているニーズと課題、そして未来についてを示した。

法人の税務調査を、専門の税理士がサポート

freeeでは、同社の「freee会計」と同時に使うことで業務効率化を図る、会計事務所向けに提供していたクラウド型税務申告ソフト「freee申告」のサービスを、2021年2月より小規模法人(※1)に提供開始。「freee会計」で「日々の仕分けや記帳業務」「決算書作成」を行い「freee申告」で「法人税申告書作成」「決算書と法人税申告書の提出」に進めるので、税務申告における主な4工程が一気通貫、かつセルフで行えるようになった。
ただ、税理士を介さない申告は税務調査のときに自身で対応する必要があるため、不安は拭えなかった。そこで、「freee申告」のベーシックプラン(2万4800円)に、税務サポートが付いた「法人税 申告後もあんしんプラン」の提供を、2022年12月1日より開始。今までの基本機能に加え、税務調査の対象になったときは、freee認定アドバイザーの税理士がサポートしてくれる、小規模事業者やマイクロ事業者には心強いサービスになっている。

freee株式会社 プロダクトマネージャーの高木悟氏は、会計士税理士でもある。スモールビジネスをとりまく税務申告の煩雑さを、プロジェクトの力で解決したいという思いから、製品開発に至ったという

セルフ申告での「税務調査における不安」を解消したい

同社が新プランを発表した背景には、小規模企業の増加と、その企業らが抱える税務調査への不安を解決したいという思いがあった。インターネットを使用したアンケート調査によると、税務調査時の対応に不安を感じている人の割合は53.3%、自分にも関係あると思うという人は81.2%にも上った。

回答者数:512名
調査期間:2022年11月2日〜9日
対象:従業員20名以下の小規模法人

「いつか自分に税務調査がきた際に、そもそもどう対応していいのかわからないことに不安になっている担当者の姿が垣間見えた」と、freeeのプロダクトマネージャー 高木悟氏。
「freee申告」を用いたセルフ申告で、税理士への依頼コストの削減や、企業の自計化意欲に応えることはできる。一方、「セルフ申告」の便利さは理解していても税理士に依頼してしまう法人も少なくはないことが想定される。

交渉から修正申告まで、専門の税理士がサポート

交渉から修正申告まで、専門の税理士がサポート

小規模事業者が抱える税務調査の不安に答えるのが、「法人税申告後もあんしんプラン」だ。このサービスでは、税務調査の事前の交渉と準備から、調査当日の立会い、修正申告まで対応してくれる。現在のところ、free認定アドバイザーは、free認定5つ星アドバイザーの豊田啓彰氏と、3つ星アドバイザーの船着貴史氏の2名。今後は、サポート対応税理士は増える予定だ。

税務申告DX化の未来とは? 海外の事例、日本の現状から考える

国税庁は「スマート税務行政」と称して、デジタル化を進める方針を打ち出しているが、今後どのような未来が訪れようとしているのか。free認定5つ星アドバイザー、荒井会計事務所の豊田啓彰氏が、海外における税務申告DX化の動向、国内の行政、現場の動向などから紐解く。

豊田啓彰氏。ファーストリーディング、ユニクロを経て、2013年に社会課題を解決する会社を起業。日米、全国を駆け巡る中、freeeローンチ当初からのユーザー

「イギリスでは、2011年から電子プロセスによる、電子申告が義務化されており、やむを得ない事由を除いて、99%以上の事業者がデジタルで税務申告をしています。また、フランスでは2023年1月以降、消費者が要求しなければ紙のレシートが発行されないなどの措置が行われています」という、豊田氏。
また「日本においても、デジタル化の波は押し寄せている」(豊田氏)とも。 2021年6月に公表された、「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」によると、「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2軸とし、税金徴収においてもデータを活用していくとのこと。これにより、税務行政のDX化に拍車がかかる。そして、そのような効率化は、徴税の仕組みを変える。「会社の規模に問わず、誰もが税務調査を受けることにもつながる」と、豊田氏は考察する。そして日本の現状について「デジタル活用の効率的な徴税の仕組みが広がりつつあります。利便性の向上は当然望ましいですが、同時に徴収効率が上がるといったところに対して、事業者、そして会計事務所も対応していかなければいけない時代がもう既に到来しているといえます」(豊田氏)とまとめた。

まとめ

国税庁が、申告データを元に税務リスクがある事業者を高確率且つ高効率に抽出する流れは、さらに加速していくと予想される。税務調査の波に備えるために、税務調査サポートが付いた「法人税申告後もあんしんプラン」が、事業者のリスクヘッジの主な選択肢になる日は近いかもしれない。
(画像提供/freee株式会社)