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「災害時のフェイクニュース」 Z世代の45.6%がだまされた経験あり 災害時の情報取得に関する世代別調査【2023年度】

2023.08.25
オフィスのミカタ編集部

9月1日の「防災の日」を前に、ミドリ安全.comが全国の男女1000名を対象に災害時の情報取得やフェイクニュースへの認識に関する調査を実施。災害時に情報を取得するメディアとして、Z世代(18歳~28歳)ではX(旧Twitter)利用がテレビ利用を上回るなど、世代間の差が浮き彫りになる結果となった。

災害発生時に情報を得るメディア Z世代ではXが最多

安全靴や作業着等を販売する通販サイト、ミドリ安全.comは、Z世代からベビーブーマー世代までの男女1000名を対象に、災害時の情報取得やフェイクニュースへの認識に関する調査を昨年に続いて実施し、その結果が発表された。 全世代/Z世代(18~28歳)/ミレニアル世代(29~43歳)/ジェネレーションX(44~58歳)/新人類・ベビーブーマー(59~77歳)と、世代別にまとめられたそれぞれの回答を見ると、「調査背景」としている、SNSの普及や情報取得方法の多様化に伴う、日常で利用するコミュニケーション手段の変化が表れている。

地震や火事などの緊急災害発生時に、どのメディアで情報を得ることが多いかを聞いたところ、全世代合計で最も多かった回答は「テレビ(57.5%)」で、次いで「ヤフーニュースなどのポータルサイト(41.2%)」「X(33.8%)」と続いた。世代別に見ると、Z世代では「X」が51.6%と最も多く、昨年同様、Xが災害時の重要な情報収集ツールとして使われていることがわかった。また、新SNSである「Threads」で取得するというユーザーも3.1%いた。

速報性、信頼性ともにX(旧Twitter)がテレビに次ぐ

災害時に地震や火事などの緊急災害発生時に情報を得ることが多いと回答したメディアの中で、最も情報が早いと思うメディアを聞いたところ、全世代では「テレビ」が29.8%で最も多く、次いで「X(24.7%)」、「ヤフーニュースなどのポータルサイト(15.5%)」と続いた。回答を世代別に見ると、「X」がZ世代では最多で45.0%、ミレニアル世代でも30.0%で最多に。また、緊急災害情報が最も信頼できるメディアを聞いたところ、全体では「テレビ」が35.6%で、全世代共通して同じ結果だった。

メディアに関しての選択肢はX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、Threads、YouTube、TikTok、mixi、LINE、WhatsApp、上記以外のSNS、ヤフーニュースなどのポータルサイト、2chなどの掲示板、テレビ、新聞、ラジオ、防災系アプリ、防災無線、その他、当てはまるものはないから複数選択で回答

「災害時に最もつながりやすい」「家族と連絡が取れる」SNSは全世代でLINE

普段SNSを利用していると回答した930名を対象に、災害時に最もつながりやすい(接続が安定している)と思うSNSを聞いたところ、全世代で最も多かったのは「LINE(28.5%)」で、次いで「 X(20.0%)」、「YouTube(6.3%)」。世代別に見ると、Z世代とミレニアル世代ではXがLINEを上回り、それぞれ29.5%、27.2%だった。

災害時に家族と連絡が取れるSNSを聞いたところ、全世代ではLINEが66.1%と最も多い結果に。世代別に見ると、Z世代とミレニアル世代ではInstagramが2位に上がり、それぞれ18.6%、9.6%となった。

SNSに関しての選択肢はX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、Threads、YouTube、TikTok、mixi、LINE、WhatsApp、その他のSNSから複数選択で回答

災害用伝言ダイヤルの利用率は全世代で15.5%

災害時の災害用伝言ダイヤル(171)を利用したことがあるかを聞いたところ、利用率は全世代で15.5%。世代別ではZ世代の利用率が25.2%と最も高い結果となった。

災害時の災害用伝言ダイヤル(171)を利用したことがないと回答した845名を対象に、利用の仕方を知っているか聞いたところ、「詳しく知っている」と回答したのは、2022年調査時の2.8%から2.6ポイント増加したものの、全世代では5.4%にとどまり、「詳しくは知らないが緊急時には調べて使えると思う」が39.9%、最も多かったのが「詳しくは知らず、緊急時にも使いこなせる自信はない」で54.7%という結果となった。

3人に1人は「災害時のフェイクニュース」にだまされた経験がある

実際に災害時にフェイクニュースを信じてしまった経験を聞いたところ、全世代では「頻繁にある」と回答した方が2.9%、「ときどきある」が15.3%、「1回~数回程度ある」が16.0%で、合わせて34.2%と3人に1人が実際にフェイクニュースを1度でも信じてしまった経験があることがわかった。

世代別では若年層ほどフェイクニュースを信じてしまった割合が高く、Z世代では1度以上信じてしまった割合が45.6%と最も高かった。

近年の巧妙なフェイクニュースを見分ける方法は容易ではなく、だまされないためにもメディアリテラシー教育やレクチャーを行うケースが増えている。そこで、実際にどれくらいの人がフェイクニュース対策のリテラシー教育やレクチャーを受けているかを調べたところ、昨年から1.5ポイント上昇し、全体の21.3%が教育やレクチャーを受けた経験があることがわかった。若年層ほどその割合は高く、Z世代では41.2%だった。

2023年は関東大震災から100年の節目の年。そこで教育や家庭での話などを通じて、印象に残っている地震・災害を聞いたところ、最も多かったのは東日本大震災(2011年)で58.1%。一方、印象に残っている地震・災害はないと回答した割合は、Z世代が19.6%と最も高かった。

調査概要

■有効回答数:全国の18~77歳までの男女1000名(年齢ごとに大きく下記4つの世代に分け、男女ごとに均等割付)
 Z世代(18歳~28歳):250名(男性125名/女性125名)
 ミレニアル世代(29歳~43歳):250名(男性125名/女性125名)
 ジェネレーションX(44歳~58歳):250名(男性125名/女性125名)
 新人類・ベビーブーマー(59歳~77歳):250名(男性125名/女性125名)
 ※調査時の年齢を基準とする

■調査期間:2023年8月1日~2023年8月7日
■調査方法:インターネットリサーチ

まとめ

関東大震災が起きたのは、1923年9月1日。それから100年を迎える今年の調査は、緊急災害時に情報を収集するメディアや、その使い方における世代間のさまざまな違いを表す結果となった。個人や家族だけでなく、バックオフィス業務としても重要となる防災意識と緊急災害への備え。世代や情報取集ツールの違いなどを踏まえ、節目の年を、改めて防災を考えるきっかけとしたい。